フレイニャのブログ

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東大の文法問題から表現を覚えましょう(2)1971年度

(1)に引き続き,(2)です。東大がどんなことを聞いてくるかチェックしましょう。

前回は1971年度でしたが,実はあれはその半分でした。

 

■1971年東大文法問題(続き)

(6) How disappointing (  ) he should have failed!

(7) Nobody would employ John, (   ) they all know is dishonest.

(8) I wonder (  )has become of him.

(9)(  )was natural in view of his musical past, he was enjoying the music enormously.

(10) All this, (  ) it takes me so long to describe, impressed itself upon me in a few seconds.

上の5つの空欄には,以下のどれかが入ります(重複はありません)

as  he  that  what  which  who

 

今回は代名詞ですね。前回より難しそうです! なんとか解けそうなやつを見つけて選択肢を減らしていきましょう。

(8)

これは代名詞の知識というよりbecome ofの側の知識で対応できます。become ofは普通,

What has become of O?「Oはどうなったのだろう?」

What will become of O?「Oはどうなるのだろう?」

の形で使うからです。よってこれは瞬殺でwhatです。

I wonder what has become of him.

「彼はどうなってしまったのだろう?」

 

(6) 

まず,

It is disappointing that...「……なのはがっかりすることだ(我々をがっかりさせることだ)はお分かりでしょうか? であればこれを感嘆文にして,

How disappointing it is that...!「……なのは,なんてがっかりなことだろう」です。

仮にこれを知っていれば,というか知っているべきなんですが,(6)はthatを入れて,

How disappointing (it is) that he should have failed!

「彼が失敗したなんて,なんて残念なことだろう」

ポイントは,あったはずのit isが省略されていることですね(分かりきっているからでしょう)。it isがないなんておかしい!といっても,実際ないわけですから笑,thatを入れるしかないのです。

ところで,should have failedを「失敗したなんて(失敗したとは)」と訳していますね。この和訳は以下の記事の(4)で解説しています。この訳し方を含め,should have 過去分詞は4択なのです。全て押さえておきましょう!

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以下は,全部関係代名詞の問題になります。

(7)

関係詞連鎖(連鎖関係詞)を習っている必要があります

にゃんとフレイニャは去年の2月に解説済みです(´∀`)

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詳しくは上記記事を読んでいただきたいですが,関係詞連鎖は厳密には挿入ではないものの,挿入のような見た目になります。

Nobody would employ John,  who is dishonest.

「誰もジョンを雇おうとしないだろう。正直でないからだ」

この,関係代名詞の直前にカンマを打つことを非限定用法(非制限用法)と言います。既にジョンはジョンとして限定されており,who以下は誰であるかを限定するのに使われていないからです。ではwho以下は何をしているかと言うと,雇われない理由を補足説明しているのです。このカンマ+whoは言い換えれば,

Nobody would employ John,  for he is dishonest.

「誰もジョンを雇おうとしないだろう。(というのも)正直でないからだ」

です。ここまでも一つの文法事項ですが,更に本問は,これにthey all knowが割り込んでいます

Nobody would employ John,  who <they all know> is dishonest.

「誰もジョンを雇おうとしないだろう。正直でない<と皆が知っている>からだ」

こういう挿入っぽいものを「関係詞連鎖,連鎖関係詞」と言います。

 

(10) 

これも非限定用法の関係代名詞で,カンマ+whichで「それは……だ(が)」のような意味です。

All this, which it takes me so long to describe, impressed itself upon me in a few seconds.

「このことは全て,言葉で説明するにはとても時間がかかることだが,数秒で私に印象付けられた」 ※impressは「印象づける」

なおthatも関係代名詞whichの代わりに使えますが,カンマ+関係代名詞の場合,つまり非限定用法ではthatは使えません。それは現代英語のことで,古い英語ならばカンマ+thatは見ます(辞書にも(古)と注記されます)。受験では不可と覚えましょう。

なお本問では,(6)の答えをthatと確定していれば,「カンマ+関係代名詞は現代は不可」ということをうっかり忘れていても,消去法でthatを排除できます。

 

(9)

関係代名詞asを知っている必要があります。本来は接続詞なので,疑似関係代名詞(関係代名詞もどき)と言いいます。もどきなどと言いましたが,関係代名詞の役割を完璧にこなせます。関係代名詞asはカンマ+which「それは……だが」に似ています。

He was late for school, which is often the case with him.

「彼は学校に遅刻した。それは彼にはよくあることだが」

He was late for school, as is often the case with him.

「彼は学校に遅刻した。それは彼にはよくあることだが」

この2つの例,普通はasを使います。as is often the case with O「Oにはよくあることだが」は決り文句で,必須熟語です。

なお初学者はどうしても,「as it is often the case with himじゃないの?」と不思議に思ってしまいます。itが不要なのは,as自身がwhichの代わり,つまりitのような役割を果たしているからです。どうしても接続詞のasに見えるので,as you knowのように,主語を立てたくなるのですね。関係代名詞は自らが主語になれるのです。

さきほどwhichの例と並べましたが,関係代名詞のasはwhichにはできないことができます。主節に先行できるのです。

As is often the case with him, he was late for school

「彼にはよくあることだが,彼は学校に遅刻した」

関係代名詞のほうが先に立つことは,whichにはできません。

As was natural in view of his musical past, he was enjoying the music enormously.

「彼の過去の音楽の経歴を見れば当然のことだったが,彼はその音楽を非常に楽しんていた」

 

■何が分かるか,何が必要か

この5題のうち3題は「関係詞の非限定用法」「関係詞連鎖」「疑似関係代名詞」の知識を問うものでした。言い換えれば,これらの知識がなければ東大の英語文法問題には太刀打ちできないということです。

当然やるべきことは,英文法書を購入し,『関係詞』の章を開き,「関係詞の非限定用法」「関係詞連鎖」「疑似関係代名詞」をみっちり読んで,ノートにまとめることです。加えて「複合関係詞」「関係詞の二重制限」なんかもまとめておくと良いでしょう。

さらに言えばこの年は関係詞が狙い撃ちされただけかもしれませんので,英文法書は一通りやらねばならないでしょう(ま,当たり前ですね……)

英文法書をノートにまとめる際の注意は,

第1章から順にやらないこと

でしょうかね。自分がどうしても分からない,弱いという章から,徹底的にやりましょう。でないとすぐ飽きると思います。アルファベットや発音法則すら分からない言語を初めて勉強するときは,第1章からやるべきでしょう。

 

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