■東大の過去問を見ることで単語・熟語を覚えていこうというのが趣旨のシリーズです。
■文法問題とは?
大学入試の「英文法問題」には,
(a)文法書を勉強することで答えられるもの(純粋な文法問題)
(b)単語ごとの語法を問うもの(語法問題)
(c)問題文の意味内容から答えが決まってくるもの(単文読解問題)
があります。refuse to-Vとreject to-Vではどちらが正しいかというのはrefuse,reject側の問題ですのでこれは辞書の知識(=b)です。もし仮に文法書の「to不定詞」の章に「to-Vが続けられる動詞と続けられない動詞があり,refuseが前者でrejcctが後者だ」のように書いていれば(a)と言えなくはないですが,英単語数が多すぎるため,「文法語法辞典」のようなものでない限り「文法書」にはこうした情報を全部載せてられません。結局辞書の知識が必要なのです。辞書をこまめに引く,そして辞書の文法解説を〈読む〉ことが英文法問題に強くなる道です。また熟語集を一通りやると,対応できる問題が増えるでしょう。
古い問題から見ていきますよ!
■1971年東大文法問題
(1) It will not ( ) to blame him for the fault.
(2) I've tried to ( ) him of the habit, but in vain.
(3) Nothing would induce him to ( ) the secret away.
(4)( ) down the quotation I am going to read for you.
(5) It can't be helped. Let's ( ) the best of the bad job.
上の5つの空欄には,以下のどれかが入ります(重複はありません)
break do give make take turn
解説
重複がなく,消去法が使えるため,自信がある(簡単な)問題から確定し,選択肢を減らしていきましょう。
(1) will do「構わない,良い」,won't do=don't do「良くない」です。必須単語・熟語問題です。
It will not do to blame him for the fault.
=It doesn't do to blame him for the fault.
「彼を責めるのは良くない(間違っている)」
(3) give O away「(秘密)をもらす」。重要熟語です。
Nothing would induce him to give the secret away.
「どんな誘惑も彼に,秘密を漏らす気にはさせないだろう」
(5) make the best of O「Oを最大限に利用する」は私も記事にしたほど有名な熟語です。
↓北欧神話の(21)にも登場した表現です。
It can't be helped. Let's make the best of the bad job.
「しかたないさ。この悪い仕事を最大限活用しよう」
残るは(2)(4)ですが,候補は
break take turn
の3つです。
(4) turn down「断る;音量を下げる」は有名です。これを入れると,
Turn down the quotation I am going to read for you.
「私が貴方(達)のためにこれから引用することを断りなさい」
「私が貴方(達)のためにこれから引用することの音量を下げなさい」
な,なんか変ですね(´∀`;)
break downかtake downで何か思い出しませんか?
答えはtake down「メモに取る,書き留める(note down,write down)」です。ちょっと思い出しにくいかもしれませんね。
Take down the quotation I am going to read for you.
「私が貴方(達)のためにこれから引用することをノートに取りなさい」
(2) 残るはbreakかturnです。ちょっと難しいですが,
break A of B「AのBを断つ,AにBの習慣をやめさせる」です。rob A of B「AからBを奪う」なんかの知識がヒントになるかもしれません。
I've tried to break him of the habit, but in vain.
「私は彼にその習慣をやめさせようとしたが無駄だった」
■あなたは何をすべきか?
今回の5問はたまたま全部が純粋な文法問題(a)というより単語・熟語問題(b)でした。
本屋に行って熟語集を幾つか手にとって見て下さい。巻末に索引がある熟語集が必須です。
今回のwill do,give away,make the best of,take down,break ofの中で,できるだけ多く(3つ以上ないと厳しい)が掲載されている熟語集を選び,購入して下さい。そしてそれをみっちり覚えて下さい。