「フレイニャ英語事典」(普通の辞書と違い雑学的なので「事典」)「フレイニャ英文法」をブログ上で展開したいフレイニャです(´∀`)
「複合関係詞」とは,関係詞(関係代名詞・関係形容詞・関係副詞)とever が合体した whatever, whichever, whoever, whenever, howeverなどです。
いっぺんにやると混乱するので今回は whatever 1つに絞って解説します。whatever は複合関係代名詞の1つですが,複合関係詞が導く節は大きく
(1)「……は何でも」という意味と,
(2)「たとえ何が……しようとも」という譲歩の意味
に分かれます。そして whoever であれば「何」が「誰」に,whichever であれば「何」が「どちら」に変わるだけなのですが,今回は whatever 1本で。
実例を示す前に1つだけ。
(1)の場合は名詞節となり,主語・目的語・補語として文から消去できない要素となります。
(2)の場合は副詞節となり,文から消去しても文は崩れません。また,助動詞 may(譲歩の may)を使うことが出来ます。
では実例を。
(1)
Whatever he said bothered me.「彼が言ったことは何でも,私を煩わせた」
I can handle whatever happens.「私は,起こることは何にでも対応できる」
上の文が主語になっている例,下が目的語になっている例です。文から主語や目的語を消去すると文が成立しなくなりますね。例えば I can handle だけだと目的語が欠けます。
なおこれらの文を「彼が何を言っても私を煩わせた」とか「たとえ何が起こっても私は対応できる」と(2)の訳し方のように訳しても差し支えはありません。ただ文法的には今述べたように(1)と(2)は区別されます。
(2)
Whatever he says, ignore him.「(たとえ)彼が何を言っても,彼を無視しろ」
Whatever happens, I'll do my best.「(たとえ)何が起こっても,私はベストを尽くす」
この2例の whatever が導く節(whatever 節)は副詞節になっており,文から消去しても残された文(斜体部のところ)は成り立っています。よって(1)か(2)か判別したければ,消去して残された文が成り立つか調べることです。
さらに(2)では譲歩の may を使っても良いと言いました。
Whatever he may say, ignore him.「(たとえ)彼が何を言っても,彼を無視しろ」
Whatever may happen, I'll do my best.「(たとえ)何が起こっても,私はベストを尽くす」
このように譲歩の may があれば即座に(2)と判断できます。
なお先程は述べませんでしたが(2)の場合 no matter what と言い換えられます。
No matter what he says [he may say], ignore him.「(たとえ)彼が何を言っても,彼を無視しろ」
No matter what happens [what may happen], I'll do my best.「(たとえ)何が起こっても,私はベストを尽くす」
No matter... のパターンにできるのは(2)のみです。
♥️ #FridayVibes pic.twitter.com/AK2gaXE9nE
— Danielle Elwood (@Danielle_Elwood) December 18, 2020
上の写真は副詞節になる Whatever 節の例ですね。「たとえ今日,何をするにしても」という意味です。
(1)と(2)の違いは大きいのか?
(1)と(2)は文法的な違いはあります(名詞節と副詞節とか)が,意味の違いは微妙ですね。一応,(1)は素直に「何でも」というのに対し,(2)は譲歩ですから,いわゆる逆接になります。(1)を(2)のような訳し方で訳してみて違和感がなければ,別に(2)の訳し方でもいいでしょう。
初学者への注意
普通の関係代名詞は what を除き,先行詞(関係代名詞で修飾される名詞)を必要とします。
the man who... とか言う時の the man が先行詞(who で修飾される名詞)です。what だけは先行詞を必要としません。複合関係代名詞は what と同様で,先行詞を必要としません。だから「起こることは何でも」と言うときに ×the thing whatever happens のようにしてはなりません。単に whatever happens でよいです。「やって来る人は誰でも」と言うときに ×the man whoever comes とはしません。単に whoever comes です。
ところで,なぜ最初に whoever を解説しなかったのでしょうか。関係代名詞を教わる時はまず who からでしょう。実は whoever には whomever という目的格の形もあるのです。ということでややこしくなるので,まずは形が1つしかない whatever からやりました。whoever は次に複合関係詞をやる時にやりたいと思います。
複合関係代名詞ではない whatever
whatever には他の用法があります。
(3)Whatever.「何でもいい」「なんとでも言え」「どうでもいいわ」
決り文句です。
(4)no+...+whateverで「...はあり得ない」
no+...の強意形です。no+...+whatsoeverとも言います。
no money < no money whatever < no money whatsoever
no doubt < no doubt whatever < no doubt whatsoever
複合関係詞には複合関係副詞の however(However hard he studies)などまだまだありますよ! とりあえず次に複合関係詞をやる時は whoever をやりたいと思います!
いきなりテスト
どちらが正しいか。
(a) We welcome whoever comes.「来る人は誰でも歓迎しています」
(b) We welcome whomever comes.「来る人は誰でも歓迎しています」