フレイニャのブログ

英文法・英単語,ゲームを中心に書いてゆきます。ツイッターの相互フォローと,英文法・英単語の質問を(ガチで)募集中です。質問はコメント欄か,こちらにお願いします→ kfreynya@gmail.com

メリトクラシー ──形態素“cracy”

デモクラシー(democracy)の“cracy”は「支配・権力」という意味です。いくつかまとめて覚えておきましょう。

(1)democracy「民主主義,民主主義国家」

democracy(moに強勢)は「民主主義,民主政治」ですが,aが付いたり複数形になっている時は「民主主義国家,民主主義社会」の意味です。逆に「民主主義国家」はa democratic countryとしなくてもa democracy,democraciesで済むということですね。a democratは「民主主義者,民主党員」です。特定の「民主党(米国民主党など)員」を指す場合はa Democratのように大書します。

pandemicも“dem(民衆)”を含んでおり,panは「全・汎」(パンナムのpan)で,「全ての民衆に」ということで,「感染病の全世界的流行」です。

epidemicも“dem(民衆)”を含んでおり,epiは「on,upon」で,「民衆の上に拡がる」ということで「感染病のある地域における流行」です。

(2)aristocracy「貴族政治,貴族制,貴族階級;貴族政治国家」

aristocracy(toに強勢)は「貴族政治」ですが,the aristocracy=the nobilityで「貴族階級(全体)」も指します。1人の「貴族」はan aristocratやa noblemanです。“arist”というのは「excellent,best」という意味みたいです。「秀でた者の支配」がaristocracyですね。アリストテレスの「アリスト」もこれです。だからアリストテレスは日本語で言えば「秀・良」が名前に付く感じなんでしょうね。ちょっと脱線ですがアリストテレスは英語では「アリスタタル,アリストタル(Aristotle)」と言います。語頭のアに強勢です /ǽrɪstɑ̀təl/。「雨したたる」のようなアクセントで「蟻したたる」と言うと通じるかも知れませんね。

なお×aristcracyと間違いやすいですが,democracyのように“cracy”の前に“o”があります。次の語もそうですよ。

(3)meritocracy「実力主義メリトクラシー),実力主義社会」

meritocracy(toに強勢)は「実力主義」ですが,ここでのmeritは「功績」です。なおaが付いたり複数形になるとそういう社会・国家を指すことは(1)(2)(3)共通です。

 

最後に隠れた注意点として,“cracy”はどちらもcだということです。これ意外に要注意です。なぜならhypocrisy「偽善」のように“-sy”で終わる語もあるからです。sympathyは“-thy”ですね。ということでdemocracy,aristocracy,meritocracyに関しては最後が“-cy”でいいんだということを特別な覚え方で覚えることにします。例えば

「デモクラシーのシー,とにかくC!」

とかでしょうかね。

 


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安倍首相上下両院演説(2015年)英語書き取り:その2

その1はこちらです。

 

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6分19秒の“Later”から書き起こし再開です。

 

Later I took a job as a steel maker, and I was given a chance to work in New York. Here in the US, rank and hierarchy are neither here nor there. People advance based on merit. When you discuss things, you don't pay much attention to who is junior or senior. You just choose the best idea no matter who the idea was from.

後に私は製鉄所の仕事を得,ニューヨークで働く機会を得ました。ここ合衆国では,地位とか序列とかいうものは見当たりません。業績に応じて昇進するのです。物事を議論する際,誰が目上で目下かというのは余り考えません。誰から出た考えであっても,とにかく一番いいアイデアを採用するのです。

・安倍首相は神戸製鉄所のニューヨーク事務所にいたそうです。

hierarchyは「ヒエラルキー」ではなく「ハイアラーキー/háɪərɑ̀ːrki/」です。

merit「功績」についてはmeritocracy2020/9/26の記事で解説しました。

 

This culture intoxicated me so much so after I got elected as a member of the House, some of the old guard in my party would say, "Hey, you are so cheeky, Abe." As for my family name, it is not Abe (/eɪb/). Some Americans do call me that every now and then, but I don't take offense

こうした文化に私はあまりにも心酔したので,国会議員に選ばれた後,党の古参が「おい,安倍は生意気だな」と言ったものです。この安倍という私の名字に関してですが,「エイブ」とは読みません。アメリカ人の中には実際こう呼ぶ人も時たまいますが,気分を害したりはしません。

intoxicateは「酩酊させる,ほろよい気分にさせる;心酔させる」です。私は受験生時代森一郎試験にでる英単語』で覚えました。

so much so that ... は「余りにもそうなので……」です。ご多分に漏れずthatが省略可能です。

the old guardは「古参(メンバー),古株(メンバー)」という意味です。単数形(the old guard)のまま単数・複数両用ですが,この表現を知らなかったのでthe old guardsと書き取ってしまいました。

wouldはここでは過去の回想を表し「……したものだった」です。would often「よく……したものだった」,would sometimes「時々……したものだった」,would always「いつも……したものだった」とできます。

cheekyは「生意気な」という意味ですね。名詞にもgive him cheek「彼に生意気なことを言う」といった用法があります。

as for Nは「Nに関して言えば,Nのごときは」で,時に謙ったりけなしたニュアンスが入るので,自分の事を言うのに向きます。

・このdoは〈強調のdo〉です。「本当に,確かに,実際」と訳すと良いでしょう。

(every) now and thenは「ときどき」です。

take offenseは「立腹する,気分を害する」です。この段落は重要表現目白押しでした。

 

That's because, ladies and gentlemen, the Japanese, ever since they started modernization, have seen the very foundation for democracy in that famous line in the Gettysburg address, "the son of a farmer-carpenter can become the President." The fact that such a country existed woke up the Japanese of the late 19th century to democracy. For Japan our encounter with America was also our encounter with DEMOCRACY. And that was more than 150 years ago, giving us a mature history together.

何しろ皆さん,日本人は近代化を始めてこの方,民主主義の基礎そのものをあの有名なゲティスバーグ演説,農民大工の息子も大統領になれるというセリフに見出してきたからです。そのような国が存在したということは,19世紀の日本国民を民主主義に目覚めさせました。日本にとってアメリカと遭遇したということは同時に民主主義に遭遇したことだったのです。それは150年前のことで,共に成熟した歴史を辿ってきました。

・Abeを第16代大統領エイブラハム・リンカンにかけているわけですね。

lineは「行」から「セリフ」です。

encounterは「遭遇する;遭遇」ですね。ゲーム用語で「エンカウント」という語がありますがencountという英語は普通存在しないということは2020/3/10の記事で解説しました。

・「アメリカと日本が辿ってきた歴史」に触れたため,以下の避けることのできない話に入ります。

 

Before coming over here, I was at a WWII memorial. It was a peace... It was a place of peace and calm that struck me as a sanctuary. The air was filled with the sound of water breaking in the fountains. In one corner stands the Freedom Wall. More than 4,000 gold stars shine on the wall. I gasped with surprise to hear that each star represents the lives of one hundred fallen soldiers.

こちらに来る前,私は第二次世界大戦記念碑にいました。そこは静かで平穏な場所で,聖域という印象を受けました。辺りの空気は泉に落ちる水の音で満たされていました。一角に「自由の壁」というのがあります。壁には4,000を超える金色の星が輝いています。1つ1つの星が100人の倒れた戦士を表していると聞いて驚きに息を呑みました。

・It was a place of peaceのa placeを飛ばして言ってしまったので言い直しています。

strike O as Cは「Cであるという印象をOに与える」で,マスターすれば便利な表現です。impress O as Cとも言い,2020/9/4の記事で解説しています。

gaspは「息を呑む;あえぐ」です。なおwith surpriseをin surpriseと書き損じました。

 

I believe those gold stars are a proud symbol of the sacrifices in defending freedom. (long applause) But in those gold stars we also find the pain, sorrow and love for family of the young Americans who otherwise would have lived happy lives. Pearl Harbor, Bataan Corregidor, Coral Sea --- the battles engraved at the memorial crossed my mind and I reflected upon the lost dreams and lost futures of those young Americans. History is harsh. What is done cannot be undone.

あの金色の星は,自由を守るために犠牲になった者達の誇り高きシンボルであると思います。(長い拍手)しかしあの金色の星にはまた,苦しみ,悲しみ,家族への愛が見て取れるのです。戦争で亡くならなかったら幸せな人生を送ったであろう若者たちの。真珠湾バターン半島コレヒドール,珊瑚海──記念碑に彫られてある戦いの名が私の心をよぎり,私はあのアメリカの若者達の失われた夢と未来のことを考えました。歴史は残酷です。行われてしまったことを元に戻すことはできません。

otherwiseは仮定法では「仮にそうでなかったら」でif節の代用をしています。文脈上「戦死しなかったならば」です。would have lived happy livesは結果節ですが,live a happy life「幸せな生活を送る」は同族目的語ですね。

・ここは安倍演説の重要なところだと思います。日本人だってたくさん死んだということを敢えて言う必要はありません。「将来あるアメリカの若者がどれだけたくさん亡くなったか」ということを強調すればするほど,「日本人の若者はどうだったのだろう」ということが聞き手の心に必ず浮かぶからです。

 

With deep repentance in my heart I stood there in silent prayers for some time. My dear friends, on behalf of Japan and the Japanese people I offer with profound respect my eternal condolences to the souls of all American people that were lost during World War II.

深い後悔の念とともに,私はしばらくの間,静かに祈りを捧げて立ち尽くしました。親愛なる皆さん,日本国と日本国民を代表し,深い敬意をもって,第2次世界大戦中に失われた全ての御霊に永遠の哀悼の言葉を贈ります。

repentanceは「後悔の念」です。repentenceと書き損じました。

prayerは「祈る人」なら「プレイヤー /préɪər/」ですが,「祈りの言葉」なら「プレヤー /preər/」です。

condolencesは「哀悼の言葉,お悔やみの言葉」です。

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12分を超えたところまで来ました。ここで一旦切ります。

 


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自動詞のfail in... と他動詞のfail...(附.succeedの2つの意味)

failと言えばfail in...「……に失敗する」ですね。「成功する」もsucceed in... ですので,

・fail in...「……に失敗する」

・succeed in...「……に成功する」

と対にして覚えるのが有効です。

ところでfailには他動詞用法もあります。

(1)fail the test

「……に失敗する」はfail in... ですが,「テストに落ちる」「検査に引っかかる」はfail a[the/one's] testと,inを介さず言えます。「学科を落とす(学科で不可になる)」もfail+学科名で行けるようです。fail math「数学を落とす」ですね。

 

(2)fail+人「人の期待に添えない,人をがっかりさせる,人の役に立たない」

大事な時に「人の役に立てない」ことを,fail+人と言えます。at the last minute「最後の瞬間に」と組み合わせると,

He failed me at the last minute.「彼は最後の最後で私の期待を裏切った」

Courage failed me at the last minute.「最後の(大事な)瞬間に勇気が出なかった」

Words failed me at the last minute.「最後の(大事な)瞬間に言葉が出てこなかった」

となります。

The Professor failed me. は「教授は私を落とした(不可にした)」の意味のようです。

 

succeedは他動詞はないのでしょうか。

succeed+人「人の後を継ぐ」の用法があるようです。succeed to+地位「地位を継ぐ」という言い方もあるので,組み合わせて

He succeeded his father to the throne.「彼は父を継いで王になった」と言えるようです。

あ,そう言えば,「成功する」が「継承する」に変わっていますね。succeedは「下に(suc=sub)行く(ceed)」で,

「下に行く」→「下に続く」→「後が続く」→「うまく行く」→「成功する」

「下に行く」→「下に続く」→「後に続く」→「継承する」

となったのですね。派生語も

succeed「成功する」→success「成功,成功者」→successful「成功した」

succeed「成功する」→succession「継承,連続」→successive「連続した」

と分岐します。

 

“cess” “ceed”については2020/7/17の記事の(2)でも触れており,そこではcessの綴りをしっかり意識することでnecessaryを正しく綴るという話をしています。necessaryの綴りがgdgdになりそうな人はご覧ください!

 


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こっさりと言わなくてよくなった「天下一品」屋台の味!

天下一品

皆さん「天下一品」は好きですか!?

私は高校が京都でしたので週3で,いやちょっと盛ったかな,週1〜2回は天下一品に行っていました。上京した頃は数件しかなくて苦労しましたが,たまたま江古田に住んでいたので駅近くの天下一品に行けました。今は都内にたくさんありますよね。

「こってり」「あっさり」が選べるのですが,「こってり」はどろっとしたスープが重いという人もいます。父は「あっさりが上手いで」とあっさりで食べてました。私は「天一であっさりって……」と思っていましたが,あるとき弟が「こってりとあっさりの中間のこっさりが頼める」と教えてくれ,私も「こっさり」を頼むようになりました。東京の知人にも「こっさり」を教え,1〜2年ほど「こっさり」を頼んでいたのですが,去年の秋頃,今から1年前ですが,お店に行って「唐揚げ定食,こっさりで」と言うと,店員さんが「今度からは屋台の味と言えばいいですよ」と教えてくれました。「こっさり」は正式に「屋台の味」として売り出されることになっていたのです。

こってりしたスープが苦手で『天下一品』を敬遠していた人も,ぜひ行って「屋台の味」を試してみて下さい!

 

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かわいい!けものフレンズ3!(スマホゲーム)

ゲーム会社,ゲーム雑誌会社への転職を夢見ている猫フレンズのフレイニャです笑

私がこのゲームを始めてみた理由は,同じ猫人として

けものフレンズ」の世界って?

というのを知りたかったからです。知っているのはツイッターなどでよく見かけるアライグマのアライさんと,東武動物公園フンボルトペンギンのグレープ君(2017年逝去)がずっと見ていたというフルルさんくらいでしたので,フレンズさん達の顔の名前を覚えようとも思いました。あと画面がとても癒やされそうな雰囲気だったのも理由です。

アライさんとサーバルさん

アライさん(左)とサーバルさん。サーバルさんは長い耳,丸い斑点,頭の^^のような模様が特徴

ハクトウワシ

左はドール(dhole,アオオオカミ)さん。真ん中は猛禽の眼をしているハクトウワシさん。そして右は……

威嚇のポーズ

威嚇のポーズのミナミコアリクイさん。真ん中はミーアキャットさん

ミライとフェネック

左は人間のガイド・ミライさん。右はフェネックさん

RPGなのでバトルがありますが明快でありながら奥深そうです。以下は実際の例ですがとりあえず

バトル1ターントライ

左の4人(トキ,カリフォルニアラッコ,ドール,ダチョウ)が自分のデッキ,一番右がフォローしているプレイヤーの助っ人です。攻撃方法にTry,Beat,Actionがあり効果が違うのですが,とりあえず揃えてTry - Try - Tryの3人を選びましょう。色が揃うと「コーラス」が起こりいいことがあります。

2ターン目アクション

2ターン目はActionのキャラが3人いたのでAction - Action - Actionと選び攻撃しました。なおそのターン選ばれなかったキャラは「待機スキル」を発動します(防御アップとか攻撃アップとか)

3ターン目ビート

3ターン目はBeatのキャラが3人いたのでBeatで揃えました。なお今回は全ターンで3キャラが同色にできましたがこれはたまたまで,2キャラまでしか同色にならないこともあります。が,2色揃えでも「コーラス」は発生します。とりあえず2色か3色の「コーラス」を選ぶように攻撃すれば良さそうですね。なおBeatで攻撃すると各自の「とくいわざ」で攻撃し,単体攻撃だったり全体攻撃だったりします。だから同じBeatでも全体攻撃のキャラを先に選ぶと良かったりしそうですね。上の画像だと4人目のダチョウさんの「とくいわざ」が全体攻撃です。

ダチョウさん

このようにフレンズ詳細を見ると「とくいわざ」が全体攻撃であることが分かります。「たいきスキル」は味方強化ですね

なかよし

成長にはレベルの他いわゆる「親密度」がある。これはトキさん

フォト

フォトというのが分からなかったが,フレンズに付けられるということは装備(剣や盾など)の代わりっぽいです。フォトも強化できます

アライさん

ランダムで★4が当たるチケットでアライさんが当たったのだ。アライさんの時代がくるのだ

アライさん詳細

アライさんの得意技は7連撃,たいきスキルはいわゆる「かばう」ですね

拠点

ホーム画面は家具を置いたり箱庭のようになっています。スワイプで視点をグリグリ変えられます。

ラッキービースト

ラッキービーストはAIで動くガイド。ナナさんは人間のスタッフ。左はオジロヌーさん

アクションのアニメやおしゃべりなどいちいちかわいく作ってあるので,ストーリーなどは飛ばさずにゆっくり遊んでいきましょう!

シロサイ

シロサイさんを引きました!槍騎士風でかっこいいです!

 


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アルスターの猟犬(4)

メーヴが女預言師フェデルムからも老ドルイドと同様の預言を聞いてしまったアルスターの猟犬(3)の続きです。

前回とうとう「クー・フーリンキュクレイン)」の名前が明かされたのでちょっと小話を。

皆さん「ケット・シー」って知ってますよね。FFにもメガテンにもいます。FF14の「シャドウ・オブ・マハ」に出てくるケット・シーが可愛くて好きです。

「ケットCat」は「猫」,「シーSith」は「妖精」です。「猫妖精」ですね。

これに対しメガテンには「カーシーCu Sith」という魔獣がいます。このCuは「犬」という意味で,これが「クー・フーリンCu Chulainn」の「クー」なのです。「クー・フーリン」は「(鍛冶屋の)クランの犬」という意味なんですね。

 

CHAPTER III

The Boy-Corps of King Conor

Now all that she had heard that night so troubled Meave that she thought not well to proceed upon her hosting at that time. She lay upon her bed and pondered long upon the fairy woman’s words, and more and more she wondered who this youth might be, the lad of mighty feats whom all men called “The Hound of Ulster.”

さて,その夜に聞いた全てのことがメーヴを余りに悩ませたので,彼女は今回は軍勢を進める気にはなれなかった。彼女はベッドの上に寝そべり,あの妖精女の言葉について長く考えた。そしてこの若者が誰に当たるのだろうか,ますます知りたくなった。皆が「アルスターの猟犬」と呼ぶ強き離れ業の若者のことである。

think to-V「Vしようと思う」という用法があります。didn't thinkをthought notとまるで助動詞のようにするのは古い英語の用法でしょう。

ponderは「深く考える」という意味です。pond「池」から連想しても良いでしょう。

 

When daylight came, she sent a message to the captains of her host, commanding them to tarry yet a day, till she should learn further about the youth who stood upon her path and seemed a threatening terror to her hosts. Then like a king and queen they robed themselves and sat within their tents, Ailill and she, and sent a herald forth commanding Fergus and the chief of Ulster’s exiles to appear before them, to tell them of Cuchulain.

日が昇ると彼女は軍勢の隊長達に使者を出し,彼らにもう1日──自分の行く手に立ち塞がり自分の軍勢にとって恐るべき脅威に思われる若者についてもっと知るまで──留まるよう命令した。それからアリルとメーヴは王と女王らしくガウンを着てテントの中に座り,フェルグスとアルスターから亡命した者の長に参上してクー・フーリンのことを教えるよう使者を出した。

robed themselvesをrob「奪う」の過去形と混同してはいけません。robの過去形・過去分詞はrobbedです。このrobedは何かと言うとrobe「ローブを着せる」の過去形・過去分詞ですね。robed themselvesは「ローブを着た」ということです。


When they were gathered, Fergus, Cormac son of Conor and the rest, Ailill addressed them. “We hear strange tales of one of Ulster’s chiefs, a youthful hero whom men call the “Hound.” From you, O chiefs of Ulster, we would learn all you can tell about this famous lad. What age hath he? and wherefore hath he gained this name? and have his deeds become known to you?”

彼ら──フェルグス,コノールの息子コルマクとその他──が集まると,アリルは彼らに話しかけた。「私達はアルスターの隊長達のうち1人の奇妙な話を聞いた,人が『犬』と呼ぶ若者のことだ。あなた方アルスターの長たちよ,あなた方皆はこの有名な若者についての話ができると思う。どれぐらいの年齢なのか,何ゆえこの名を得たのか,彼の行いをあなた方は知っているのか」

address Nは「Nに話しかける,Nに対して演説する」の意があります。


“His deeds are known to us, indeed,” Fergus replied, “For all the land of Ulster rings with this young hero’s renown.”

“Shall we find him hard to deal with?” then said Meave. “Last night I met a fairy-maid, who told me to beware, for among the warriors of the North, this lad would trouble us the most.”

「確かに彼の行いを私達は知っています」フェルグスは答えた。「アルスターじゅうがこの若き英雄の名声で持ちきりです。」

するとメーヴは「彼は御しがたい相手になるであろうか」と言った。「昨夜私は妖精の女と出会った。彼女は私に注意するよう言った。北方の戦士の中で,この若者が我々を最も苦しめるであろうからと」

ring with Nは「Nの噂で持ちきりである,Nの噂が鳴り響いている」という意味の文語です。

find him hard to deal withは「彼が扱いにくいと気づく」ですが,findは訳さず「彼に手こずる」などと訳せば良いでしょう。


“He will trouble you the most, indeed,” said Cormac and Fergus with one voice. “You will not find a warrior in your path that is so hard to deal with, not a hero that is fiercer, nor a raven more greedy of prey, nor a lion that is more dangerous than he. You will not find another man to equal him, whether of his age or of a greater age, so strong and terrible and brave is he, nor is his match in Erin either for his beauty or his prowess or in all deeds and feats of skill.”

「たしかに彼が最も女王を苦しめるでしょう」とコルマクとフェルグスは同時に言った。「あなたの行く手で彼ほど厄介な戦士に出逢うことはないでしょう。彼ほど獰猛で,彼ほど獲物に貪欲な鴉で,彼ほど危険な獅子はいないでしょう。彼に匹敵する者はおりません。同年代にも年上にも。彼ほど強く,恐ろしく,勇敢な者,エリンの地で美しさの点でも能力の点でもあらゆる行動と技能の技の点でも,彼に匹敵する者はいません」

・まるで関羽張飛呂布かといった具合じゃないですか。

Erinは簡単に言うと「アイルランド」のことです。与格らしいですが……


“I care not for all this,” said haughty Meave; “not these the things I fear; for, after all, whatever you may say, Cuchulain, like another, is but one; he can be wounded like a common man, he will die like any other, he can be captured like any warrior. Besides, his age is but that of a grown-up girl; his deeds of manhood come not yet.”

「知らぬわ」高慢なメーヴは言った。「そのような事我は恐れぬぞ。どのみち,卿等が何と言おうと,クー・フーリンは人の子ではないか。普通の者のように傷もつくであろう。他の者のように何時かは死ぬであろう。他の戦士のように囚えることもできよう。その上,彼の年齢ときたら,成長した少女のような年齢ではないか。まだ大の大人のなせる技ではないわ」

・フェルグスとコルマクが彼を褒めているようだったので機嫌が悪くなったようですね。

but oneは「たった1人(の人間)」です。「人の子」と訳しておきました。


“Not so indeed,” said Fergus and they all. “It would be strange if he to-day were not the equal of any grown-up man or many men; for even when he was in his fifth year, he surpassed all the chieftain’s sons of Emain Macha at their play; when he was but seven he took arms, and slew his man; when he was a stripling he went to perfect himself in feats of championship with Scáth, the woman-warrior of Alba; and now to-day when he is nearly seventeen years old, his strength must be equal to the strength of many men.”

「実はそうではありません」フェルグスらは皆言った。「仮に彼がこんにち,どんな大人の男にも,或いは大勢の男にも,敵わないのだとしたら,奇妙な事でしょうな。というのも彼がまだ5歳の時に彼はエヴァン・マハの全ての隊長の息子たちを競技で負かしたのです。まだ7歳の時に彼は武器を取り,部下を殺してしまいました。少年の頃,彼はアルバの女戦士スカーの下へ戦の技を完成させるために赴きました。そして17歳になろうとしている今,彼の力量は多数の兵のそれに匹敵するものに違いありません」

slewはslay「殺戮する」の過去形です(slay - slew - slain)。真剣を使った試合で殺してしまったのでしょうか。

Albaは「スコットランド」のことです。ジェシカ・アルバのアルバはスコットランドという意味なのでしょうかね。スコットランドの別名として「カレドニア」も覚えておきましょう。

Scáthはスカーサハ(スカアハ)のことでしょう。その意味を汲んで「シャドウ」と訳すのも面白いですが。

 

“Tell us,” said Meave, “who is this warrior-lad; tell us also of his boyish feats and how the name of ‘Ulster’s Hound’ came to be his.”
“I will tell you,” said Fergus; “for Cuchulain is my own foster-son and Conor’s; though they say, and I myself believe it, that he is of the offspring of the gods, and that Lugh of the Long Arms, God of Light, is guardian to the boy. But Sualtach is his father, a warrior of Ulster, and the child was reared by the seaside northward on Murthemne’s plain, which is his own possession.

「教えてくれ」メーヴは言った。「この若武者のことを。彼の少年時代の偉業と,『アルスターの猟犬』の名が付いた経緯を」

「お教えしましょう」フェルグスは言った。「というのもクー・フーリンは私自身の,そしてコノールの養子なのです。彼は神の血を引いており,光の神・長腕のルーが彼の守護神だと人は言い,そして私も信じていますが,アルスターの戦士スアルタムが彼の父であり,その子は北のムルセウネの原に面する浜辺で育てられました。彼自身の所領です」

ムルセウネ(ムルセヴネ)は現在のラウス県(County Louth)にあり,ボイン(Boyne)川が流れているところです。ラウス県はアイルランド語でContae Lúと書き,正にルー(Lugh)が語源です。最後の「彼自身の所有地」というのは,クー・フーリンの所有地ではなくスアルタムの所有地ということでしょうね。

 

At my knees he was brought up, and Amergin the poet was his tutor; the sister of King Conor nourished him with Conall the Victorious in her home. For at his birth Morann the judge prophesied of his future renown. ‘His praise,’ he said, ‘will be in all men’s mouths, his deeds will be recounted by kings and great men, warriors and charioteers, poets and sages. All men will love him; he will give combat for Ulster against her enemies; he will decide your quarrels; he will avenge your wrongs. Welcome the little stranger who is here.’”

「私の膝下で彼は育ちました。そして詩人アマーギンが彼の家庭教師でした。コノール王の妹が勝利のコナルと共に彼女の家庭で養育しました。というのも彼が生まれた時,判事のモランが彼の将来の名声を予言したのです。『彼の称賛は』判事は言いました。『あらゆる人の口に上るであろう。彼の行いは王や貴族,戦士や御者,詩人や賢者に詳しく述べられるであろう。あらゆる人が彼を愛するであろう。彼はアルスターを敵から護るために戦うであろう。彼は人々の争いを収めるであろう。彼は人々の悪事に復讐するであろう。ここにいる小さき訪問者を歓迎するが良い』と」

Amerginは「アメルギン,アマーギン,アワルギン」などと訳されているようです。

・クー・フーリンを育てたコノール王の妹はデヒティネと言うそうです。ウィキペディアだとずばりクー・フーリンの母となっています。

・「勝利のコナル」は「コナル・ケルナハ」でしょう。「勝利のコナル・ケルナハ」ではなく,「ケルナハ」はvictoriousの意味のようですので,「コナル・ケルナハ」=「勝利のコナル」ですね。「ゴーム・グラス」を持っているとされる人の1人です。

Morannについてはクー・フーリンのWikipedia(英語版)にthe wise Morannが出てきますが,彼専用の項目はありませんでした。

recountは「詳しく述べる」です。指を折りながら「まずこれをやって,次に〜」といった感じなのでしょうかね。


And Meave and Ailill said, “That is a brave account to give of a young child; no wonder is it that Ulster prides herself in him; but tell us now, Fergus, for eager are we all to hear, the feats of Cuchulain as a little boy.”

するとメーヴとアリルは言った。「それは少年に与えるには勇敢なお話だな。アルスターが彼を誇りに思うのも無理はない。では今度は,フェルグス,我々はとても聞きたいのだ,クー・フーリンの少年時代の偉業を話してほしい」

It is no wonder that ... はIt is natural that ...と同じで「……なのももっともだ」です。No wonderが文頭に出て「否定語文頭倒置」を起こし,No wonder is it that ... となっています。なお現代英語では単にNo wonder S V. と言えます。

・be pround of N = take pride in N = pride oneself on Nはセットに覚えておきましょう(inになっていますが)。国をsheで受けることができるのでherselfです。

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次,ものすごく長い段落なのでここで切ります。話すべき偉業がたくさんあるのでしょうね(;´∀`) 次回をお楽しみに!

 


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Asgard Stories 27:バルドル(2)

Asgard Stories

バルドルが自分の死を夢で見てしまったAsgard Stories 26の続きです。

Baldur - II

One beautiful sunny day at the end of summer the gods had all gone out to an open field beyond Asgard to have some sports. As they all knew that nothing could hurt Baldur, they placed him at the end of the field for a target, and then took turns throwing their darts at him, just for the fun of seeing them fall off without hurting him. They thought this was showing great honor to Baldur, and he was pleased to join in the sport.

夏の終りのある美しく晴れた日,エーシル達は皆アースガルズの上の開けた野原に遊びに行きました。何物もバルドルを傷つけられないことを知っていたので,彼らはバルドルを野原の端に的として立たせ,代わる代わる投げ矢を投げました。目的は単に,矢が彼を傷つけることなく落ちるのを見て楽しむためでした。彼らはこのことがバルドルの偉大さを示しているのだと考え,彼もこの遊びに参加するのを楽しんでいました。

・まるでいじめのようですが,彼らはバルドルの不死身を信じており,彼が不死身であることを確認することが彼を称えることになる(さすがオーディン様のお世継ぎだといった感じに?)と思ってやったということですね。でも本当に不死身かどうか確かめるというのは,鼎の軽重を問う(量る)ようなことで,ある意味不敬でもあります。北欧神話の魅力は,神々がとても人間臭くて間違いも犯すという点にあります。

take turns Vingは「代わる代わるVする」です。

 

Loki happened to be away when they began to play, and when he came was angry in his heart that nothing could hurt Baldur. “Why should he be so favored? I hate him!” said Loki to himself, and began at once to plan some evil. 

All this while Queen Frigga sat in her palace, thinking of all her dear sons, and of how much good they did to men. As she sat thus, thinking, and spinning with her hands, there came a knock at the door. The queen called, “Come in!” and an old woman stood before her.

彼らが遊び始めた時,ロキはたまたま別の所にいましたが,やって来ると何物もバルドルを傷つけられないことに内心苛立ちました。「どうしてあんなに恵まれているんだ。憎い奴め」とロキは思い,直ちにある邪悪なことを計画し始めました。

この間ずっとフリッグは自分の宮殿に座り,可愛い息子たちのことを,そして息子たちが人間にどれほどの良いことをしているかを考えていました。このように考え事をして,糸を紡いでいる時,ドアをノックする音が聞こえました。女王は「お入り」と叫び,老婆が彼女の前に立ちました。

・何度か言いましたがsay to oneselfは「独り言を言う」ではなく「心のなかで思う」です。「独り言を言う」はthink aloud,talk to oneselfと言います。

 

Frigga spoke kindly to her, and soon the old woman said she had passed by the field where the gods were playing, and throwing sharp weapons at Baldur. “Oh, yes,” said Frigga; “neither metal nor wood can hurt him, for all things in the world have given me their promise.”

“What!” said the old woman; “do you mean that all things have really vowed to spare Baldur?”

“All,” replied the queen, “except one little plant that grows on the eastern side of Asgard; it is called mistletoe, and I thought it too small and soft to do any harm.”

フリッグは優しく老婆に話しかけました。まもなく老婆はエーシル達がバルドルに鋭い武器を投げて遊んでいる野原を通り過ぎた話をしました。「ああ,そうなの」フリッグは言いました。「金属でも木材でもあの子を傷つけられないの。世界中の全ての物が私に約束したんですもの」

「何と!」老婆は言いました。「全ての物が本当にバルドルに危害を加えないと誓ったのですか?」「ええ」と女王は答えました。「アースガルズの東の端に生えている小さな植物以外ね。それはヤドリギというものよ。小さくて柔らかすぎて何の害にもならないと思ってね」

spareはspare A Bで「AからBを免除する」という意味があります。Bは苦労や時間などです。Bを省いてspare BaldurとすることによってBを特定せず,あらゆる嫌な事をバルドルから免除するという意味になります。

 

Before long the old woman went away, and when she was quite out of sight of Frigga’s palace, threw off her woman’s clothes, and who do you suppose it was? Why, no woman at all, but that wicked Loki, of course, who hurried away out of Asgard, to find the poor little plant that did not know about Baldur’s danger. When he came to the place where the plant grew, Loki cutting off a branch, quickly made a sharp arrow, which he carried back to the playground, where the Æsir were still at their game, all but one, Hodur, the god of darkness, Baldur’s blind twin brother.

Then Loki went up to Hodur, and said to him in a low voice, “Why do you not join with the others in doing honor to Baldur?”

まもなく老婆は去り,フリッグの宮殿から十分遠くへ行った頃,女物の服を脱ぎ捨てました。すると誰だったでしょう? 何と,女では全く無く,もちろんあの邪悪なロキだったのです。彼は急いでアースガルズを離れ,バルドルの危険など知らない哀れな小さな植物を探しに行きました。その植物が生えている所へ来ると,枝を切り,鋭い矢を素早く作って,エーシル達がヘズ1人を除いて遊んでいる野原に持っていきました。ヘズは闇の神で,目の見えない,バルドルの双子の兄弟です。それでロキはヘズの所へ行き,小さな声で「どうしてみんなに混じってバルドルを称えないんだい?」と言いました

・ロキの狡猾ぶりに驚きますね。

 

“I cannot see to take aim, you know, and besides, I have no weapon,” said Hodur. “Come, then, here is a fine new dart for you, and I will guide your hand,” whispered wicked Loki; then he slipped the arrow of mistletoe wood into Hodur’s hand and aimed it himself at Baldur, who stood there so bright and smiling.

「ほら,目が見えなくて狙えないんだ。それに武器もない」とヘズは言いました。「じゃあほら,ここに君用の上等な投げ矢がある。僕が手を取って狙いをつけてあげるよ」と邪悪なロキは囁きました。そしてロキはヤドリギの矢をヘズの手に滑り込ませ,明るく輝きながら微笑んでいるバルドルに自ら狙いをつけました。

slip A into Bで「AをBに滑り込ませる」です。Aがなければslip into ...「……に滑り込む」ですね。

 

Then poor blind Hodur heard a dreadful cry from all the gods: Baldur the Beautiful had fallen, struck by the arrow; he would now be taken away from them, to live with Hela in the underworld.

Every heart was filled with sorrow for this dreadful loss; but no one tried to punish him who had done the wicked deed, for they stood upon sacred ground, and the field was named the Peace-stead, or Place of Peace, where no one might hurt another. Besides, the gods did not know it was the false Loki who hated Baldur, that had struck him down.

すると哀れ,目の見えないヘズにはエーシル達全員の恐ろしい叫び声が聞こえました。美神バルドルが矢に撃たれ,倒れていたのです。今や彼は彼らのもとから連れ去られ,地下のヘルと一緒に暮らすことになりました。この恐ろしい喪失のため,皆の心は悲しみで一杯でした。しかしこの邪悪な行いをしたものを罰しようとする者はいませんでした。というのも彼らが立っていたのは聖地であり,その野原は誰も他人を傷つけてはならない平和の場所と呼ばれていたからです。それにエーシル達は,バルドルを撃ち倒したのが彼を憎んだ偽りのロキであることを知らなかったのです。

Peacesteadのsteadは古い英語で「場所」という意味で,現代英語のinstead of N「Nの代わりに」に残っています。in spite of N「Nにもかかわらず」はspite「悪意」が現役なのでスペースで区切りますが,instead of Nの方はsteadが廃れたのでスペースで区切らないのでしょう。

 

When Frigga heard the sad news, she asked who would win her love by going to the underworld and begging Hela to let Baldur come back to them. Hermod, the swift messenger-god, ready to do his mother’s bidding, set forth at once on the long journey. Nine days and nights he traveled without resting, until he came to Hela’s underworld. There he found Baldur, who was glad to see him, and sent messages to his friends in Asgard. Hela said Baldur might return to them on one condition: that every living creature, and everything in the world must weep for him.

フリッグがこの知らせを聞くと,誰か私のために地下へ行って,バルドルを返してもらうようヘルにお願いしてくれたら,とても感謝するわ,と言いました。素早い使者の神ヘルモーズが喜んで母の言いつけを聞き,直ちに長い旅に出ました。9日と9晩,休まず旅し,遂にヘルの地下世界にやって来ました。そこで彼はバルドルを見つけ,バルドルも彼を見て喜び,アースガルズにいる友達への伝言を頼みました。ヘルはある1つの条件でバルドルが彼らのもとへ帰れると言いました。それはこの世のあらゆる生き物,あらゆる物が彼のために涙を流すというものでした。

she asked who would win her love by going to the underworldは直訳すれば「誰が地下へ行くことによって私の愛を勝ち取れますかと尋ねた」です。つまり「誰かが地下へ行ってくれれば,私はその人を愛する」ということで,「誰かが地下へ行ってくれれば,私はその人にとても感謝する」と訳し変えました。

ヘルモーズはこの時スレイプニルを借りたとされています。

 

So Hermod hastened back to Asgard, and when the Æsir heard Hela’s answer, they sent out messengers over the world to bid all things weep for Baldur, their bright sun-god. Then did the beasts, the birds, the fishes, the flowers and trees, even stones and metals weep; as indeed we can see the teardrops come to all things when they are changed from heat to cold.

そこでヘルモーズは急いでアースガルズに帰り,エーシル達がヘルの答えを聞くと,世界中に使者を放ってあらゆる物に対して明るい太陽の神バルドルのために泣くよう言いました。そこで獣,鳥,魚,花と木,石や金属すら涙を流しました。まるで実際に暑さから寒さに変わる時,あらゆる物に涙の雫が浮かぶようにです。

・最後の文は現在時制なのでこの神話固有の時のことを言っていません。「結露」という現象のことを言っているのでしょう。

 

As the messengers were coming back to Asgard they met an old woman, whom they bade weep, but she replied, “Let Hela keep Baldur down below; why should I care?” When the Æsir heard of this, they thought it must have been the same old woman who went before to Frigga’s palace, and we know who that was. And so Baldur the beautiful, Baldur the bright, did not come back, and all the dwellers in Asgard were sad and sorrowful without him.

使者達がアースガルズに戻ってくる途中,1人の老婆に出会いました。使者達は彼女にも涙を流すよう言いましたが,彼女は「ヘルにバルドルを地下に留め置かせておけばいいんじゃよ。構うもんかい」と言いました。エーシル達はこれを聞くと,この女は以前フリッグの宮殿に行ったのと同じ老婆に違いないと思いました。私達はそれが誰かを知っています。それで美神バルドル,輝けるバルドルは帰ってきませんでした。そしてアースガルズの全ての住人は彼がいなくなって残念で悲しい思いをしたのでした。

we knowは現在形なので「我々読者は知っている」ですね。

ウィキペディアによると,この老婆は女巨人セックÞökk)(正体はロキ)になっています。

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次回はバルドルの死後,エーギルが催す酒宴の話です。終末が近いですね。

 


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