フレイニャのブログ

new!!→【ガチ英文法解説】カテゴリ創設! 元鉄緑会社員兼講師の英語・ゲームブログです。ツイッターの相互フォローと,英文法・英単語の質問を(ガチで)募集中です。質問・ミス指摘はコメント欄か,こちらにお願いします→ kfreynya@gmail.com

as it were「言わば」とwhat they call「いわゆる」:意味,用法の違い

似ているが細かい違いがある as it were what they call の違いを整理します。適切な方を使えるようにしましょう。

(1)as it were = so to speak「言わば」

as it were は were を使っていることから仮定法です。「言わば」とは「仮に(語弊を恐れず)(思い切って)言ってみれば」という意味で,聞き慣れない言葉を使う時に使う表現です。「言わば歩くコンピューターだ」とかいう場合,「思い切ってこんな表現を使ってみるけれども」という響きがあるわけです。

as it were も so to speak も挿入句として使い,カンマで区切ります

He is, as it were, a walking computer.=He is a walking computer, as it were.

=He is, so to speak, a walking computer.=He is a walking computer, so to speak.

(2)what they call = what you call「いわゆる(所謂)

これに対し what they call, what you call 直説法現在(普通の現在形)を使っていますね。だから「仮に言ってみれば」ではなく,「実際にそう言われている」のです。ということでこちらはそういう言い方がよくなされている場合に使いましょう。

何が(1)で何が(2)だと決まっているわけではなく,話者が「耳慣れない言葉だろう」と思えば(1)を,「みんなこう言ってるよね」と思えば(2)を使いましょう。

さらに what they call, what you call は関係詞 what を使っており(彼らが……と呼ぶところのもの),関係代名詞 what はカンマで区切りません。よって as it were や so to speak がカンマで区切るのに対し,what they call はカンマを打たないようにしましょう。

what they call sustainable development「いわゆる持続可能な発展(持続可能な発展とか言われているもの)」

what you call global warming「いわゆる地球温暖化

さらに私は what is called をお勧めしません。what is called を使うと,後ろに来るものが複数なら what are called としなきゃいけないとか余計な注意点が増えます。what you call, what they call のいずれかを決めて使いましょう。what you call の you は「あなた」ではなく「人は皆」という一般人称の you(一般のyou)です。

追記:

なぜ as it were という言い方になるのか,理由をフレイニャなりに考えてみたいと思います。

仮定法は反実仮想です。あえて事実に反する(事実と違う)ことを言うことで,気持ちを強めるのです。

If you had not helped me, I could not have finished it.

「仮にあなたが手伝ってくれなかったら,それを終えることはできなかったでしょう」

これは「あなたが手伝ってくれたからそれを終えることができた」と言えば良いところを,敢えて事実と違う言い方をすることで,それほど有難いことだと言いたいわけです。

as it were も「彼は歩くコンピューターだというのは事実とは違うけれども,その事実と違うこと言いたくなるくらい,彼の計算は速く正確だと私は言いたいのだ!」という気持ちの強調なんだと思います。

As if I cared! という不思議な表現があります。これも「まるで私が気にしてるみたいじゃないか」→「私が気にしているだと?事実は逆だよ!」ということで「どうでもいい!」という意味です。「どうでもいい」と言うのをストレートに言わず,仮定法+「気にしている」で逆に言うことで,「どうでもいい」という気持ちを強めているのでしょう。


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