こんにちは,カタカナ語好きのフレイニャです!
皆さんは,かっこいいなと思うカタカナ語はありますか?
響きが良いだけで言ってみたくなるカタカナ語ってありますよね。
好きな邦楽曲にChou Chouのanother dawnとinnocenceがあるのですが私は「シュシュのアナザー・ドーンとイノセンス」の表記のほうが好きです。
そういう意味でFF14における敵モンスターの名前表記がFF11のアルファベットからカタカナに代わったのは良いことですね。
それなのに自分の名前がアルファベット限定なのは残念です。特にストーリーのテキストで「アルフィノとアリゼーは……だ。Freynyaは……してくれ」
とか言われると「何で自分だけアルファベットなん」と悶々とします。
私はこういう場合,アルファベットの名前とは別に,「物語の中で呼んでほしい日本語表記の名前」を登録させてくれたら良いのにと思います。
世界史の勉強中に驚愕したこと──きっかけ
私は吉川弘文館の『世界史地図』が好きで,ここである地名を見て驚愕したことがあります。それはハリカルナッソスという地名でした。
「FF5の次元城の王じゃないか……」
その時悟ったのです。この中ボスの名前は,ヘロドトスの生誕地でもあり,マウソロスの霊廟があるこの地名の響きの良さで選ばれたのだと。
カタカナ語には「かっこいい」と一部の人に認識される語があるのだと。
本当はカタカナに限りません。「宇宙背景放射」という言葉に大抵の人は何やらかっこいい雰囲気を感じることでしょう。
なぜ格好いいと思うカタカナ語があるのか──理論的考察
よく言われるのは,それが使われる言語の国やその文化に憧れを持つからというものです。例えば「プレタポルテ(既製服)」や「プランタン(春)」がおしゃれな語に思えるのは,フランスやフランスの文化に憧れを持ち,「ブリッツクリーク(電撃戦)」や「シュヴァルツヴァルト(黒き森)」がかっこよく思えるのはドイツがかっこよく思っているからだという理論です。私はこういう一面は確かにあると思いますが,たとえそれが話される国をかっこいいと思っていなくても,響きだけでかっこいいと思える言葉はあると思います。ただ,かっこいい響きに思える理由は,普段話している言葉よりも何となくエキゾチックでエクセントリックな印象を与えるところにあるとも思うので,となると欧米の文化への憧れにも通じます。
また「かっこいい」だけでなく「おもしろい・かわいい」響きのカタカナ語もありますね。遥か昔2ちゃんに入り浸っていた頃,歴史系のスレッドで「面白く響く世界史用語」というお題に対して「ボガズキョイ」(ボアズキョイ)というのが挙げられたのには納得しました。私は生物に出てくる「プラヌラ」という名詞がかわいいと思います(・ω・)ある特定の子音・文字がかっこいい,かわいいなどと関連する可能性も否定できなさそうですね。
組み合わせによるかっこよさ増幅効果
語が長くなるとかっこよくなる傾向はあると思います。特に組み合わせですね。「クリムゾン」や「フレア」はそれ自体かっこいいとは思いますが,「クリムゾンフレア」は1+1=2以上のかっこよさ効果があるように思えます。「ニュクス・アバター」なんか物凄く好きなかっこよいカタカナ語ですね。そのため「エンリコ・フェルミ」や「トルーマン・カポーティ」のような人名は組み合わせ効果でかっこよく響きがちです。「ジャンヌ・ダルク」なんかも考えてみたらかっこいい名前ですよね。私は「セラ・ファロン」という名前,簡素ながらめちゃかっこいいと思っています(・∀・)
実例
では実例です。思いつくだけ挙げますが,アップ日以降も思いつけば増やしていきます。なおかっこいいだけでなくおしゃれだったりかわいいと思うのも混ぜます。
フレイニャの理解が追いつく限りにおいて,簡単な定義も書きます。言わば「かっこいいカタカナ語辞典」ですね!(難しすぎる場合,説明が荒くなります)
短い語から載せていきます。長音記号「ー」は悩みますが,「ドライバー」は「ドライバ」と表記されることもあることから文字数に数えないこととします。
また「ライヒスクリスタルナハト」や「グライヒシャルトゥング」「コンキスタドール」のような否定的な意味合いを持つものは挙げないことにします。名称がかっこいいと思えることにおいて,それが表す内容がかっこいい必要は全くないのですが,少なくともイメージがマイナスでないものであってほしいですよね。
凡例
TES:ベセスダ社のゲーム『ジ・エルダー・スクロールズ』シリーズ
2文字
テト:ベトナムの旧正月(cf. テト攻勢)。ナウシカのキツネリス
3文字
ケトン:化学用語。ケトン基
シスマ:教会同士の「分裂」。11世紀の東西教会分裂や,14〜15世紀のカトリック教会の分裂は「大シスマ」
4文字
ドルメン:支石墓。かつてこの名を持つ人類学雑誌があった
フォトン:光子
マハーカーラ:大黒。シヴァの別名の一
ドルホーリー:『クロノクロス』モンスター名。他にドルアイスなど
プラヌラ:プラヌラ幼生。なお『マクロス』には「ケルカリア」という兵器がある
カリ=ユガ:ヒンドゥー教における暗黒時代
エフタル:5〜6世紀に中央アジアに存在した遊牧国家。嚈噠
ヴィジマ:『ウィッチャー』世界における地名
ドンレミ:ジャンヌ・ダルクの生誕地。かわいいものとして挙げたがドンレミ=ラ=ピュセルとなると途端にかっこいい
ジャブロー:「ガンダム」シリーズにおける,地下要塞のある地名
5文字
アカトシュ:TES世界における神(エイドラ)の一
ステンダール:同上
エントロピー:物理学における乱雑さの度合い?(・ω・)
プレパラート:標本を挟むガラス板
ラス・カサス:『インディアスの破壊についての簡潔な報告』でコンキスタドール達の野蛮な行為を告発した宣教師
グデーリアン:グデリアン。ドイツ第三帝国の軍人。戦車に着目し,電撃作戦の生みの親となる。「韋駄天のハインツ」「疾風のハインツ」
オドアケル:5世紀に西ローマ皇帝を廃位してイタリア半島を支配した軍人
スケリッジ:『ウィッチャー』世界における地名
カラ・キタイ:黒契丹。西遼。建国者は耶律大石
カンバリク:ハンバリク,大都。「カーンの都」。北京の前身。クビライが造った
ヴァルハラ:オーディンが支配する巨大な広間。死んだ戦士は約定により半分がオーディンのヴァルハラへ,半分がフレイヤのフォールクヴァングに逝った
ア・バオ・ア・クー:ア・バオア・クー。インドのチトールにある「勝利の塔」に棲む幻獣。「ガンダム」シリーズの宇宙要塞として有名
6文字
エメラルダス:松本零士の漫画の登場人物。女海賊。エスメラルダはエメラルドを意味するスペイン語
エルファーラン:『ゲド戦記』世界における伝説の美姫。ゲドは己の力に自惚れて彼女を降霊しようとしたため「影」に追われることとなる(『影との戦い』)
エレス=アクべ:『ゲド戦記』世界における賢人で,この腕環が平和を意味する文字の所で欠けていたため世は乱れた。そのためゲドはこれを奪還するためにアチュアンの墓所を訪れるのが『こわれた腕環』だったと思う。物凄くのめり込んだファンタジー作品。「あれはいいものだ(違)」
セラ・ファロン:「ライトニング」ことエクレール・ファロンの妹
ダイバダッタ:提婆達多。釈迦から離反した弟子
ハスドルバル:ハンニバルの父ハミルカル・バルカの女婿(つまりハンニバルの義兄)や,ハンニバルの弟,またカンナエの戦いで左翼騎兵を率いて活躍した将軍の名前。なおハンニバルやハスドルバルの「バル」は「バアル神」を表す
ガイセリック:西ローマ帝国から北アフリカやシチリア島などを奪ったヴァンダル王国の王
ブリュッヒャー:ブリュッヘル。ワーテルローの戦いで活躍したプロイセン軍人,また彼に因む重巡洋艦
ジャン・コクトー:フランスの作家
スカラ=ブレイ:Skara Brae。スコットランドで見つかった遺跡
ニライカナイ:沖縄に伝わる他界,神界。×ニナイカライではないので注意
ジーゲスゾイレ:ベルリンの(普仏戦争などの)戦勝記念塔。ズィーゲスゾイレ
トルバドゥール:吟遊詩人の一種
アルデバラン:おうし座α星。一等星(0.86)。「後に続くもの」
アークトゥルス:うしかい座α星。一等星(-0.05)。「熊を護るもの」
ウィーク=ボソン:「弱い力」を媒介する素粒子
アカシャアーツ:メガテンシリーズの物理スキル。アーカーシャも参照されたい。「マーシャルアーツ」とか「リベラルアーツ」とかもかっこいいですね
7文字
エンドルフィン:脳内麻薬の一種。エンドーフィン
ノスフェラトゥ:吸血鬼。語源は“disease-bearing” “troublesome”など
コスタ・デル・ソル:「太陽の海岸」。FF14の地名。「ソル」はかっこいいカタカナ名辞の部位として有力
フォッサ=マグナ:大地溝帯。「マグナ」とか「ラグナ」(ラグナロクとか)はかっこいい言葉を作りそう。「糸魚川静岡構造線」もかっこいい言葉ですね
ニュクス・アバター:ペルソナ3(アトラス)のラスボス
サイドワインダー:(蛇行することから)ヨコバイガラガラヘビ,それに由来する米軍の兵器,それに由来するロマサガ,FFシリーズの弓技
スタインベック:アメリカの作家。「ック」「ルク」「ング」は欧米の響き効果があるか
ラスコーリニコフ:ドストエフスキーの『罪と罰』で金貸しの老婆を殺害する学生
マックス・ウェーバー:ドイツの社会学者。ドイツ語読みではヴェーバー
8文字
ハリカルナッソス:小アジアにある地名。ヘロドトスの生誕地。FFシリーズの中ボス名
クリムゾンフレア:『ロマンシングサガ2』の術
パラダイムシフト:考え方の枠組みの革命のような意味。天動説→地動説とか
エンリコ・フェルミ:イタリア生まれで米国に渡った物理学者。ノーベル物理学賞受賞
ジャン・クリストフ:ロマン・ロランの小説及びその主人公。クリストフ・ヴァルツ(俳優)もかっこいい。クリストフの勝利か
ヴァージニア・ウルフ:文学史家レズリー・スティーヴンの娘。『ダロウェイ夫人』『灯台へ』の作者。1941年入水自殺
アナトール・フランス:フランスの作家。「フランス」の勝利か
ベルンシュタイン:ドイツ社会民主党党員,ヴァイマル共和国国会議員。革命より社会改良を主張。ヴァレンシュタインも参照されたし
9文字
プレートテクトニクス:地下の大きな岩盤が動いているという説
トルーマン・カポーティ:アメリカの小説家。姓を題とする映画がある
ベートマン=ホルヴェーク:ドイツ帝国首相。これで姓である
ヴァレンシュタイン:ワレンシュタイン。三十年戦争で活躍した傭兵隊長。シラーによる戯曲がある
ローザ・ルクセンブルク:マルクス主義理論家,活動家
10文字
シュタウフェンベルク:ヒトラー暗殺計画に失敗した伯爵
13文字
アイネクライネナハトムジーク:eine kleine Nachtmusic。a little night music。組み合わせ効果の最たるもの
カタカナ+漢字混合
高速ナブラ:ロマサガシリーズの斧技。ナブラは∇のこと
ゲシュタルト崩壊:対象を全体として捉えられなくなる現象。同じ漢字をずっと見ていると起こるやつ
ナッシュ均衡:ゲーム理論において各プレイヤーがこれ以上良い選択を取れなくなった均衡状態。これが互いにとって良いものであれば「パレート最適なナッシュ均衡」,そうでなければ「パレート非最適なナッシュ均衡」である。「囚人のジレンマ」は「パレート非最適なナッシュ均衡」である。ナッシュ,パレートともに数学者,経済学者
モルワイデ図法:正積図法の一。1805年,ドイツのモルワイデが考案
ランベルト正積方位図法:正積図法でかつ方位図法。ランベルトは円周率が無理数であることを証明
ムラービト朝:アフリカ北西部からイベリア半島南部までを支配したイスラム王朝
ジョン欠地王:ジョン失地王。プランタジネット朝の王(在位1199-1216)。「マグナ・カルタ」が制定された時の王
ハドリアヌスの壁:ハドリアヌス帝がケルト人に対してイングランドに築いた長城
トービンのq:経済学者トービンが考えた,投資するか否かを決める値
ジュグラー循環:景気変動の中期波動(約10年)。設備投資と関連
ラプラスの魔:ラプラスの悪魔。数学者ラプラスが考えた概念。コンピューターゲームのタイトルにもなった
もはや日本語
宇宙背景放射:ビッグバンの後,宇宙が晴れ上がった時の名残り?
宇宙ひも:とてもロマンティックなひも
歳差運動:『神々の指紋』の要諦
事象の地平面:event horizon
物質の相転移:固体が液体,気体に変わったりする変化
安息香酸:パルティアは安息国とも呼ばれる
芳香族:ハイソな方たち
流動性のわな:経済学用語
(神の)見えざる手:invisible hand。アダム・スミスの言葉。自由主義の真髄
活殺獣神衝:ロマサガシリーズの技
京終:きょうばて。奈良の雅な地名
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初回アップ分として70項目以上挙げてみましたが,まだまだあると思うので思いついたらor出会ったらここに書き足していきたいと思います!