フレイニャのブログ

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東大の文法問題から表現を覚えましょう(3)

(2)に引き続き,(3)です。どんどん解いていきますよ(´∀`)

 

■1972年東大文法問題

(1) You must inform their arrival to him at once.

(2) All the money was robbed of the poor old woman.

(3) He was willing to pay the service they had given him.

(4) He was ready to tell the story to whoever would listen.

(5) This must be the famous painting we have heard so often.

(6) I suggested him to come and stay with me, but he did not.

(7) I hope that understanding will soon be reached on the issue.

(8) I stopped to talk to a friend of mine; that's why I am late.

(9) There stood a notice-board on which it was written 'Keep off'.

(10) Only two small incidents that followed need to be mentioned.

(11) What a simple mistake! You are necessary to study English harder.

(12) He slipped out of the room during they were engaged in a hot discussion.

(13) Having taken a room at the hotel which he had been instructed to stay, he went out.

(14) He wanted to bring up his children after the German fashion, and have them taught German at school.

(15) When he turned the corner, a charming view suddenly broke upon his gaze. He was marvelled at its beauty.

上の中から正しい文を5つ選びなさい。

 

解説

上から順番に◯,×とやっていってもいいですが,明らかにこれは間違いだろうと分かるものから確定していきます。

(1) inform A of B「AにBを知らせる」の知識だけで解ける語法問題です。なお,「AにBを知らせる」だったか「BにAを知らせる」だったか分からなくなるかもと心配な人は,「inform 人 of 物」と覚えましょう。有効なものに「rob 人 of 物」=「人から物を奪う」もあります。「情報をもらう人」も「金品を奪われる人」もofで言うのは不思議ですね。

You must inform their arrival to of him at once.

 

(2) 「彼は財布を盗まれた」が×He was stolen his purse. ではなく◯He had his purse stolen.(His purse was stolen.)であるように,「盗まれる,奪われる」は間違いやすいことが有名です。たまたま(1)でrob 人 of 物「人から物を奪う」を紹介したので,この受動態を作ってみましょう。

They robbed the woman of her bag.「彼らはその女性から鞄を奪った」(能動態)

受動態は目的語を主語にすることが何よりも肝要です。上の文の目的語はthe womanですね。だから

The woman was robbed of her bag (by them).(受動態)

これが正しいrobの受動態です。

ここから表現を抽出して暗記することも可能です。

人 is robbed of 物「人は物を奪われる」これがrob 人 of 物「人から物を奪う」の受動態です。これで(2)の文を見てみましょう。「人」と「物」が逆ではありませんか?正しくはこうですね:

The poor old woman was robbed of all the money.

なお金品ではなく能力や幸せを奪う場合,robのほか,deprive 人 of 物事も使えます。

 

(6) suggest (to 人) that S should V「SがVすることを(人に)提案する」は必須表現ですが,これをsuggest 人 to-Vのように(例えばask 人 to-VはOK)は言えないという知識も必要ということですね。仮に習っていなくても,「suggest that S should Vはよく習ったけどsuggest 人 to-Vは一度も習ったことがないなあ」と推測することが大切です。でも,自分が聞いたことがないだけで辞書には載っているかもしれませんね!キリがない話ですが,もし怖かったらどんな使い方ができるかを辞書で調べる際,どんな使い方ができないかも調べる癖をつけましょう。

I suggested (to him) that he (should) come and stay with me, but he did not.

※shouldを省略した場合comeは原形のままで良い(仮定法現在)

 

(11) これは高校受験でも出ます。

It is necessary for you to-V「あなたはVする必要がある」

×You are necessary to-V とは言えません。また,

It is (im)possible for you to-V「あなたはVすることが(不)可能だ」

×You are (im)possible to-V とは言えません。

What a simple mistake! It is necessary for you to study English harder.

or What a simple mistake! You have to study English harder.

 

(12) これも中学レベル(高校入試レベル)と言いたいところですね。

duringは前置詞で,名詞・代名詞を続けます(during my stay)。これに対しwhileは接続詞で,S+V... を続けます(while I was driving)

before,after,untilなどは前置詞にも接続詞にもなるのですが,duringは前置詞だけ,whileは接続詞だけを担当しているのです。他にもby...「……までには」は,接続詞の時by the time S V... と言わねばなりません。

while drivingといった表現を聞くことがありますが,これはwhile you are driving,while I was drivingなどからのyou are,I wasの省略です。be動詞の時にこれができ,その理由は以下の記事で解説しました。

www.freynya.com

He slipped out of the room during while they were engaged in a hot discussion.

 

(15) これは受動態(文法カテゴリ)や,熟語問題では有名なものです。

「驚く」というのはbe surprised,be astonishedなど,たいてい受動態です。しかしmarvelは珍しく受動態にしません。

marvel at O = be surprised at O です。

「marvelだけは例外的に受動態にしなくてOK」というのを,参考書や教師から薀蓄的に習っている必要があります。薀蓄問題なのれす(・ω・)

When he turned the corner, a charming view suddenly broke upon his gaze. He was marvelled at its beauty.

 

残るは(3)(4)(5)(7)(8)(9)(10)(13)(14)の9つですね。このうち5個が正しい文,4個が間違った文です。

 

(5) 気づきにくいですが,hear of O「Oのことを耳にする,間接的に聞き知る」です。hear Oもあるのですが,直接自分の耳で聞く場合です。(5)の問題文はofがありませんが,hear the painting「その絵を聞く」はおかしいわけです。hear of the painting「その絵のことを聞く」です。

This must be the famous painting we have heard of so often.

 

(3) 同じくとても気づきにくいですが,pay Oは「Oを払う」(Oは$500など),pay for Oは「Oの代金を払う」です。組み合わせることも可能で,pay $500 for the service「そのサービスに500ドルを払う」です。ということで今回に関しては,forが必要です。このforは「理由」というか,「交換」のfor「……と引き換えに」ですね。

He was willing to pay for the service they had given him.

 

(9) これはとても重要なことなのですが,「AはBをVされる」という意味で,

A is 過去分詞 B

と言えるためには,もともと2つ目的語を取っている構造でなければなりません。例えば

give A B「AにBを与える」という言い方が可能であるからこそ,

A is given B「AはBを与えられる」と言えるのです。これに対し,

×steal A B「AのBを盗む」とか×rob A B「AのBを奪う」とは言えません。だから,

×A is stolen B「AはBを盗まれた」も,

×A is robbed B「AはBを奪われた」も,誤りなのです(I was stolen my purse. が誤りである理由です)

ということで,「A is 過去分詞 B」が正しいかは,過去分詞になっている動詞を辞書で引き,2つ目的語が取れる動詞であるかを調べる必要があります。

今回は,

it was written 'Keep off'

となっていますが,そのためには

A is written B「AはBが書かれる」と言えなければならないはずです。

辞書を引くまでもなく「こんな言い方はない」と即断できることが肝要なのですが,writeには,write A B「AにBを書く」という言い方はありません。よって誤りです。

There stood a notice-board on which was written 'Keep off'.(甲)

There stood a notice-board on which 'Keep off' was written. (乙)

※(甲)は(乙)を倒置したものです。

※on whichは「その上に」という意味です。前置詞+関係代名詞のあとには完全に成立した文が書けます。「掲示板があり,その上には『立入禁止』と書かれてあった」「『立入禁止』と書かれている掲示板があった」

※なおreadは,read A B「AにBを読んでやる」があります(Read me a book!)。よってA is read B「AはBを読んでもらう,読み聞かせられる」は一応正しいです。

He read me a book.「彼は私に本を読んで聞かせた」

→I was read a book by him.「私は彼に本を読んで聞かせられた」

 

残るは(4)(7)(8)(10)(13)(14)の6つです。あと1つですね。

ここまで来ると流石にややこしいもの,細かいものになってきます。それ故ここに至って「正しいと自信があるものを確定し,よう分からんものを1つ選んで誤りとする」という作戦もありでしょう。

(4) これは「誤りと見せかけて正しい」という引っ掛け問題と言えるかもしれません。whoeverにはwhomeverという目的格の形があります。問題文のwhoeverは,前置詞toの後ですよね。前置詞の後は目的格です(to me)。だからwhomeverが正しいのではと錯覚させるのが狙いです。

ルール:関係代名詞の格は文全体の中での格ではなく自らが従える関係代名詞節中での格で決まる。

これはwhoeverのような複合関係代名詞に限らず,普通の関係代名詞でもそうです。

問題文のwhoeverは確かに前置詞toの目的語です。しかしこれは無関係です。whoeverは,自らが従えるwhoever節の中では主語なのです(would listenの主語)。だから主格のwhoeverでいいのです。

cleverな人は,「whomはwhoと略すことが可能であり,whomeverもwhoeverと略すことが可能である。だから,whomeverが誤りでwhoeverが正しいということはあっても,whoeverが誤りでwhomeverが正しいということはありえない」と考えてこれを引っ掛けと見抜くこともできるでしょう。

 

(7) これも文法では有名な話題です。reachは受動態が可能なのです。

受動態を習う時,「他動詞なのに受動態にできない動詞」を習います。例えば,

He resembles his father.「彼は父に似ている」

I have a pen.「私はペンを持っている」

He lacks willpower.「彼は意志力を欠いている」

と言えるのに,

×His father is resembled by him.

×A pen is had by me.

×Willpower is lacked by him.

とは言えないのです。このとき教師はよく

「父は彼に似られている」「ペンが私に持たれている」「意志力が彼に欠かれている」なんておかしいでしょ?

と言います。私はこれは有効だと思います。日本語と英語には発想が似ている点あるからです。ただし「発想が似ていること」は「いかなる場合でも発想が一致すること」を意味しません。日本語で変な発想でも英語ではOKというのがあるわけです。それがreachの受動態です。

You can reach the hotel by bus.「そのホテルはバスでたどり着ける」

→◯The hotel can be reached by bus (by you).「そのホテルはバスでたどり着ける」

「SはOに着く」のS reaches Oは,「OはSに着かれる」(O is reached by S)と言えてしまうのです。本問のunderstanding will be reached (by us) は,we will reach understandngの受動態です。

 

(8) stop to-V「立ち止まってVする」,stop Ving「Vするのをやめる」は高校受験レベルです。本問は「立ち止まっておしゃべりしたので遅刻しました」という意味で,正しいです。

 

(10) 特に間違いは見いだせません。followは「あとに続く」。「後に続いた2つの小さな事件だけが,言及を要する」「言及する(言及される)必要があるのは,後に続いた2つの小さな事件だけだ」

 

残るは(13)(14)で,どちらかが誤りです。(14)have them taught Germanがあまりにもややこしすぎて,(14)を誤りとしてしまう人もいるでしょう。

have them taughtはhave my hair cut「髪を切られた状態で持つ→髪を切らせる」と同じ構造で正しいです。「theyをteachされた状態で持つ→彼らに教えさせる」です。

これにさらにGerman(教わる科目)を続けさせてよいかに悩むので,判断しきれず誤りとしておく,となってしまうわけです。

taught German「ドイツ語を教わる」は正しいです。teachは2つ目的語を取れます。

teach A B「AにBを教える」

→A is taught B「AはBを教わる」

or B is taught (to) A「BがAに教えられる」

I was taught German.「私はドイツ語を教えられた」

German was taught (to) me.「ドイツ語が私に教えられた」(toを書く方が好まれ,これはteach B to A=teach German to meの受動態に相当)

ということでtaught Germanは正しいのですが,流石にこれをhave them taughtと組み合わせることはできないだろう(have my hair cutのあとには何も来ませんからね)と思ってしまうんですが,これはOKのようです。ということでこれは難しいですが,正しい文です。

 

ということで(13)が誤文ということになるのですが,お気づきでしょうか。

stay a roomはstay at a roomとしなければならない(つまり(3)のpay for,(5)のhear ofの類題)というのが答えなのですが,意外に逆に難しいのかなと思いました。この他動詞ー自動詞問題は意外と緩い面もあって,例えばvisitが他動詞というのは有名ですが,アメリカ英語ではvisit Hollywoodをvisit in Hollywoodと言えます(自動詞のvisit)

stayもstay the nightのように他動詞用法が現にあります。

だから賢明な受験生でも,「stay at O,stay with Oは基本だけど,逆引っ掛けでstay OもOKだったら嫌だなあ」などと勘ぐり,複雑怪奇な(14)の方を誤りとしてしまう可能性もあるわけです。

ということで(14)は明らかに,(13)は意外に,難しい問題と思いました。

 

長くなりましたが以上になります。解けなければならない問題も多い中で,ちょっと細かいのもあったかなと思いますので,6,7割は取れるべき問題と言えるでしょう。

 

■今回の教訓──どんな力,どんな発想が必要か

・「inform 人 of 物」「rob 人 of 物」といった基本表現は覚えておく。

・他動詞が使われている時,「もしかして前置詞が必要でなかったか」を疑う。逆に前置詞が使われている時,「もしかして他動詞だから前置詞が要らないのでは」と疑う。

・受動態が可能な場合と不可能な場合を確認

 

今回は語法問題が多かったですね((4)(8)(11)(12)は文法問題と言っていいかな)。1972年はもうちょっと残っていますので,次回に!

 

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