make the most of... もmake the best of... も「…を最大限に利用する」という意味がありますが,
make the most of...「有利な条件を最大限に活用する」
make the best of...「不利な条件を何とか活かす,乗り切る」
というニュアンスの差があり区別が面倒です。mostもbestも別に悪い意味ではないから区別しにくいわけです。
しかし,bestが悪い意味ではないというのが区別への鍵です。
mostは割合を表します。bestは「良い」の意を含みます。よって,
make the most of...「有利な条件だから,できるだけ100%に近い形で利用する」「有利な条件だから,できるだけ大部分を利用する」
せっかく好条件なのに3割しか活用できなかったらもったいないわけです。だから割合のmostを使います。
make the best of...「不利な条件だから,できるだけ良い形で利用する」
悪いからこそ,できるだけ良い方向に持っていきたい。だからbestなわけです。
一般的に比較級・最上級は絶対的にそうだとは限らず,むしろ絶対的にはそうではないこともあります。身長90cm,95cm,100cmの3人の子どもの中では,100cmの子どもがthe tallestです。しかし彼はtallではないでしょう。
ところでこの2表現は,
make A of B「BからAを作る,Bを元にAを作る」→「BをAにする」と関係がありそうですね。make a fool of Bは「Bを元に馬鹿者を作る」→「Bを馬鹿にする」です。
make the best of Bは,Bという悪い条件を元に,その中でも最高の物(the best)を作り出す,といったイメージと思われます。
mostに触れたので,次回はこれに関連した話をしたいと思います。
↓書きました。