フレイニャのブログ

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アルスターの猟犬(2)

昨日(2020年9月6日)は大河ドラマ麒麟がくる」,「半沢直樹」第2部ともに中止・延期でしたね。そこで(?)もう少し先を予定していた「クー・フーリン:アルスターの猟犬」第2回を公開します!

 

前回はアルスターとコナハトが戦争を始めようとしているという話でしたね(↓が前回)

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CHAPTER II

 

Queen Meave and the Woman-Seer

Craftily Fergus wrought upon Queen Meave that she should espouse his cause and lead an army into Ulster’s coasts, to win the kingdom back for him again. And Meave was no way sorry to make war, for Connaught and the North at all times were at strife, and frays and battle-raids were common between them.
巧みにフェルグスはメーヴ女王に働きかけて自らの大義を受け入れさせ,アルスターの海岸に軍を送らせ,フェルグスのために王国を取り返させようとさせた。そしてメーヴは戦を起こすことを躊躇わなかった,というのもコナハトと北部は始終諍いを起こしていて,争いや襲撃は日常茶飯事だったのだ。

・前回登場したspouse「配偶者」にeだけが付いたespouse「採用する;妻に娶る」が登場しました。語源的にも関係しています。

causeには「原因」だけでなく「主義,大義という意味があることは重要です。「ジャストコーズ(Just Cause)」というゲームもありますね。

strifeは「紛争,不和」という意味です。srtiveは「戦う」から「努力する」の意味も派生しました。

frayは「喧嘩,争い」です。affray「乱闘,騒動」という語もあるようです。

raid「襲撃」は重要語ですね。bank raidは「銀行強盗」,air raidは「空襲」,police raidは「ガサ入れ」です。


So with light heart Queen Meave sent heralds out and messengers through Connaught to collect her armed bands, bidding them meet her within three months’ space before her palace-fort of Cruachan. And in three months a goodly host was gathered there, and tents were pitched, and for awhile they tarried round the palace-courts, eating and drinking, so that with good heart and strength they might set forth to march towards Ulster’s borders.

それでメーヴ女王は意気揚々と伝令を出し,使者をコナハト中に出して部隊を集め,3ヶ月の期間でクルアハンにある女王の城砦宮殿の前で合流するよう命じた。そして3ヶ月でかなりの多数の軍勢がそこに集まり,テントが張られ,しばらくの間彼らは宮殿の中庭に滞在し,食事をしたり酒を飲んだりした。英気と体力を養ってアルスターの国境に進軍するためであった。

bandは「音楽隊」の意味が有名ですが「部隊」の意味もあります。

spaceは「空間」の意味が有名ですが「期間」の意味もあります。

goodlyも形容詞で「かなりの」という意味です。

for awhileは現代英語ではfor a whileの方が普通ですかね。

tarryは「滞在する」です。


Now, in the dark and dead of night before the break of day when all the host should start their forward march, Meave could not sleep; and stealthily she rose and bid them make her chariot ready, that she might seek a Druid whom she knew, and learn from him the prospects of the expedition and what should be the fate before her hosts.

さて,全軍が進軍を始めるべき夜明けになる前の真っ暗な真夜中,メーヴは眠れずにいた。そこで密かに起き上がって部下に戦車を用意させた。知り合いのドルイドを探し求め,遠征の前途や軍勢が出逢う運命について彼に尋ねるためだった。

・stealの名詞stealthは「窃盗」ではなく「こっそり移動すること」です。stealthyは「こっそりした」,stealthilyは「こっそりと」です。

・このthatは目的を表すso thatのsoが略されたものでしょう。口語ではthatを略してsoだけに,文語ではsoを略してthatだけになることがあります。mightがあること(so that S may V)もヒントになります。

expeditionは「足(ped)」に「外(ex)」が付いて「遠征」です。

 

Far in the depths of a wide-spreading wood the Druid dwelt. An old and reverend man was he, and far and wide men knew him for a prophet and a seer. The “Knowledge that enlightens” he possessed, which opened to his eyes the coming days and all the secret things the future held. Gravely he came out to meet the troubled Queen, and he from her chariot handed her, as proudly she drew up before his door.

広大に広がる森の奥深くにそのドルイドは棲んでいた。年老いて尊敬されている男で,預言者また占い師として広く知られていた。「闇を照らす智」を所有しており,それで彼の目には未来や,未来に待ち受けているあらゆる秘密が見えるのだった。困っている女王を出迎えるため,厳粛な足取りで出てきて,彼女が昂然と彼の家のドアの前に止めると,戦車から彼女の手を取って降ろした。

dwell - dwelt (dwelled) -dwelt (dwelled)は「住む」です。

reverendは「尊敬された,尊師」です。

prophetは「預言者(神の言葉を預かる者);予言者」です。

enlightenは「啓蒙する,啓発する」です。2020/5/15の記事で詳しく解説しました。The Knowledge that enlightensは「啓発する知識」ですが,light「光」に由来する語であることも踏まえ「闇を照らす智」と訳してみました。

draw upは恐らく「手綱を引き上げる」から来た表現で「車を停める」です。現代英語ではpull up,pull overが一般的ですね。


“We have come to thee, O Druid and magician,” said the Queen, “to ask of thee the fate and fortune of this expedition against Ulster which we have now in hand, whether we shall return victorious or not.”
“Wait but awhile in patience,” said the aged man, “and I will read the future, if the gods allow.”

「おおドルイドの魔術師よ,我等は汝に会いに来た」女王は言った。「今回のアルスターに対する遠征の運命と運勢,今我等が手中にしている運命を汝に訊くためにな。我等は勝利のうちに帰還するや否や」

「少々お持ち下さい。お静かに」年老いた男は言った。「そうすれば運勢を読んで参りましょう。神の思し召しのままに」

which we have now in hand「我々が今手にしている」はUlsterに掛かっている,this expeditionに掛かっている,the fate and fortuneに掛かっているの3択です。形からの判別は困難なので意味で考えました。「アルスター」「今回の遠征」「運命と運勢」のうち,「アルスターに勝つかはまだ分からない」「遠征を手にしているのは変」と考え,「我々が今手にしている運命と運勢」と取りました。

・このbutはonlyでしょう。Wait only awhile「ほんのしばらくお待ち下さい」です。


For two long hours Meave waited in the hut, while on the hearth the fire of peat burned low, and a strange dimness spread about the house as though a mist had risen between herself and the magician, who, on his palms performed his curious rites, and in a slow and solemn chant sang charms and incantations; by strange and magic arts known to his craft seeking the “Knowledge that enlightens.” And, at the last, when all was still, he rose to his full height, stretched out his arms, and called upon the gods of fire, and air, and wind, and light, to open up and lay before his gaze the future things that were in store for Meave and for her hosts.

長々と2時間もメーヴは小屋の中で待った。その間暖炉では泥炭が静かに燃えており,不思議な薄暗さが家じゅうに漂って,まるで女王自身と魔術師の間に霧が立ち込めたようだった。魔術師は手のひらの上で奇妙な儀式をし,ゆっくりとした厳粛な歌声で呪文やまじないを唱えた。「闇を照らす智」を求める彼の力が持っている不思議な魔法の技法によって。そしてついに,部屋中が静かになり,彼は完全に立ち上がって両腕を前に差し出し,火・空気・風・そして光の神に,メーヴと彼女の軍勢を待ち受けている未来の事柄を眼前に広げて見せるよう願った。

riteは「儀式」。ritualもあります。

craftは「(不思議な)力」という意味で「技工,工芸」という意味もあり,aircraft,craftsman「職人」にも使われています。余談ですがaircraftの複数形はaircraftです。

call upon N to-Vは「NにVするよう頼む」です。call onでもOKです。

(be) in store for Nは「Nを待ち受けて(いる)」です。


Then he made total darkness in his hut, and ate a curious food, concocted by magicians; and when he had eaten, he fell into a sleep, his servant watching over him, his two palms laid upon his cheeks. Then in a minute, or two minutes, he uttered sounds, but like one talking in his sleep, and the servant bade Meave question him, for his sleep of inspiration was upon him. So Meave said: “In mine host this day are many who do part from their own people and their friends, from their country and their lands, from father and from mother. Now, if these all return not safe and sound, upon me will be the anger of their friends, and me they will upbraid. Tell me, then, will these return alive?”

それから彼は小屋を完全な暗闇にし,魔術師製の奇妙なものを食べた。そして食べ終えると眠りにつき,彼の召使いたちが彼を見守り,彼の両手の手のひらは彼の頬の上に置かれた。すると1分,いや2分後に彼は声を発した。しかし寝言のようなもので,召使いはメーヴに,霊感の眠りの状態にあるから質問をするようにと言った。そこでメーヴは言った。「今日の我が軍勢の中には,実際に家族や友人と離れ,国や土地と離れ,父や母と離れて来た者も多い。そこで,もしこれらの者が無事に帰還しなかったら,彼らの友の怒りが降り注ぎ,彼らは私を責めるであろう。なので教えよ,これらのものは生きて帰るであろうか?」

concoctは「作り上げる,(混ぜ合わせて飲食物を)作る」です。

utterは「(声を)発する」で,「完全な」の意味もあり,語源的に繋がっています(「より外へ」→「発する」「完全な」)

mineは「私のもの」という所有代名詞ですが,古い英語ではmy「私の」の意味でも使われます。

upbraidは「非難する」。me they will upbraidはthey will upbraid meでしょうね。


And the magician said: “These might return; but yet I see a little boy who stands upon the way to hinder them. Fair he is and young and but a boy; and yet on every path I see him, holding back thy hosts, slaughtering and pursuing, as though the strength of the gods were in his arms. On every path they fall, in every battlefield the ground is strewn with dead, and in the homes of Connaught men and women weep the sons and husbands who return no more. Who this youth may be I know not, but I see that he will bring trouble on thy hosts.”

すると魔術師は言った。「これらの者は還るであろう。だが少年が見える。彼らの帰還を妨げるべく立ち塞がる。金髪で若く,少年に過ぎない。それでも至る所でこの者を見る。汝の軍勢を食い止め,殺戮し,追撃する。まるで神の力を手にしているようだ。至る所で汝の兵は倒れる。あらゆる戦場に死体が散乱する。コナハトの家々では男も女も,還らぬ息子や夫を悲しみ涙を流す。この若者が何者なのか知らない,だがこの者は汝の軍勢を苦しめるであろう」

・こ,これは・・・。この物語の主人公,アルスターの猟犬ことクー・フーリン登場の予言ではないでしょうか笑

hold backは「食い止める」です。

A is strewn with Bは「AにはBが散らばる」です。原形はstrewです。

weepは「涙を流して泣く」ですが,ここはweep N「Nのことを泣いて悲しむ」という古い用法です。現代ではweep over Nのようにすれば良さそうですね。

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予言を聞いてメーヴはどうするのでしょうか。明らかに引き返したほうが良さそうですが笑

ところで気になるのはタイトルにあるWoman-Seerです。これは語法的には「女性の予言者」と「女性を見る者」の意味がありうるのですが,普通は前者と取るでしょう(a woman doctor)。ところが今回登場するドルイドはheで受けており,男です。だから不思議だったのですが,このあと(次回)女性の予言者が登場します。女性の予言者の方はどんな予言をし,メーヴはどういう反応をするのでしょうか。実は今回のおじいさんドルイドより遥かに怖い予言者です笑

Chapter IIはこれで半分くらいなので,今回はここまでとします。第25回まで来たAsgard Stories(北欧神話)が訳し終わるまでこちらは不定期ですが,続きをお楽しみに!

 

↓次回アップしました。

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