Netflix版ドラマ『ウィッチャー』を見て役に立ちそうor面白そうな英語表現を覚えるコーナーです。その5はこちら。
(1) blink「狼狽する,とまどう」
blink は「目をぱちぱちさせる,明滅する」ですが,そこから「驚き戸惑う」の意にもなります。否定すると「平然としている」みたいなニュアンスを出します。例えば『ランダムハウス英和大辞典』は without a blink or qualm「平然と」を載せています。
(2) rector「学長」
女性形 rectoress の形で登場。魔法学校アレツザのティサイアの自己紹介です。イェネファーはアレツザに4マルクで買われてきました。lector は「講師,教会の読師」です。
(3) volatile「揮発性の,激しやすい,変わりやすい,移ろいやすい,快活な」
ティサイアが「混沌(chaos)」について形容した語。魔術師はそれを制せと言うわけです。イギリス英語だと /vɔlətaɪl/ [ヴォラタイル]
(4) Just because... does not mean...「……だからと言って……と言うわけではない」
Just because..., it does not mean... という風に,後半は主語 it を立てることも当然できるのですが,それを省略してまるで because 節が主語であるかのように言うことができます。「あなたたちが魔法を伝える導管(conduit)であることは,あなたたちに魔法を使う能力があることを必ずしも意味しない」とは生徒たちに対するティサイアの言葉。
(5) incantation「呪文(を唱えること),魔術」
cant 部分は chant「歌う」と同根でしょう(cf. enchant, chanson「シャンソン」)
(6) There is no conjuring something from nothing. There is a give and a take.「無から魔術を成すことはできない。ギブアンドテイクがあるのよ」
There is no Ving「V することはできない」。直訳の「V する行為は存在しない」と考えれば成り立ちは理解できる。
(7) avenge human lives lost「失われた人命の仇を取る」
avenge O という場合,O は仇を取りたい相手(憎い相手)ではなく,何の,誰の仇を取りたいかが来ます。憎き相手は on, upon で取ります(avenge A on B「B に対して A の復讐をする」)
(8) Were I to join you...「僕が仮に君に加われば……」
Were I to-V = If I were to-V「仮に私が V するようなことがあれば」(仮定法)
join「加わる」は目的語(加わる先)が1人でもOKです。だから Join me. も可です。
ヤスキエルがゲラルトに「君はイメージの問題を抱えている(殺し屋などと言われてイメージが悪く,人気がない)から,僕が加わればイメージを改善できる」と言っています。
(9) I could relieve you of that title.「君からその称号を取り除くこともできるかも」
relieve「取り除く」。名詞「リリーフ(救援)」「レリーフ(浮彫)」は「取り除く」ことから来ているわけです(危難を取り除く,彫刻刀で取り除く)
(10) Mind if I hop up?
直後の「良い靴を履いていないんだ」,さらにゲラルトの「ローチに触るな」というセリフから,「馬に乗っていいかな」(ゲラルトだけが乗っているのでニケツしたい)という意味でしょう。
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怪物退治に行くゲラルトにヤスキエルが勝手について行って煙たがられているところです。エピソード1-2「4マルク」の途中です。
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