Netflix版ドラマ『ウィッチャー』を見て役に立ちそうor面白そうな英語表現を覚えるコーナーです。その13はこちら。
(1) I'd as soon see this night out in armor.「今夜は鎧を着て外にいたいものだわ」
猛将でもあるキャランセのセリフ。
would (just) as soon V や would sooner V は would rather V「むしろ V したい」と同じですので,soon(er) を「すぐに」と訳出しないよう気をつけましょう。東大でも出題歴あり。had rather V,had sooner V という形もあり,この場合「なぜ had の後が原形動詞なのか?」という疑問が湧くかもしれませんが,had better V もそうです。
(2) cuckold「妻を寝取られた男」
ヤスキエル(ダンディリオン)関係の語。カッコウの習性「托卵」と関係か。
(3) I'm glad of your company, which could prove handy.「貴方が同席してくれて嬉しいわ。役に立つかもしれないから」
キャランセのゲラルトに対するセリフ。company は「同行,同席,一緒に過ごすこと」。handy は「便利な」
パーティーで飲んだくれたちが騒ぎ出すだろうから,その時にゲラルトが役立ちそうだという趣旨です。ゲラルトは「俺はボディガードではないぞ」と言っています。
(4) If I were one of your subjects.「俺があんたの臣下の一人なら(従うけどね)」
subject(s)「臣下,臣民」を紹介するのは2度目ですね。
(5) Come now.
大雑把に言えば,Come on. のような意味です。ゲーム『グリードフォール』でも主人公が発していました。
(6) I'm just a womb to him.
womb は「子宮」。「彼にとって私は跡継ぎを産む道具でしかない」という趣旨でしょう。
(7) I love that I...
イェネファーの言い回しですが,少なくとも私が習った英文法では love that S V... という語法は存在しないので新鮮でした。『ランダムハウス英和大辞典』には載っていませんでしたが,Wiktionary には love the fact that... の用例がありました。これと同義でしょうか。
(8) royal arse wiper
イェネファーの言葉。arse は ass のことなので,おそらく「王室で起こる政治的いざこざの尻ぬぐい」の意味の比喩でしょう。
(9) He was paid to kill you.「彼は貴方を殺すために雇われたのよ」
pay 人 to-V「人に金を払って V させる」の受動態→ 人 is paid to-V「人は V するために雇われる」
(10) quell「鎮圧する,和らげる」
ヤスキエルの歌の歌詞より。元は「殺す」という意味であった(Come quell your daughter's hunger「娘の飢えを癒しておやり」)
確かに kill と quell /kwɛl/ は似ている気がしますね。
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エピソード1-4「宴、命、葬」の半分弱です。