前回の接頭辞"de"に続き,これまた鬼門の"con"です。
これも大別して2つの意味があるため厄介ですが,"de"のように「逆に思える2つの意味」ではないため,ましかも知れません。
ただ単語数がかなり多いので,「con-系は嫌だ('A`)」と思う人は多いのではないでしょうか
con [com, col, cor, co]
(1)「一緒,共に,同じ」
(2)強調
意味のズレは大きくないですね(・∀・)
なお,
・com は b,m,p の前(combine,commit,compromise)
・col は l の前(collaborate)
・cor は r の前(correspond)
・co は母音などの前(coeducation)
(1)「一緒,共に,同じ」
convenient「便利な,都合が良い」(一緒に(con)来る(ven)→「都合が良い」)
convention「会議・大会;しきたり・慣習・因習」(一緒に(con)来る(ven)→「会議」→「会議で決まったしきたり」)
congress「議会」(一緒に(con)行く・進む(gress))
cf. progress「進歩する」↔️regress「後退する」
condominium「1️⃣分譲マンション,コンドミニアム,2️⃣共同管理」(一緒(con)+dominium(所有権))
combine「結びつける」
commit「関わる,託す,(罪を)犯す」(一緒に(com)送る(mit))
company「同席・同行,来客,仲間;会社」(一緒に(com)パン(pan))
↓フランス語で「パン」は pain。小和田哲男チャンネルによると「パン」は「金平糖(コンフェイト)」「カルタ」「タバコ」など共に南蛮文化(ポルトガル語)として入ってきたという。
compassion「同情,憐れみ」(同じ(com)情熱(passion))
compromise「妥協する」(一緒に(com)約束(promise))
※ただし「コンプロマイズ」のような発音になるので注意(下線が第一強勢)
collaborate「協力する」(一緒に(col)労働(labor))
※「コラボ」の元
※第二次世界大戦時のフランスの対独協力のことを「コラボラシオン」と言います
correspond「一致する,通信する」(一緒に(cor)反応する(respond))
coeducation「共学」(一緒に(co)教育(education))
copilot「副操縦士」,coproducer「共同制作者」のように「一緒に……する人」の場合は常に co-。
(2)強調
confine「限定する」(fin「終わり」)
condense「濃縮する」(dense「濃い」)
concise「簡潔な」(cise, cide「切る」)
confidence「信頼,自信」
まだまだ大量にありますが,(1)は「一緒に」を手がかりに覚えやすいものが多いですね。
なお,この com に m が続く単語は,mが2連続することになります(command,communicate,committee,commercial,common)。特に committee「委員会」は m と t と e がダブるので要注意です。
ただし comet「彗星」は別語源なのでmは1つです。
(3)では今回の「紛らわしい単語」シリーズです
cooperate「協力する」(共に(co)作業する(operate))
corporate「法人の,企業の」
"corp"は「体」です。「団体」→「法人」となったと考えられます。
corpse「死体」 ※「コープス」のような発音
corps「団,部隊」 ※“ps” は脱音し「コーア」のような発音
「フライコール[フライコーア]Freikorps」とは第一次世界大戦の前後にドイツで社会主義勢力を攻撃した「ドイツ義勇軍」ですね。「コール・ド・バレエ corps de ballet」は「バレエ団」です。
con などから始まる単語はややこしくて厄介に思えるでしょうが,よく見て分解して意味を思い出すようにしましょう。
接頭辞"de"に関してはこちらになります。
こんなのも書きました。