(6)に引き続き,(7)です。1974年の続きです。
(1)
He left the meeting, saying, "I refuse to have any more to do with this affair.''
"I am washing my ( ) of this affair.''
(2)
I enjoyed myself at the party.
had a good ( )
(3)
Watch the girls carefully; they are poor swimmers.
( ) an eye on the girls
(4)
They will start early, if it is fine.
weather ( )
(5)
It is of no importance to me whether you believe it or not.
doesn't make any ( )
下線部分同士が同じ意味になるように,空欄に1単語を入れよ。
解説
選択式ではなく,自分で考えて入れる問題ですが,その分難度は抑え気味になっています。ただ1問を除いて……
(1)
He left the meeting, saying, "I refuse to have any more to do with this affair.''
"I am washing my ( ) of this affair.''
彼は「私は金輪際この問題とは関わりたくはない」と言って会合を去った。
これは難しすぎと言うか細かすぎでしょう。日本語では「足を洗う」と言いますが……
英語ではwash one's hands「手を洗う」の比喩用法として,wash one's hands of O「Oとの関係を断つ」と言うそうです。日本語でも「手を汚したくない」とは言いますよね。
これに関してはdirty one's hands with O「Oに関わって手を汚す」というのがあるようです(dirtyは動詞)
あとlive from hand to mouth = live hand to mouth「その日暮らしをする」というのも有名ですかね。「(蓄えられず)手から口へ」というイメージです。
これ以外は難しくないです。
(2)
I enjoyed myself at the party.
had a good ( )
私はパーティーで楽しい時を過ごした。
enjoy oneself = have a good time「楽しい時を過ごす」は中学でも習うので高校受験レベルであり,むしろ東大がこれを出したことが驚きです。約50年前であり,(1)のように細かったり,(2)のように簡単だったり,まだ難度が今のようには定まっていなかった時代なのでしょう。
(3)
Watch the girls carefully; they are poor swimmers.
( ) an eye on the girls
その女の子たちを注意深く見張りなさい。泳ぎが下手だから。
keep an eye on O「Oを見張る,Oの世話をする」は基本表現です。「監視の目」という比喩的な意味のため,人間の目の数に関わりなく単数形(an eye)です。have a sweet tooth「甘党である」にも言えます(a tooth=食べ物の好み)
(4)
They will start early, if it is fine.
weather ( )
天気が良ければ彼らは早めに出発するでしょう。
weather permitting「天気が許せば,天気が良ければ」は決り文句です。「分詞構文」を習う時に熟語として習います。本番ではせっかく分かっていたのに×weather permitingとしてしまうミスも見られたでしょうね。確か動詞が「短母音+子音字」で終わり,かつその短母音のところが第一アクセントの時,子音字を重ねるんだったと思います。
なおこの分詞構文をif節に戻せば if the weather permits とtheが必要なのですが,分詞構文では裸名詞(無冠詞単数の名詞)になることが許されています。『三国志』を英訳したMoss RobertsのThree Kingdomsで,「槍を高く掲げ,趙雲は敵陣に突っ込んだ」という下りで,Spear high, という表現がありました。His spear being high, 「彼の槍は高く」ということで (His) spear (being) high, →Spear high, となっています。
分詞構文で裸名詞が許されている理由についてですが,そもそも分詞構文とは「〜〜とき,私は〜〜した。そして私は〜〜した。なぜなら〜〜だからだ」と,接続詞を使って繋いでいくと小学生の作文のようになってしまうので,接続詞を省いて文章にスピード感やリズム感を出すためものものです。だからtheなども省いてスピード感を出しているのです。
なお,分詞構文は書き言葉なので会話では普通使いませんが,weather permittingやgenerally speakingなどの熟語は使う事があるでしょう(但しgenerallyやhistoricallyのようにspeakingを省くことも多い)
↓generally speaking = generallyについては以下の記事があります。
(5)
It is of no importance to me whether you believe it or not.
doesn't make any ( )
君がそれを信じるかどうかは重要ではない。
上下とも重要表現です。
上:〈of+抽象名詞〉=〈形容詞〉により,
of importance = important です。
of no importance = not important (at all) ですね。
このofは〈所有のof〉と考えると良いでしょう。
of importance =「重要性を有する」= important
例えばopinionを使った熟語に,
He is of the opinion that...「彼は……という意見(の持ち主)だ」というのがあります。
He is of the opinion that... =「彼は……という意見を有する」という風に理解できます。
下:don't make any differenceで「何の違いも生じない」→「全く重要ではない」です。
今回は否定形ですが,肯定形make a (lot of) difference「(多くの)違いをもたらす」も可です。
今回は(1)は出来なくて全く問題ありませんが,逆に(2)〜(5)は全部できる必要があります。ちょっと難度設定がうまくなかったかなと思いました。
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次回は1975年度を見ます。