フレイニャのブログ

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東大の文法問題から表現を覚えましょう(6)1974年度

四阿

(5)に引き続き,(6)です。1974年に入ります! 

まだこの時代はオーソドックスな出題ですね。ある時期からエグみの強い,難解な問題に変容していくのですが……

 

(1) At long last the children decided to (   ) the cave.
explore  hunt  inquire  track

(2) He cares so little about his meal that (   ) will do so long as it fills his stomach.
anything  everything  nothing  something

(3) In Europe the film was unexpectedly received (   ) great favor.
by  in  under  with

(4) In that country, highways are built and (   ) by a public corporation.
detained  maintained  retained  sustained

(5) Since he is a hard worker, I'm sure he will (   ) good in the new job.
come  find  hold  make

(6) The new discovery throws his theory into stronger (   ).
belief  practice  relief  state

(7) This theater (   ) nearly 3,000 people.
holds  includes  keeps  occupies

(8) It wasn't for (   ) that we tried to persuade him, for he promised to reconsider it.
anything  everything  nothing  something

(9) He stood at a (   ) distance from his master.
respected  respectful  respecting  respective

(10) I have all these apples to carry, not to (   ) this bag of potatoes.
except  mention  regard  speak

それぞれ4つの中から最も適切なものを選べ

 

解説

順番に見ていきます。

(1) 「遂に子どもたちは洞窟を探検することに決めた」

explore「探検する,探索する」


(2) 「彼は食事の好みにうるさくないので,腹さえ満たせえば何でも良い」

Either will do.「(2つのうち)どちらでも構いません」

Any will do.「(3つ以上のうち)何でも構いません」

これらは基本表現です。ということで今回はanything will doです。

 

(3) 「ヨーロッパでその映画は予想外にも非常に好意的に受け入れられた」
in favor of...「……を支持して,……に有利になるように」という基本表現があるため引っかかりやすいですが,今回はwith (great) favorで「(大いに)好意的に」です。やや難しいです。いわゆる〈with+抽象名詞=副詞〉というもので,with (great) favor = (very) favorablyです。with (great) care = (very) carefullyなんかはよく習うので,careをfavorに変えた応用問題とも言えるでしょう。

 

(4) 「その国では幹線道路は公的企業によって建設され維持される」

これは簡単ですかね。maintainedで「維持される,整備される」です。いわゆる「メンテナンスされる」というやつです。


(5)「彼は勤勉なので,きっとその新しい仕事でうまくいくだろう」

ちょっと難しいかもですね。hold goodで「当てはまる」というのがあり,正答を知らないとこれかな?とおもってしまうかも。正答はmake goodで「成功する」。『ウィズダム英和辞典』ではgoodの項目にあり,make (it) goodで「成功する,金持ち・有名になる」として載っています。make it「成功する」の方が有名でしょう。

 

(6) 「その新しい発見は彼の理論を一層際立たせる」

これは間違いなく難問です。東大の英語というのは英検準一級レベルの語彙力で対応できるのですが,この熟語は英検一級レベルだと思います。throw O into reliefで「Oを際立たせる,Oを浮き彫りにさせる」です。いわゆる「レリーフ(浮き彫り)」のreliefの比喩用法ですね。ほかにreliefは「安堵」が重要です。

「取り除く」→「心配の除去,安堵」

「取り除く」→「危難の除去,救援」(リリーフピッチャー)

「取り除く」→「浮き彫り」(レリーフ

 

(7) 「この劇場は3000人近くの人を収容する」

「収容する」に当たる動詞を選ぶのだということは分かるでしょう。この中ではholdです。容器が液体を入れられる(hold)のと同じ発想です。他にaccomodate「収容できる」,seat「座らせられる」,admit「受け入れられる」が空欄に入り得ます。

The bus seats 20.「そのバスは20人分の座席がある」

 

(8) 「我々が彼を説得したのは無駄ではなかった。というのも彼はそれを再検討すると約束したのだ」

for nothingで「無駄な」です。また,「無い物(nothing)と引き換えに(for)」ということで「無料で」という意味にもなります。

 

(9) 「彼は主人[親方]に敬意を表す距離に立っていた」

respectの派生形容詞はどの大学でも頻出です。

respect「尊敬する」→respectful「尊敬した,敬意を持った」

respect「尊敬する」→respectable「尊敬できる,立派な」

respect「点,箇所」→respective「それぞれの,めいめいの」

上の3つは全て覚えておく必要があります。答えはrespectfulで,ちょっと面白いですがrespectful distanceで「敬意を表す距離」ですね。めっちゃ近づかれると嫌ですよね。

 

(10) 「私はこれらの林檎を運ばねばならない。この袋入りじゃがいもは言うまでもなく」

not to mention O「Oは言うまでもなく」,not to speak of O「Oは言うまでもなく」です。ofがないため,今回はspeakではなくmentionが正答です。なお意味の違うnot to say O「Oとは言わないまでも」というものもあり,混同を狙って出題されやすいです。

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できるべき問題は(1)(2)(4)(8)(9)(10)でこれで6割ですから,あとどれかを当てて7割は取りたいところです。

次回はこの年の後半に入ります。

 

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