『ウィッチャー』原作小説を読み,お役に立ちそうor面白そうな単語を紹介するコーナーです。その26はこちら。
(261) be beaded with sweat「玉のような汗をかく」
この bead は「ビーズ玉」です。これが動詞になっています。ゲラルトが前腕にビーズのような汗をかいています。
(262) be easy to reassure「安心させやすい」
これらの表現に関して注意すべきは,Ciri is easy to reassure. と言った場合,「シリが誰かを簡単に安心させる」という意味ではないということです。この構文では主語 Ciri が reassure の意味上の目的語になっている,つまりこれは It is easy to reassure Ciri.「シリを安心させるのは簡単だ」という意味なのです。簡単な文で示すと,
This river is dangerous to swim in.
と同じ構文です(This river は swim in の意味上の目的語。It is dangerous to swim in this river. と同義)
(263) piggy-back (piggyback)「背中・肩に乗せること」
Coën approached the table carrying the girl piggy-back.「コーエンがシリラをおんぶしながらテーブルに近づいてきた」という文がありました。ここでは副詞ですが,名詞,動詞にもなれます。
(264) chin up「頑張れ,元気を出せ;懸垂」
「アゴを上げろ,顔を上げろ」ということでしょう。「懸垂」は「アゴを棒の上まで上げる」ということでしょう。
(265) uncanny「不気味な,神秘的な」
can は「できる,あり得る」ですから,canny が「あり得る」でこれを un で否定したのかな,とも思ったのですが,違うようです。ken が「理解」で,「理解の及ばないような」といった成り立ちのようです。
(266) ashen「灰色の;トネリコの」
辞書を引いてから,「あっそっかー」となりました。ash は「灰;トネリコ」ですもんね。シリラの灰色の髪の形容でした。
(267) suppress a cry「叫び声を押し殺す」
suppress は「抑圧する」ですが,Triss suppressed a cry でしたので,「出そうになった叫び声を押し殺した」ですね。
(268) listless「関心のなさげな,だるそうな」
list「リスト,表」とは関係なさそうですね。Wiktionary を調べると,“list” には「願望」のような意味があったようです。現代英語の lust「欲望,欲情」と関係ですね。
(269) what little remained of her strength「彼女に残されたなけなしの力」
what little money とは「なけなしのお金(=少ないながらも全てのお金)」という意味で what little money I had「私が持っていたなけなしのお金」のように使いますが,この what little 並びに what little A は主格としても使えるので,
what little remained「残された少ないながらも全ての物」
と言えます。what が既に関係代名詞なので,
×what little which remained
×what little that remained
と言うのは誤りです。上記のミスは,×what little money which I had と同じミスです。
what little remained of her strength で,「彼女の力のうち,残されていた少ないながらも全ての物」ということで,「彼女に残されたなけなしの力」ということになります。
(270) cross out「線を引いて消す,帳消しにする,抹殺する」
ゲラルトが「俺は失敗を人生からも記憶からも消し去ったりはしない」と言っています。
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