
「思い出す」には
remember「覚えている,思い出す」
<recall「思い出す」
<recollect「思い出す」
があり,下に行くほど思い出す努力が必要とされていますが,発音は
remember は「リメンバー」,
recall も「リコール」,
しかし recollect は「レコレクト」です。
「認識する,承認する」の recognize [recognise] も「レコグナイズ」
「推薦する」の recommend も「レコメンド」です。
re が「リ」だったり「レ」だったりするんですね。
ある時これに法則性がないかと調べたことがあります。すると
recognize「レコグナイズ」(強勢が第1音節)
remember「リメンバー」(強勢が第2音節)
recall「リコール」(強勢が第2音節)
recollect「レコレクト」(強勢が第3音節)
recommend「レコメンド」(強勢が第3音節)
強勢が第1・第3音節のときは「レ」,第2音節のときは「リ」
という傾向が見出されたのです。
しかし,「強勢が第1・第3音節のときは「レ」,第2音節のときは「リ」」だよ,ドヤッと言われても,理由も分からないしモヤモヤしますよね。
今回は re で始まっている語だけ調べているので,re と強勢の位置との関係性で考えるべきでしょう。すると
re 自体に強勢がある時は「レ」
re の次に強勢がある時は「リ」
re の次の次に強勢がある時は「レ」
となり,ますます複雑になりました。そこで,こう割り切ります。
re の次に強勢がある時は「リ」,それ以外は「レ」
です。
前日の記事で「強勢がなくなることで発音が曖昧になる」という話をしました。
men は「メン /men/」なのに,gentlemen の men は「マン /mən/」になってしまうのです。ə というのは曖昧な母音で,舌が特にどこにもない感じで,弱く「ア」みたいな「ウ」みたいな音を出したときの音です。フランス語のアルファベットの e が,ə という発音だったと思います。
英語の re は,本来は /re/ でよいのだが,直後に強勢がある時だけは,相対的に弱まって /ri/ になってしまうのでしょう。
「弱くないのが /re/ で,弱いのが /ri/ ってどういうこと? “イ”って弱いの??」となってしまいますが,
remember を発音する時,mem を強く発音する代わりに,re を意識的に弱く発音すると,/ri/ みたいな /rə/ みたいな発音になっていくと思います。実際 /rimémbər/ または /rəmémbər/ と表記する辞書もあり,上に挙げた画像のように,ə の上に i が乗っている表記をしている紙辞書も見たことがあります。
なおこの傾向(法則?)は同一単語内でも見られ,上に挙げた画像のように record は,名なら「レカァド/レコード」,動詞なら「リコーァド/リコード」のようになります(下線は強勢のある音節)。分綴まで気にしなくていいと思いますが,それまで変わるんですね。
さらに de についても同様のことが言えるようです。sign 部分に強勢がある design は /dɪzaɪn/ ですし,de 部分に強勢がある designate は /dezɪɡneɪt/ です。また liver 部分に強勢がある deliver は /dɪlɪvə(r)/ です。本当は「キングダムカム・デリバランス」ではなく「キングダムカム・ディリバランス」の方が正確なんですね(そんなこと言いだすと「ディリヴァランス」の方が近いのでは?となってしまいますが)
今回は「思い出す」の3語から始めたので,次回は「思い出させる」の remind をやりたいと思います。
↓書きました。
