良い意味になる否定語を「元々悪い意味の否定語」「元々良い意味の否定語」の2系統まとめます。
(1)元々悪い意味の否定語だったら,その否定語は良い意味ですよね。
・mortal「死ぬ運命にある」
→immortal「不死の,不滅の」
※immoral「不道徳な」と見間違い注意です。
※なおmortal enemyとは「死すべき敵」→「不倶戴天の敵」という意味です。
・partial「部分的な」
→impartial「公平な」
※なお,partial dentureとは「部分入れ歯」です。小林製薬の「パーシャルデント」は,その洗浄剤ですね。
・immune「免疫のある」に関しては,別にmuneという英単語があるわけではないですが,元々mune(義務・負担的なもの)+im(が無い)ということから
①免除されている→②免疫のある
となったようです,このmune(義務・負担的なもの)は
municipal「自治体の」
commune「共同体」,common「共通の」
と関係しているようです。つまり「共に負担し合う」→「共同体」という発想になったのですね。
(2)元々良い意味の語の否定形が,なお良い意味なんてことはあるでしょうか。
・valuable「価値のある」
→invaluable「計り知れないほど価値がある」
この否定のinは「価値のあるなし」に関して否定したのではなく,「価値を見積もる(value,valuate,evaluate)」ことができない,と否定している訳です。
「価値がない」はvalueless,worthlessなどがあります。
pricelessも「計り知れないほど価値がある」ということで「ものすごく価値がある」の意味です。
countless,innumerableは「数え切れない(ほど多い)」ですね。
この“numer”は“number”のことだと思って下さい。ドイツ語で“number”は“Nummer”です。
numerousは「たくさんの」で,manyの堅い語です。
★2020年度東京大学二次試験4(A)の英文中にnumerousは登場しました。