friendlyを×friendllyとするミスを偶に目にします。beautifullyは正しいですからね。
でもこれ論理的に考えたら簡単な話ですよね。
beautifulは元々 l で終わっているのです。friendは l で終わっていません。
l で終わっているbeautifulに-lyが付いたら-llyになるのは当たり前で,l で終わっていないfriendに-lyがついても l が1つなのは当たり前です。
ということで-lyで終わるか-llyで終わるかは,元の単語がlで終わっているかで判断して下さい。
例えばdulyとdullyです。dully /dʌ́lli, dʌ́li/ は元々 l で終わっているdullに+lyが付いたものです(するとdulllyとなってしまいますがこういう時はdullyとするのでしょう)。dullは「鈍い」とかいった意味ですからdullyは「鈍く,ぼんやりと」です。他方duly /djúːli/ は元々 l で終わっていないdueにlyがついたduelyからeが取れたものです。dueは「しかるべき」とか「期日が来て」といった意味があり,dulyは「ふさわしく,時間通りに」といった意味です。dulyとdullyは発音も意味も違いますから英文中で混同しないよう気をつけましょう。
さて,-lyに関してもう一つ重要な話があります。-lyで終わる単語には副詞だけでなく形容詞もあるのです。
(1)形容詞+ly=副詞
形容詞beautiful+lyで副詞beautifully「美しく」
形容詞cold+lyで副詞coldly「冷たく,冷淡に」
形容詞warm+lyで副詞warmly「暖かく,優しく」
これらは馴染みがありますね。
(2)名詞+ly=形容詞
名詞friend+lyで形容詞friendly「友好的な」
名詞coward「卑怯者」+lyで形容詞cowardly「卑怯な」
名詞earth「地球」+lyで形容詞earthly「この世の」
-lyを取った元の語が形容詞ではなく名詞の場合,-lyは形容詞です。friendlyは「友好的に」ではなく「友好的な」,cowardyは「卑怯に」ではなく「卑怯な」です。このように-lyで終わる語には形容詞も副詞もあり得るので,読む時も書く時も気をつけねばなりません。
では「友好的に」「卑怯に」はどう言えばいいのでしょうか。
一般論としてin a 形容詞 wayは「形容詞なやり方で」という意味になります。よってin a friendly wayで「友好的なやり方で」,in a cowardly wayで「卑怯なやり方で」を表すことができ,副詞の代わりとなり得ます。
(3)名詞+ly=副詞 のことも
名詞name+lyで副詞namely「すなわち」
名詞time+lyで形容詞timely「時宜を得た,タイムリーな」
名詞time+lyで副詞timely「時宜を得て,タイムリーに」
このように名詞+lyが形容詞を飛び越えて副詞になることもあります。-lyで終わる語には形容詞も副詞も存在することに変わりはありません。
今回の話は以上ですが,最後に1つ気になる話を……
形容詞high+lyで副詞highly「高く」
というのは正しいのですが,実はhighのまま,つまり形容詞と同形のhighで副詞「高く」になるなんてこともあるのです。「高く飛ぶ」は×fly highlyではなく○fly highです。
今度このような形容詞と副詞が同形になっている単語の話をしたいと思います。
↓書きました