Netflix版ドラマ『ウィッチャー』を見て役に立ちそうor面白そうな英語表現を覚えるコーナーです。その11はこちら。
(1) If you wanted him to suffer, you could have just exposed the affair.「彼（フォルテスト王）を苦しめたかったのなら，情事を暴露するだけでも良かったはずよ」
トリスが真犯人に投げかけた言葉。なお仮定法をよく学んだ生徒は，「過去の反実仮想を述べる仮定法過去完了ならば，if you had wanted him to suffer では？」と思うのではないでしょうか。これはいい質問です。
・単にトリスが had を省略した
・真犯人が王を苦しめたかったことは事実だから，過去完了にせず単に過去形にした
おそらく答えは下でしょう。仮定法を使った文の中であっても，反実仮想にならない部分までは時制を過去にずらさなくて良いのです。例えば
If I had told her (that) I love her,「私が彼女を愛していることを彼女に告げていたならば」
において，今も彼女を愛しているならば I love her と現在形にできます。
If I had told her (that) I loved her,「私が彼女を愛していたことを彼女に告げていたならば」
とすれば，今は愛していないが，その時に愛していたことは過去の事実なので単なる過去形です。had told と同様に had loved にする必要はありません。
(2) Her memory will not be sullied.
sully は「汚（よご）す，汚（けが）す」です。
(3) Tell us how to lift the curse.
lift は「持ち上げる」ですが，「（呪い）を払う」の意味に使われるのでしょう。
ゲラルトは「真犯人がお前だと分かったところで，さあ，呪いの払い方を教えろ」と言っています。
「三国志で英語のお勉強」の皇甫嵩の回では「包囲を解く（解囲する）」の意で lift the siege という表現が紹介されています。
(4) concoct the slander
concoct は「混ぜ合わせて（料理を）作る，でっちあげる」，slander は「誹謗中傷」
(5) We can forge a whole new destiny.
forge は「鍛造する」。ここでは目的語が destiny なので比喩ですね。「作り上げる」とか「でっちあげる」の意味があります。
(6) You are patronizing me.
「パトロン」と関係する patronize には「ひいきにする（店を大いに利用する），後援する」のほか「……に恩着せがましい態度をとる」の意味があります。エピソード1-6では Do not patronize me.「恩着せがましくしないで」「保護者づらしないで」というイェネファーのゲラルトへのセリフが出てきます。
(7) Anyone else would've killed the princess.「他の誰がやったとしても，王女を殺してしまっていたでしょう」
主語 Anyone else に仮定の意味が込められた仮定法過去完了（If 節のない仮定法）。実際はゲラルトが当たり，王女を殺さずに解決しました。
(8) cavernous mouth「洞窟のような（巨大な）口」
cave「洞穴，洞窟」，cavern「洞穴，大洞窟」
(9) I'll take what I'm owed.「報酬を貰おう」「貸した金を返して貰おう」
I'm owed という受け身は一見すると難しいので，考えてみましょう。
He owes me $5.「彼は私に5ドルの借りがある」
I am owed $5 by him.（上の受動態）
よって I am owed O で「O の貸しがあるのだから O を貰える権利がある」ということになります。what I'm owed は「私の貸し分」「私が（返して）貰う権利のあるもの」です。
なお (9) からエピソード1-4「宴、命、葬」に入っています。
(10) by right(s)「当然ながら，正当なこととして」
ヤスキエルは「俺がお前を歌で有名にしているのだから報酬の中から10%を要求してもよいところだが」と滅茶苦茶なことを言ってきています。まぁゲラルトが有名になれば，ゲラルトに依頼しようという人も増えるので，広告料ということですね。
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エピソード1-4冒頭。まだゲラルトがヤスキエルを白い目で見ている段階。
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