『ウィッチャー』原作小説を読み,お役に立ちそうor面白そうな単語を紹介するコーナーです。その42はこちら。
(421) courier「急使,特使,密使」
書体に courier「クーリエ」ってありますね。手紙にタイプされるような書体なのでしょうか。
(422) angular「角ばった,尖った,(痩せて)骨ばった」
angle「角度」のある,ということでしょう。イェネファーが書いた手紙の字のことを形容しているようです。ゲラルトは船の上で,シリラの手紙の次にイェネファーからの手紙を読んでいるのです。
(423) how best to-V「V するのに一番良い方法,どう V すれば一番良いか」
how to-V「V する方法,どう V すべきか」に best が付いただけと考えれば簡単です。
(424) decide on...「……に決める」
decide... は「……を決める」ですが,decide on... は「……に決める」です。「君に決める」は decide you ではなく decide on you です。
(425) deign「もったいなくも下さる」
deign to-V とすれば「もったいなくも V して下さる」です。相手を持ち上げ自分を遜る言い方です。ゲラルトがイェネファーの健康を気遣った行為の動詞に付加されており,あなた(ゲラルト)が私を気遣って下さるなんて,と皮肉っています。
発音は「ダイン」ではなく「デイン /deɪn/」です。この deign は「エルデンリング」にも出てきたため以下の記事で紹介しています。
(426) indisposition「気分がすぐれないこと」
勉強になる語です。dis(離して)+pose(置く)ということで dispose は「配置する;処分する」で,dispose of...「処分する」,disposal「処分」,at one's disposal「one が自由に使ってよい」は大学受験レベルです。
disposition は「配置」→「心の配置」→「気質,気分」で,これに打消しの in が付いた indisposition は「気分がすぐれないこと,気分が向かないこと」となります。
(427) behind me「過去の経験としてあって,もうなくなって」
「私の背後に行った」ということです。the period of indisposition is behind me「気分が悪い時期は過ぎた」とイェネファーが手紙に書いています。
(428) enigmatic「謎めいて」
暗号の「エニグマ」を知っていれば簡単な語でしょう。
(429) turn to...「……の方を向く,……を頼る,……のページを開く」
「……の方を向く」→「……を頼る」と簡単です。I am honoured to be the second to whom you turn. = I am honoured to be the second (whom) you turn to.「あなたが頼る2番目の者になって光栄だ」とはイェネファーの言です。トリスでは解決できなかったのでイェネファーに頼ることになったわけですが,「私が2番目ね」とはイェネファーの皮肉が聞いていますね。
(430) invariably「決まって,変わることなく」
vary「変わる」ことなくということです。「あなたからの手紙は決まって私を喜ばせる」といった趣旨のことをイェネファーは書いています。
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まだゲラルトは船の上で,船上でイェネファーからの手紙を読んでいます。どこへ向かいのか,何が起こるのか,まだ分かりません。316ページ中172ページです。
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