フレイニャのブログ

new!!→【ガチ英文法解説】カテゴリ創設! 元鉄緑会社員兼講師の英語・ゲームブログです。ツイッターの相互フォローと,英文法・英単語の質問を(ガチで)募集中です。質問・ミス指摘はコメント欄か,こちらにお願いします→ kfreynya@gmail.com

似て非なるsuspectとdoubtの整理

どちらも「疑う」と訳せてしまうsuspectとdoubtですが,

suspect that ...「……ではないかと疑う」(「……だと思っている」)

doubt that ...「……であることを疑う」(「……ではないと思っている」)

という違いがあります。同じ文を ... に入れてみましょう。

I suspect that he is lying.「彼は嘘を言っているのではないかと思う」(「嘘を言っている」,と疑っている)

I doubt that he is lying.「彼は嘘を言っていないと思う」

ポイントは

suspect ≒ think

doubt that = don't think

と覚えることです。

I doubt that he is lying. = I don't think he is lying.「彼は嘘を言っていないと思う」

doubt that ... は否定文で用いられることもあり,

I don't doubt that we can make it. = I believe we can make it.「私達はうまくいくと思う」

なおdoubt if ...,doubt whether ... も重要です。これも「……かどうか疑う」ですが,「……ではないと思う」という意味です。

I doubt if we can make it.「上手くいきそうにないねえ」

ところで,doubt if ...,doubt whether ... ほど疑ってないが,「……なのかしら?」と思っているときはwonder if ...,wonder whether ... と言いましょう。

I wonder if we can make it.「私達はうまくいくかしら」

 

次に形容詞のdoubtfulsuspiciousを見てみましょう。

It is doubtful whether ...「……かどうかは疑わしい」

It is doubtful if ...「……かどうかは疑わしい」

It is doubtful that ...「……ことは疑わしい」

この3つはほぼ同じ意味のようです。なお,

He is doubtful whether ...「彼は……かどうか疑わしく思っている」

He is doubtful about whether ...「彼は……かどうかについて疑わしく思っている」

He is doubtful that ...「彼は……ことを疑わしく思っている」

のように,人間を主語にすることもできます。

suspiciousの場合は

He is suspicious of N「彼はNを疑わしく思っている」

He is suspicious about N「彼はNについて疑わしく思っている」

のように使います。先程のIt is doubtful whether ... のdoubtfulをsuspiciousに代えるような言い方はネットでは散見されるものの,『ウィズダム英和辞典』のような辞書には載っていないので,使わないほうが良いでしょう。

 

最後にsuspect(動詞),suspicious(形容詞),suspicion(名詞)の語源について確認しておきます。“sus”は“sub”「下」,spectは「見る」で「下を見る」です。「足元を見る」あるいは「下に見る」ということで「疑いの目で見ている」ということですね。なおdespiseは“de”が“down”「下」,“spise”も「見る」で「見下す」なのでsuspectと似た成り立ちですが,こちらはlook down on「軽蔑する」という意味になります。

 

suspect「下を見る」→「疑いの目で見る」

despise「下に見る」→「軽蔑する(look down on)」

 

ということです!

 


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