英語とゲームばかりのブログですが政治経済歴史も広げていきたいフレイニャです。
今回は大学入試センター試験「政経」に出題されたことがあるためマニアックではないのですが,そういうシリーズを立ち上げたのでマニアクイズに含めさせていただきます
なお政経には「常識で瞬殺」な問題も偶にあります。たとえばこれです。
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2015年度第五問/問4 「日本が加入していないものを選べ」
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日本が死刑存置国というのは常識なので瞬殺で①なわけです。
ただし大抵はしっかり勉強していないと答えられないものです。
例えばこんなものです。
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2014年度第一問/問1 「正誤を答えよ」
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(答)PKO協力法に基づいたのは湾岸戦争時のペルシャ湾派遣(機雷除去)であり,イラク派遣は対イラク戦争後のイラク復興支援特措法だから誤り
うろ覚えでは間違うでしょうね。
さて今回の「マニアクイズ」は以下です。
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2014年度第一問/問3 「以下のABCと①②③を結びつけよ」
A 神武景気
B 岩戸景気
C オリンピック景気
① 国民所得倍増計画の発表
② GATT加盟
③ OECD加盟
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これは「高校生クイズ」並みに難しいと思います。
実際はもう少しヒントがありました。こうです。
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2014年度第一問/問3 以下のABCと①②③を結びつけよ
A 神武景気(1954.11─57.6)
B 岩戸景気(1958.6─61.12)
C オリンピック景気(1962.10─64.10)
① 国民所得倍増計画の発表
② GATT加盟
③ OECD加盟
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ABCの方には年号があったんですね。これが実際の過去問です。
thinking time(30秒)
さて解説に入りますが,この問題はひっかけ問題だと思っています。見やすいようにもう1回選択肢を載せます。
A 神武景気(1954.11─57.6)
B 岩戸景気(1958.6─61.12)
C オリンピック景気(1962.10─64.10)
① 国民所得倍増計画の発表
② GATT加盟
③ OECD加盟
Cと①を結びつけた人はいなかったでしょうか? これがおそらく出題者が狙った誤答です。
なぜ引っかかるかと言うと「国民所得倍増計画」は「オリンピック景気」で達成されたというのは割と知られているからです。しかし「国民所得倍増計画」の発表は1960年です。池田勇人内閣は,翌1961年から1970年までの10年間で国民所得を倍増させると発表したのです。
「国民所得倍増計画」の発表は1960年をしっかり覚えていれば,B=①が確定できるのです。
こうなれば,後は政治経済の常識的思考で何とかなると思います。つまり,
という思考です。常識的にはより重要とされる方が先でしょうから,
「GATT加盟」と「OECD加盟」はどちらが重要(と考えられた)か?
です。これは,それぞれの大体の性格から考えましょう。それは,
・OECD・・・発展の遅れている地域を助けよう
です。
GATTというのは,第二次世界大戦の一因ともされる「ブロック経済」への反省から提唱されました。「ブロック経済」ではその経済圏の中で自給自足できるため他のブロックと仲良くする必要がなくなってしまうのに対し,自由貿易で各国が深く絡み合えば戦争は起こりにくくなるだろうという発想です。ということでまず戦争の反省からGATT(関税及び貿易に関する一般協定)が設立されました。それは戦後すぐです(1947年署名,1948年から暫定適用)
OECDは発展途上地域の経済支援のためで,GATTの後に始まりました(1961年,欧州経済協力機構の後身として)
日本の加盟ですが,GATT加盟は1955年,OECD加盟は1964年です。どちらも重要な協定なので,日本も可能な限り早く入ったということでしょう(GATT加盟は1952年のサンフランシスコ講和条約発行後から動きが始まっています)
ということでまず
・国民所得倍増計画は,1960年発表,1961-70で倍増を目指す
をしっかり覚え,その後に
ということが分かれば(推測できれば),
B=① → A=②,C=③
と答えられるでしょう。
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本問は「政経」の問題でしたが「日本史」の問題でもありましたね。
また面白いクイズがあれば紹介したいと思います。