serveには「役に立つ,仕える,……のために働く」といった意味があり,例えば
serve as Oで「Oとして役立つ,Oとして勤務する」です。名詞のserviceは「勤務,兵役;礼拝」などの意味もあり,日本語の「サービス」よりもかなり意味が広いので文脈に注意です。
動詞に戻ると,serve Oは「Oに仕える」ですが,これに副詞のright「正しく,ふさわしく」が加わってserve O right「Oに正しく仕える」というコロケーション(連語関係)があります。rightの副詞にはrightlyもあるのですが,rightのまま副詞になることもでき,これは大事なことなのでまたお話したいと思います。
このserve O rightを使った重要表現を2種紹介します。
(1)If my memory serves me right,「私の記憶が確かならば」
「料理の鉄人」で鹿賀丈史さんが決り文句としていたものでもありますね。これ,調べたらランボーの詩(地獄の季節)が元ネタだそうです。si je me souviens bienと言うそうで,souviensはrememberのようですね。souvenir「おみやげ」にめちゃ関係してそうな綴りです。souは「心に」,venirは「来る」のようで,“ven”が「行く・来る」だというのは2020/3/31の記事で扱いました。
ちょっと脱線しましたが,このIf my memory serves me rightは,If I remember correctlyとも言えます。フランス語のsi je me souviens bienはこれに近そうですね。またIf I'm not mistaken「私が間違っていなければ」とも言えます。mistakenはmistake-mistook-mistakenの過去分詞でもあるのですが,形容詞で「間違っている」という意味です。
I am mistaken.「私は間違っている」
You are mistaken.「あなたは間違っている」
といった具合です。I am wrong. You are wrong. とほぼ同義でしょうか。『ウィズダム英和辞典』を見ていると,Correct me If I'm wrong「間違っていたらごめんなさい(←間違っていたら訂正して下さい)」という表現に出会いました。
(2)Serves you right.「当然の報いだ」「ざまあみろ」
servesが3単現活用しており,It serves you right. からの省略です。Itは〈状況のit〉で,「今の状況はあなたに正しく仕えている」=「当然の報いだ」という意味です。
ふと思ったのですが,自虐的に「当然の報いだな」とServes me right.(自分がザマを見よ)と言ってもいいんでしょうかね?笑 気になってグーグルに打ってみましたが,(1)のIf my memory serves me rightがヒットしまくりました。
今日はこの辺で!
↓形容詞の綴りのまま副詞になれる現象について