フレイニャのブログ

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アルスターの猟犬(28)

アルスターの猟犬(27)」の続きです。第12章に入ります。

 

CHAPTER XII

Etarcomal’s Well-deserved Fate

So Fergus turned his horses to go back where he had left Cuchulain. He thought to go alone, attended only by his charioteer, but as he drove along, the sound of wheels behind him made him turn, and close to him he saw a youth who, sitting in his chariot, seemed to follow hard behind, as though to catch him up. Fergus recognized the rider as a rich young chief, brave but foolhardy, who was known among the host as one who thought too highly of himself, considering he had little experience of war.

そこでフェルグスは馬を返し,クー・フーリンを残していった所へ戻った。彼は自分の御者だけを伴い,1人で行くつもりだったが,進んでいくと,背後から車輪の音が聞こえてきて彼は後ろを振り向いた。すると近くに戦車に乗った若者が,しっかり後ろについていくという様子で,まるで彼に追いつかんばかりの勢いだった。フェルグスはこの乗り手がある裕福な若い首長で,勇敢だが向こう見ずであり,戦の経験が少ない割に軍の中でも自惚れすぎている者として知られている男だと分かった。

・堅い文語調で,think to-V「Vするつもりである」というのがあります。

as if to say...「まるで……と言わんばかりに」というのがあります。as ifはas thoughとも言い,as though to catch him upは「まるで彼に追いつかんばかりに」です。TOTOAfricaの歌詞にHe turned to me as if to say...「彼は……と言わんばかりに私の方を向いた」というのがありましたね。

fly high「高く飛ぶ」という風にhigh「高い」の副詞はhigh「高く」です。しかし評価が高いなど比喩的な意味では副詞highly「高く」を使います。think highly of Oは「Oを高く評価する」です。今回は目的語がhimselfなので「自惚れる」ですね。

considering以下は「戦の経験が少ないことを考慮すると自惚れすぎる」→「戦の経験が少ない割には自惚れすぎる」ということです。


“Whither away, Etarcomal?” said Fergus, for that was the youth’s name. “I wish to go with you,” replied the lad; “I hear that you are on your way to seek this wonderful Cuchulain, of whom all men talk. I feel inclined myself to have a look at him.”
“I give you sound advice,” said Fergus, “and best it were for you to heed my words. Turn round your chariot, and go home again.”

「どこへ行くエターコマル」とフェルグスは言った。それが若者の名前だった。「お供したいです」若者は言った。「貴方は皆が噂しているあの恐るべきクー・フーリンを探していると聞きました。私も自ら彼を目の当たりにしたいのです」「真っ当な助言をしてやろう」フェルグスは言った。「俺の言うことを聞くのが一番だ。戦車を回れ右させて,陣へ戻れ」

Etarcomalは「クーリーの牛争い」に出てくる人名のようですが,定訳が分かりませんでした。

sound adviceは「健全な助言」です。


“Why so?” Etarcomal asked. “Because I know full well that if you, with your light-minded insolence, come into contact with this great Hound of War, in all his fierceness and his terrible strength, trouble will befall. You will provoke him with your childishness, and ill will come, before I can prevent it. Go home again, I will not have you come.” “If we fell out, could you not rescue me?” Etarcomal said. “No doubt I should endeavour to succour you; but if you seek a quarrel, or with your foolish words provoke Cuchulain, I make no promises; you must defend yourself, and take your chance.”

“Truly I seek no quarrel with this valiant mighty chief; I will but look upon his powerful form and note his face, and then return with you.” “So be it, then,” said Fergus, “let us on.”

「なぜですか」エターコマルは尋ねた。「なぜならもしお前が,軽い気持ちで生意気にも,あの偉大な戦の猟犬,獰猛さと恐るべき力に満ちた奴に接したら,大変なことになるからだ。お前は子どもじみた態度で奴を挑発し,俺が止める間もなく不幸なこととなろう。陣へ戻れ,お前は連れて行かん」「私が従わなかったら,助けてくれないということですか?」エターコマルは言った。「無論お前を救援する。しかし従わぬなら,またはその愚かな言葉でクー・フーリンを挑発するなら,約束はできん。自分で身を守れ,運次第よ」

「実のところこんな勇壮な力強き首長と争う気はありません。ただ彼の力強き姿を眺め,彼の顔を覚え,貴方と共に帰還します」「ならよい」とフェルグスは言った。「進もう」

insolenceは「生意気,無礼」です。

fall outは色んな意味があり悩みましたが,後ろにquarrelがあることからも,「仲違いする」でしょうか。

succorは「救援する」です。

So be it.は「(それなら)そうでいい」という意味の決り文句です。今回はthenが「それなら」ということです。語順が意味不明と思う人もいるかもしれませんが,So am I. などもあり,そうでもありません(倒置ということですね)

 So am I.「私もそうだ」

 So be it.「状況はそうであれ」 ※it=状況・事態


Afar off, Laeg espied them as they came. He and his master sat beneath the trees close on the borders of a little wood, playing a game of chess; but none the less he kept a sharp lookout, watching where lay the distant camp of Meave. A single chariot approaches from the camp, and furiously it drives across the plain: “I think he comes to seek us, Cucuc,” said the man. “What sort is the rider in that chariot?” questioned Cu. “I know him well, and short the time since he was here before. Like to the side of a massive mountain, standing sheer from out the plain, the chariot in which that warrior rides.

彼らがやって来るのを遠くでロイグが見つけた。ロイグと主人は小さな森が途切れるところ近くの木々の下に座り,チェスを楽しんでいたが,それでもロイグは鋭く監視しており,メーヴの遠く離れた陣営がどこにあるのか見張っていた。1台の戦車が陣から近づいてきて,猛烈に平野を横切っていた。「我々を探しているようですよワンちゃん」ロイグは言った。「戦車に乗っているのはどんな奴?」クーは尋ねた。「彼はよく知ってます。彼がここに来てから余り経っていません。平野から切り立った大きな山の山腹に向かっているようです,その戦士が乗る戦車は」

afar「遠くで」はfarにaloudやasleep,aliveの“a”が付いたものです。

espy「見つける」はspy「密かに見張る,スパイする」と同根です。

none the lessはtheに指示性があり,「その分だけ少なくはない」です。「チェスをしている分だけ監視が疎かになる」のではなく,「チェスをしている分だけ監視が疎かになるわけでもなく」です。 

Cucucはよく分かりませんがCu「犬」,つまりクー・フーリンのおどけた呼び方でしょう。

・このLikeは前置詞・動詞ではなく,単体で使われる副詞で,seemsseemingly「まぁ見たところ……のようだ」といった意味でしょう。

 

Mighty as the leafy branching crown of a kingly tree which grows before a chieftain’s door, the bushy, loose, dark-ruddy locks upon that warrior’s head. Around him is a mantle of a noble purple hue, with fringes of bright gold, clasped with a pin of gleaming gold and set with sparkling stones. In his left hand he bears his bossy shield and in his right a polished spear, with rings of metal bound from point to haft. Upon his thigh a sword so long and great, I took it for the rudder of a boat, or for a rainbow arched across the skies. Far-travelled and a man of might, meseems, the guest who cometh here.” “Welcome to me the coming of this hero and old friend,” Cuchulain cried, “my master Fergus, who approaches us.”

「その戦士の頭には,首長の館のドアの前に生えている王の木の,葉の多く枝分かれする樹冠のように力強い,ふさふさした,結んでいない,暗い赤の頭髪が生えています。体は高貴な紫がかったマントが覆われていて,明るい金色の縁取りがなされ,輝く金色のブローチで留められ,きらびやかな宝石が埋め込まれています。左手には長が持つ盾を,右手には磨かれた槍を持ち,槍は先から柄まで金属の環が巻かれています。太ももの上の剣は長く大きく,船の舵か,空に跨る虹と見間違ったほどです。様々な場所を旅してきた,力強き者に見えます,こちらに来る者は」「その英雄で旧友を歓迎しておくれ」クー・フーリンは叫んだ。「養父(オヤジ)のフェルグスだ,こちらに向かってるのは」

crownは「王冠」のほか「樹冠,歯冠,てっぺん」という意味があります。

bossyは「偉そうに振る舞う,ボスづらをする」という形容詞ですが,ここではshieldを修飾しているので,「長が持つ」と訳しておきました。

・このtook it for...mistook it for... と同じで「それを……と間違う」です。「ウィッチャー」の方ではtook A to be B「AをBと間違う」の形でした。

・「船の舵」「虹」,また「アルスターの猟犬(1)」では「機織り機の巻棒」のように大きいと形容された,フェルグスの剣はカラドボルグと考えられます。グラブルでは光ジャンヌダルクの解放条件ですね。

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meseemsは前回出てきたmethinks「私には思える」と同じでしょう。it seems to meです。

 
“I see behind a second smaller chariot, which seems to accompany the massive chariot of Fergus. Spritely and full of life are the two prancing chariot-steeds, and young and bright the man who sits within.”
“’Tis likely that some one of Erin’s youthful chiefs has ventured out to have a look at me, under the guardianship of Fergus. I hear they all are talking of me in the camp. Perhaps he wants to have a bout with me, good Laeg, but better were it that he stayed at home.”

「後ろにもう1つ,前のより小さい戦車が見えます。フェルグスの巨大な戦車に同伴しているようです。駆けている2頭の軍馬は元気一杯で活気に満ちていて,中に座っている男は若く溌剌としています」

「それは多分エリンの若い首長の1人で,僕をひと目見に,フェルグスの保護の下で敢えてやって来たのだろうね。むこうの陣ではみんな僕のことを話してるってさ。もしかすると,僕と1戦やりに来たのかもよ,ロイグ。でも家にいたほうが良かったね」

spritely,sprightlyは「生き生きした,活発な」です。spriteはゲームにもでてくる「妖精,霊」ですが,「精や霊に満ちている」→「活気が漲っている」ということでしょう。

a boutは「ひと勝負,ひとしきり」です。


Up dashed the steeds of Fergus’ chariot, and in an instant he had sprung to earth and stood beside Cuchulain. “Welcome, O Fergus, old familiar friend. Welcome, my foster-master and my guardian,” Cuchulain cried, and warmly he embraced him. “Upon this lonely watch that I am forced to keep all solitary and unaided day by day against the men of Erin, most welcome the dear face of an old friend.”
“Then thou art glad indeed?” Fergus exclaimed, surprised.

フェルグスの軍馬は駆け上がり,一瞬で彼は地上に飛び降り,クー・フーリンの横に立った。「ようこそフェルグス,大事な友よ。ようこそ,僕の育て親で保護者よ」とクー・フーリンは叫び,熱心に彼と抱擁した。「たった2人で援軍もなく,毎日毎日エリンの軍に立ち向かわなきゃならないこの孤独な見張りで,旧友の懐かしい顔が見られるのは本当に嬉しいよ」

「するとお前は本当に喜んでいるのか?」フェルグスは驚いて叫んだ。


“Certainly and indeed, I am right glad! Not much have I to offer in this wild desert place, but all I have is fully at your service. When o’er the plain a flock of wild-duck wings its way, one of them you shall have, with, in good times, the full half of another; if fish come up the estuary, a whole one shall be yours, with all that appertains to it; a handful of fresh cress straight from the brook, a spray of marshwort or of green sorrel shall be yours; ’tis all I have to give. When you are thirsty, from the running stream that trickles through the sand, you’ll get a drink; and if, some fall of day, a hero calls you to come down and wage a single combat at the ford, you shall take rest and sleep, while I will fight your enemy or keep watch.”

「もちろん本当に,僕は大喜びさ!こんな荒野の寂れた所では大したもてなしも出来ないけど,僕に出来るのはしっかり父さんの世話をすることだよ。野ガモの群れが平野の上を飛ぶとき,その1羽を取ると良いよ。調子が良ければもう1羽の半分は食べられるね。もし魚が入り江に上がってきたら,まるまる父さんにあげるよ。皮とか卵もね。ひとつかみの新鮮なクレスが川から取れたら,マーシュワートかグリーンソレルの小枝はあげるよ。あげられるのはそれくらいかな。喉が渇いたら,砂地から湧き出てる流水から飲めるよ。そしてもしある日,勇者が父さんに降りて浅瀬で決闘しろと言ってきたら,ここで休んで眠っていいよ。僕がそいつと戦うか見張ってるから」

with, in good times, the full half of another はよく分からなかったのですがin good times「調子の良い時」は「父さんの体調が良い時」,full half of anotherは「もう1羽まるまる食べるのは無理だけど,その半分くらいは食べられる」ということかと解釈しました。

with all that appertains to it は「それに属する全ての物と共に」ですが,魚を採ったら身だけではなく骨も皮も全部食べていいという意味かと思います。ここはクー・フーリンの,その悪鬼の如き戦いぶりとはかけ離れた,子どもらしい部分を描写しているのでしょう。

cress,marshwort,green sorrelは正確な日本語を当てるのは諦めました。水辺に生えているセリとかクレソンとかの類と思われます。

trickleは「したたる;細流」です。「トリクル充電」のほか,安倍首相の「トリクルダウン」などがありましたね。あれ,何だったのでしょうか。

・まるでフェルグスが味方に来てくれて喜んでいるかのような話しぶりですね。でも前でロイグに,同伴の若者(エターコマル)が自分と戦いに来たかもしれないと言っているから,演技ですかね。子供らしいところと妙に老成しているところがあるのがクー・フーリンの性格なのでしょう。

・エターコマルの運命はどうなるのでしょうか。章タイトルの“Fate”が何を意味しているかですね。次回をお楽しみに!

 

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