『ウィッチャー』原作小説を読み,お役に立ちそうor面白そうな単語を紹介するコーナーです。その35はこちら。
(351) omniscient「博識の,全知の」
これはとても面白い語です。“omni-” は「オムニバス(乗合バス)」などに使われており「全」。“scient” は science「科学」と同根で「知って」です。ただし conscience「良心」を「コンサイエンス」ではなく「コンシャンス」のように読むように,この語も「オムニサイエント」ではなく「オムニシェント」「オムニシエント」です。
(352) sell out「裏切る」
sell out は「売り切ってしまう;売り切れる」の意味がありますが「裏切る,寝返る」の意味もあります。sell oneself「(金の為に)自分を売る」の oneself がなくなったのでしょうね。
(353) turn out like that「(事が)そのように運ぶ・進行する」
1️⃣turn out (to be)+形容詞 は「形容詞であると判明する」(例 turn out to be true)ですが,2️⃣turn out+副詞 は「副詞のように(事が)運ぶ」です。1️⃣はよく習いますが2️⃣も忘れないようにしましょう。
(354) live in such a way that...「……するような生き方をする」
これで that 節に持ち込み,この that は接続詞使用ができるので,どんな生き方かを表す「...」の部分を完全な文の形で表すことができます。
(355) come to terms with...「……と折り合いをつける」
terms には「条件,仲」といった意味があります。come to terms with the humans で「人間達と折り合いをつける」「人間達となんとか仲良くやっていく」。ドワーフのヤーペンのセリフです。
(356) tear「突進する,疾走する,あっという間に過ぎ去る」
tear は「破る,引き裂く」ですが上記のような意味もあります。「空間を引き裂くように移動する」ということなんでしょうかね。
(357) pah [パー]「ふーん,へっ,ちぇっ」
不快・軽蔑を表す間投詞だそうです。Pah-pah! のように使われていますが,「ふんだふんだ」って感じでしょうか。13歳になる手前のシリラの心中のセリフです。
(358) bumpy「でこぼこの,ガタガタする,浮き沈みの激しい」
バンプ・オブ・チキンやバンパーの bump の形容詞です。ギャングスター,フランク・ルーカスの師バンピー・ジョンソンのバンピーは頭にコブがあって凸凹していることから付けられたニックネームだそうです。小説では bumpy path を馬で駆けているという文脈です。
(359) rump「(鳥獣の)尻,臀部,残部・残党」
ランプ肉から覚えるのが有効です。lump は「塊」,lamp は灯りの「ランプ」
(360) trudge「とぼとぼ歩く」
馬車を引かされてとぼとぼ歩いていた馬が今シリラによって快活に駆けているという文脈です。なお私がこの語に初めて出会ったのは映画『ロック・ユー!』です。ポール・ベタニー演じる詩人チョーサーが使っていました。ギャンブルで負けて身ぐるみ剥がされ,素っ裸になったチョーサーが裸足で歩いているのを「トラッジングしてるんだ」と嘯いていたのです。この映画はオススメですよ!
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