人から聞いたり,テレビ番組で聞いたりしたものの,原典まで突き止められず,伝聞のまま終わっている名言です。発言者には「?」を付けておきます。今のところ3つしかストックがありません。今回はその1です。
(1)
「鷹は
〜〜レーニン(1870-1924)?
大学の先生に「レーニンがローザ・ルクセンブルクを褒めた言葉」(?)として教わった記憶があります。英語にしてみると,例えば
Hens cannot fly as high as the hawk, while the hawk can as low as hens.
といったところでしょうか。何となくこの語順が良いと思ったので,日本語でも
「雌鶏は鷹ほど高くは飛べないが,鷹は雌鶏と同じ所まで降りられる」
の方が良かったかもしれませんね。
学者に必要なのは「高い所から俯瞰する眼」と「微細な点まで突き止められる眼」との両方です。未熟な学生は「大きな話ばかりして細かい点になるとしどろもどろ」になるか,逆に「細かいことばかり詳しくて大きな視点がない」傾向に陥りがちです。そういう学生に対し「鷹は大きな視点にも立てるが,必要な時には地面(=細かい点)にも降りて行けるんだ」と言って説教していたわけです。
なお社会経済史の分野で語られる「眼」に関しては,大塚久雄(1907-1996)の「複眼的思考」というのも有名です。物事を1方向からではなく様々な面から見ることの出来る能力のことで,学問に限らず人間にとって重要な能力ですね。