『ウィッチャー』原作小説を読み,お役に立ちそうor面白そうな単語を紹介するコーナーです。その5はこちら。
(51) get hot「熱く・暑くなる;興奮する,怒る;(正解や探している物に)物凄く近づく」
日本語の「アツくなる」「カッカする」と同じ発想で理解できますね。「正解に近づく」は面白いです。You're getting hot!「惜しい!」
(52) beardy「ひげ野郎,ひげのおっちゃん」
敢えて挙げたのは,beard「あごひげ」が必須であり,これにaunty「おばちゃん」などの“-y”が付いた形と分かるからです。例えばwolfyは「オオカミちゃん」です。この“-y”のニュアンスは以下の記事で解説しています。
(53) fitting「ふさわしい,適切な」
「フィッティングルーム」なんて言いますが,形容詞fittingは「適切な」という意味があるんですね(動詞fitの-ing形)。This is not fitting. とか It is (not) fitting to-V. とか言うらしいです。実は『アルスターの猟犬』でクー・フーリンが何度かこのfittingを使っているんですよね(第6回など)。そしたら『ウィッチャー』にも出てきました。今年になって知った表現です。
(54) in one's presence「〜の面前で,目の前で」
in his presenceのように使います。実際はin Poet Dandelion's presence「詩人ダンデリオンが目の前にいるのに」でした。one'sの所に入れるのが窮屈な場合は,in the presence of... として下さい。
(55) second「……を支持する,……に賛成する」
誰かがある意見を言ったり,提議をした時に「自分が2番目になる」→「賛同者になる」ということです。Seconded!「賛成!」という言い方もあります。
(56) as if+前置詞句「まるで……かのように」
He spoke as if he were an expert.「彼はまるで専門家であるかのように話した」のように,as if S V(仮定法)は有名です。しかしas if by magic「魔法をかけられたように,たちどころに」とかas if to say...「まるで……と言わんばかりに」のようにas ifの後に前置詞句やto-不定詞句を続けることができます。今回はas if on commandでした。on commandはやや難しく,「自らの意思で,自在に」という意味のようです。
(57) bite the dust「屈辱を味わう,負ける,死ぬ」
地面に倒れ,地面の土や砂を噛むという比喩表現です。
(58) 動詞のbetter「……をしのぐ,……を改善する」
形容詞・副詞の比較級betterより派生して,動詞betterには「目的語よりも優れている」「目的語を改善する」という意味があります。もちろんそれぞれ,surpass「……より勝る」とかimprove「……を改善する」とか代替表現があります。なおすぐ後で動詞best「……に勝る,……に打ち勝つ」も登場しました。
(59) vehement「激しい」
-mentと言えば名詞と思う人もいるかも知れませんが,vehement /víːəmənt/は「激しい」という形容詞です。vehementlyで「激しく」です。フランス語では-mentは副詞語尾であり,名詞と決まっているわけではないのです。
(60) mutate「変異させる」
「ウィッチャーたちは変異体だ」と言う時mutatedが使われていました。mutantは「変異体」ですね。
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316ページ中の13ページ目まで進みました。参考になる単語はありましたでしょうか。受験的に重要なものか,さもなくば面白そうなのを選んでおります。次回もご期待下さい。
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