知り合いとの会話で「エシカル」とはなんぞや?という話題が出たのでまとめます。
まずethicsとethnicを区別して覚えましょう。
(1)ethics「倫理学」「倫理」
→ethical「倫理上の,道徳的な」(類.moral)
「エシカル」とはこれのことですね。
(2)ethnic「民族の」「少数民族の」「異国風の」
「エスニック料理」とは「民族料理」「異国風の料理」のことです。英米の視点で見れば和食もエスニック料理でしょう。
→ethnicity「民族性,エスニシティ」
※「どの民族に属すかということ」「ある民族への帰属意識」など定義は色々で難しいので,「エスニシティ」のまま言われることが多いですが,文脈によってどんな意味でethnicityと言っているか考えるよう試みる価値はあるでしょう。
なおethics,ethicalを調べていて,『エチカ』っていうのがあったなと思ったので調べました。Ethicaはオランダのスピノザ(1632-1677)が1662年から執筆開始し,死後出版されたもので,倫理学・哲学の書ですね。
「エシカル」に戻りますが,この語はどうも「エシカル消費」(ethical comsumption)「エシカル消費主義」(ethical consumerism)の話題から出てきたようですね。環境問題にも影響され,無駄なものは買わず,最低限のものだけを買うという行動様式のようです。そう言えば最近の若者はあまり豪華なものを買わないと言われますよね。私もドケチなので余り高いものは買いません。
なおこれに対極すると思われるのがヴェブレン(1857-1929)が唱えた「衒示的消費(顕示的消費)」(conspicuous consumption)です。これは己の(経済的な)力を見せびらかすために,あえて高いものを買うという行動様式です。conspicuousとは「目立った」という意味で,2020/2/4の記事で紹介しています。
ブランド物を買う時,衒示的消費なのか,質がいいから買うのかという問題がありますね。私は,高いものはそれなりに質は良いとは思うので全く無駄ではないとは思いますが,ドケ余り高いものは買わない方ですね。
ちょっぴり経済学的な話もできましたし,「政治・経済・歴史」カテゴリーにも加えさせてもらいました。まだこのカテゴリーは記事も貧弱ですが,好きな分野ではあるので徐々に増やしていきたいと思います。