purpose,persuadeなど,“pur”だったり“per”だったりする単語は綴る時に迷います。まずそれぞれの意味・イメージを覚え,それを元に混同を避けましょう。
(1)purはfor〈追求〉
「プールオム」という言葉ご存知ですか? フランス語のpourはforの意味で,「プールオム(pour homme)」とは「フォーメン(for men)」のことです。英語の接頭辞“pur”はforのことです。よってforの〈追求・目的〉のイメージを持つ語はpur- となります。
purpose「目的」
pursue「追求する」 pursuit「追求」 ※追い求める
purchase「購入する,購入」 ※買い求める
※英語のpour /pɔːr/は「そそぐ,土砂降りの雨が降る」という意味で,フランス語のpourとは無関係です。
(2)perはperfectのper〈完全〉
perはthrough〈貫通〉とか〈完全・全面〉といったイメージですので,こうしたイメージを持つ語はper- です。
perceive「知覚する」 ※完全に(per)掴む(ceive)
perform「実行する,演じる」 ※完全に(per)形作る(form)
perfume「香水」 ※完全な(per)ガス(fume) fumeだけだと「ガス」
permit「許可する」 ※通って(per)送る(mit)
persevere「耐える」 ※severeを通る(per)
persist「固執する」 ※完全に・通って(per)sist(立つ)
persuade「説得する」 ※完全に(per)勧める(suade)
またper- はthroughという意味から,「……によって」の意味にもなります。以下がそういうイメージの語です。
per「……につき」
percent「百分率」 ※百(cent)につき(per)
perhaps「もしかすると」 ※事(haps=happenings)によっては(per)
「pur-だったかな?per-だったかな?」と不安になったときは,〈追求〉の意味(=pur)か〈完全・貫通〉の意味(=per)かで考えましょう。
ところで,pure「純粋な」やpurple「紫」はたまたまpurで始まるだけで,〈追求〉のpur-とは無関係と思います。私はpurge「追放する」は,pursue「追求する」と同様〈追求〉のpur- が語源と予想したのですが,etymologyを調べたらpureから来た語でした!余計なものを追放することで純化(purify)するということなのですね。左翼追放の「レッドパージ」や,FF13のコクーンからの「パージ」に使われている語です。
語源の勉強は楽しいですね!