単語の中には複数の派生形容詞を持つものがありますね。
3つもの重要な派生形容詞があるものはrespect,imagine,senseです。
(1) respect
respectable「立派な」(=尊敬できる)
respective「それぞれの,めいめいの,各々の」
respectful「うやうやしい」(=尊敬の気持ちで一杯の)
※respectableの名詞形respectabilityは「世間体,体面」という訳語を持ちます。
※respectivelyは「それぞれ(が),めいめい(が)」という副詞ですね。
(2) imagine
imaginable「想像しうる」(=想像できる)
imaginative「想像力豊かな」
imaginary「想像上の,架空の」
※every [the best] method imaginableは「考えうるあらゆる[最上の]方法」という意味です。
(3) sense「分別,意味,感覚」
sensible「賢明な」
sensitive「敏感な;機密の」
sensory「感覚に関わる」
sensuous「官能的な」
※sensitiveは「敏感な,傷つきやすい」という意味ですが,文書に印字されていたら「機密の」です。「傷つきやすい」→「慎重に扱え」→「機密の」という発想です。
※sensibilityはちょっと難しいのですが,「感性・感受性」という意味と「敏感さ」という意味があります。「敏感」はsensitiveの方では?と思われるでしょうが,sensibilityなのです。sensitivityも「感受性,過敏さ」といった意味があります。
(1)~(3)全てに -bleと -tiveがあるのが面白いですね。
2つの派生形容詞があるのは挙げたらきりがないですが,artとindustryを挙げておきます。
(4) art「芸術,技術」
artistic「芸術的な」
artificial「人工の」
(5) industry「勤勉,産業」
industrial「産業の」
industrious「勤勉な」
(1)~(5)は受験でも有名なものですので,面白いものを2つ挙げておきます。
(6) length「長さ」
long「長い」
lengthy「長ったらしい」
※longの名詞形lengthから,さらにyを付けて形容詞化しているわけですから,まさに「長ったらしい」。「長々しい」といった感じでしょうか。
なお「長くする,長くなる」に×longen や×enlong とは言えず,lengthen と言います。また elongate という単語もあります。
(7) space「空間」
spacious「広々とした」
spatial「空間に関わる」
※cとtに分かれているので注意ですね。faceの場合はfacialです(ex. facial expression)