nationalとinternationalを混同したり,revolutionとevolutionが同じに見えるというのは頂けません。後半が同じでも,前半が明らかに違うのですから。
anything butとnothing butも途中から一緒ですが,前に着目すればany「どんな…も」とno「どんな…もない」は逆ですから,意味を混同すると危険です。
but... は「…以外,…を除いて」という前置詞です。よって,
(1)
nothing but Aは「A以外の何でもない」→「Aでしかない」という意味です。
nothing but A = only A です。
(2)
anything but Aは「A以外の何でもだ」→「決してAではない」という意味です。
例えばanything but kindは「kind以外だったら何でも当てはまる」わけです。cleverでも,handsomeでも,もう何でも良い。でも,kindだけは当てはまらない。だから「決して親切ではない」というわけです。
ということでanything but A = far from A = not A at all です。
anything butのbut,far fromのfromは前置詞ですが,
anything but kind,far from kindのように,形容詞を目的語にできます(通例目的語になれるのは名詞・代名詞・動名詞)
anything but being kind,far from being kindのようにしなくてOKです。
さらに言うとfromは,
from behind「後ろから」,from above「上方から」
from behind the curtain「カーテンの後ろから」
のように,副詞・前置詞句も続けられ,守備範囲の広い前置詞です。from behind the curtainの場合は前置詞が2連続するので,「二重前置詞」と言われたりします。
until after midnight「真夜中過ぎまで」も二重前置詞の例です。
★2020年度東京大学二次試験4(A)の英文中にfrom across the worldという表現が登場しました。「世界中から(の)」という意味ですね!
(3)
最後におまけでマニアックな話を。
nothing but A = only A
という話をしましたが,単独のbut… も「…でしかない」という意味があります。
He is nothing but a child.「彼はほんの子どもだ」
He is but a child.「同上」(He is a mere child.)
「…以外」のbutに,否定するnothingが組み合わさって初めて「…でしかない」の意味になったはずなのに,butだけで「…でしかない」の意味になるなんて,不思議ですね!