emphasizeに比べてempathizeはかなりマイナーな語のため,empathizeを「強調する」と訳してしまう人は多いでしょう。ここまで紛らわしい単語があるとは思わないから油断しますよね。
形態素(接頭辞・接尾辞・語幹)に分解すると区別は容易になります。
(1)emphasize(emphasise)「強調する」
emphasizeは,phase「面,局面」が含まれています。そこから「ある面を強調する」と覚えて下さい。phaseに意識することは,この語を綴るヒントにもなります。
(2)empathize「感情移入する,共感する」
※empathize with Oで「Oに感情移入する」です。
empathizeはよく見ると語幹"path"「感情」が含まれています。やはりこの語を綴るヒントになりますね。
この語幹からは
sympathy「共感,同情」(sym「共・同」)
antipathy「反感」(anti「反」)
apathy「無感動」(a「無・非」)
pathetic「哀れな,情けない」
などが覚えられます。
サイコパスpsychopath,テレパシーtelepathyにも使われていますが,英単語path「小道,進路」は綴りが同じだけで無関係です。
紛らわしい単語を見たら,分解できないかよく見るようにしましょう。分解して覚えることは,単語を綴る際の手助けにもなります。Mediterranean「地中海の」という綴りが難しい単語も,medi(中)+terra(大地)を覚えておけば,あとはneanだけです。
学生時代,misledという語に出くわして,
「misleなんて動詞,知らねー」と焦ったのですが,
mis+ledに分解すれば,lead-led-ledなので,
これはmislead「誤った方向に導く」の過去形・過去分詞だったのでした。
misread「誤読する,誤解する」
mislead「誤解させる」
のどちらの可能性もあるので気をつけましょう。