フレイニャのブログ

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see to it that... やdepend on it that... の成り立ちを解説します

(1)see to it that... について

see to it that... とは「必ず……するよう気をつける,取り計らう」という意味で,make sure that...,make certain that...,ensure that... などとも言います。

なお,Make sure (that) he is dead.「確実に彼が死ぬようにしろ」のようにこれからのことを言うにも拘らず,that節内は現在形でOKです。 Make sure (that) the door is locked.「必ずドアに施錠しろ」です。なお make sure that... には「……であることを確かめる」という意味もあり,Make sure (that) he is dead. と言われた人がどっちの意味が分からず,彼を殺してしまうというジョークがあるそうです。

今回は make sure that... ではなく see to it that の成り立ちを解説するのがテーマですが,一応 make sure that... も考えておくと,

make O C「OをCにする」

→make O sure「Oを確実にする」

→Oにthat...「……であること」を入れ,

→make that... sure「……であることを確実にする・確かめる」

→窮屈すぎるのでthat... を後ろに回し(make C Oとし),

make sure that... です。

要するにOが十分長過ぎる時にOを後ろに回し,SVOC→SVCO とすることが許されているのです(SVCCVSも許されている。SVOの場合はOSV)。北欧神話の「Asgard Stories(20)」でもmake O ready「Oを準備する」→Oが長いためmake ready Oというのがありました。トールが花嫁に化けてロキと巨人の所へ行く話です。

 

ではsee to it that... の話に戻ります。 

(2)一部の前置詞を例外とし,that節は前置詞の後に書けない

that節はthatの直後に文(S V...)を書くもので,「……であること」という意味です。I think that...He said that... のthat... です。とても便利な表現ですが,一部の他動詞(likeやwantなど)やほとんどの前置詞の後に書くことはできません。

例外としてinと,「……以外」の意味のbut,except,saveはthat節が続けられます。

・in that...「……ということにおいて」

We differ from brutes in that we can think and speak.「我々は考え話すことができる(という)点で獣とは異なる」 

・but that...「……であることを除いて」

・except that...「 〃 」

・save that...「 〃 」(saveは古い言い方です)

in thatではthatは省略できませんが,but that,except thatはthatを省略できます。これが「しかし」です

・but that...「……であることを除き」 → but...「しかし……」

・except that...「……であることを除き」→ except...「ただし……」

We enjoyed ourselves but that we missed Tom.「我々はトムがいなくて寂しかった点を除いて楽しい時を過ごした」

We enjoyed ourselves, but we missed Tom.「我々は楽しい時を過ごしたが,トムがいなくて寂しかった」

これら以外では,前置詞の後にthat節は書けません。depend on himは「彼に頼る」ですが,×depend on that he will help us「彼が私達を助けてくれることに頼る」とは言えないのです。どうすればいいでしょうか? 

 

(3)that節の所をitで置き換え,that節は文末に(形式目的語)

前置詞の後にthat節が書けなくても,代名詞のitやthatは書けます。だからまずは前置詞の後にitを書いて,文末にthat節を書きましょう。

・depend on it that...「……ということを当てにする」

・see to it that...「必ず……となるよう取り計らう」

つまりsee to it that... は,see to...「……の面倒を見る,……を用意する」の後に直接that節が書けないため,いったん形式目的語のitを置いているのです。

・Rumor has it that...「……という噂である」(The rumor is that...,Rumor says that...) ※have it = say という説明もある

 

なお他にも,that節不可の場合に(迂回的に)that節に持ち込む方法を以下の記事で解説しているので,併せてご覧下さい。

www.freynya.com

butが「しかし」の意味になった経緯は以下の記事にも書いています。きっかけは映画『キス・オブ・ザ・ドラゴン』(ジェット・リーブリジット・フォンダ)でした。 

www.freynya.com

(4)make sure that... と take it for granted that... の奇妙な相違点

先ほど,make sure that... の成り立ちは,make O sureのOのところにthat節を入れて,make that... sureとするのが窮屈であるため,語順をSVOC→SVOCに変えてmake sure that... とするのだ,と解説しました。

でも窮屈な時はいったん仮目的語のitを置き,that節を後ろに回すのではなかったでしょうか? つまりmake it sure that... ではないのでしょうか? 事実take it for granted that... の成り立ちは,take O for granted「Oを当たり前だと考える」のOにthat節を入れるのが窮屈であるため,Oの所にitをいれ,take it for granted that... としていたのです。

take it for granted that... が正しいならば,make it sure that... であるべきで,

make sure that... が正しいならば,take for gtanted that... であるべきでは?

こう考えた人は賢明です。論理的にはどちらも正しいからです。たまたま下線部の方が定着したと言うほかありません。 take for granted that... と言っても通じはするはずです。それを言うなら(SVOC→SVCOがOKなら),find it difficult for O to-V「OがVするのは難しいと思う」も,find difficult for O to-Vで通じるはずです。

もしかしたら,この面倒な形式的itはなくなっていくかもしれませんね。

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