フレイニャのブログ

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東大の文法問題から表現を覚えましょう(17)

四阿

(16)に引き続き,(17)です。1980年のを見ます。

 

(A)

次の (a) 〜 (d) について,ア文の下線部分と同じ内容になるように,イの空所に適当な一語を補充せよ。解答はその一語だけを所定欄に記せ。

(a)

ア He had a secret, but did not let others know it till death.

イ but (   ) it to himself

 

(b)

ア He is certainly one of the best amateur players, but of course his skill is far surpassed by that of the professionals.

イ No doubt he ranks (   ) the best amateur players, but of course his skill is far (   ) the professional level.

 

(c)

ア As we lose interest in things other than the material, we become correspondingly less like human beings, and in that sense we lose humanity.

イ we become that (   ) less like human beings

 

(d)

ア Time was when the scientist and the poet walked hand in hand. In the universe which the one perceived the other found himself comfortably at home.

イ the other found nothing that made him (   ) at ease

 

(B)

下の語群 1 〜 7 の中から適当なものを選び,[   ] 内の語を名詞形に変えて,(a) 〜 (e) の文の空所に入れよ。解答はその名詞形だけを所定欄に記せ。

(a)

The green curtains seemed too bright to me (   ) the dull grey wall.

 

(b)

He has worked for the company thirty years, and the management is going to give him a gold watch (   ) his services.

 

(c)

Sailing in antiquity was a perilous venture, and it was the rule whenever possible to keep (   ) land, and anchor the ships at night.

 

(d)

A human body is a unit from the point of view of self-interest, and one cannot set the interest of the great toe (   ) that of the little finger.

 

(e)

 The house was old; under the clean white paint, the woodwork was cracked and worm-eaten. (   ) his uncertain tap with the knocker, a maid came to the door.

 

語群

1 in [acknowledge] of

2 in [compare] with

3 with the [except] of

4 in [oppose] to

5 in [respond] to

6 to the [satisfy] of

7 within [see] of

 

================

では解説に入ります。

(A)

次の (a) 〜 (d) について,ア文の下線部分と同じ内容になるように,イの空所に適当な一語を補充せよ。解答はその一語だけを所定欄に記せ。

(a)

ア He had a secret, but did not let others know it till death.

イ but (   ) it to himself

 

「彼にはある秘密があったが,それを死ぬまで他人に教えなかったなので

イの (   ) it to himself 「それを他人に教えなかった」「それを秘密にした」「それを胸にしまっておいた」みたいな意味になればOKです。

これはもう,答えズバリの表現を知っていることを求めています。

それは keep O to oneself「Oを秘密にしておく」です。よって答えは kept です。

なお keep O to oneself は keep O secret とも言います(この secret は形容詞)。ということは O が十分長ければ keep secret O とも言いそうですね。

 

(b)

ア He is certainly one of the best amateur players, but of course his skill is far surpassed by that of the professionals.

イ No doubt he ranks (   ) the best amateur players, but of course his skill is far (   ) the professional level.

 

「彼は確かに最高のアマチュア選手の1人だが,もちろん彼の技術はプロ選手の技術に遥かに負ける」なので,イ文がこの意味になれば良いわけですね。もう少し絞ると,

(甲)「彼は最高のアマチュア選手の1人だ」=he ranks (   ) the best amateur players

(乙)「彼の技術はプロ選手の技術に遥かに負ける」=his skill is far (   ) the professional level

 

(甲)については動詞 rank の使い方です。rank で「位置する,位置づけられる」という意味です(be ranked もあるが rank でもよい)

そして rank の後に「どこに位置づけられるか」を続けます。

rank No.1「1番に位置づけられる,ランキング1位である」(この No.1 は補語。rank as... という言い方もあり)

rank with...「……と同じランクである,……に匹敵する」

rank above...「……より上のランクである,……より格上である」

rank among...「[複数の物・者](と同等)に位置づけられる」

今回の(甲)は ranks among the best amateur players で,「最良のアマチュア選手に位置づけられる,最良のアマチュア選手と肩を並べる」です。among のイメージから,「……の間にいる,……と伍している」と理解して下さい。

 

(乙)については,「プロのレベルに負ける」とは「プロレベルの下」ですから,(甲)の rank で紹介した above の反対です。「下」には below, beneath, under がありますが,今回は level が使われているので,level と連語する場合は何が良いかまで考える必要があります(コロケーションの問題と言います)

Google では “below the level of...” がよくヒットするので,below で良さそうです。ただ under the level もないわけではないので,点が貰えたかもしれません。模範解は below としておきます。

his skill is far below the professional level 

 

(c)

ア As we lose interest in things other than the material, we become correspondingly less like human beings, and in that sense we lose humanity.

イ we become that (   ) less like human beings

ア文はやや難解ですが,「我々が物質以外の物事に関心を失うにつれ,我々はそれに応じて人間らしくはなくなり,その意味で我々は人間性を失う」です。

ところが下線部とイ文をよく見比べると ,

we become correspondingly less like human beings,

we become that (   ) less like human beings

correspondingly「それに応じて」が that (   ) とした時の (   ) には何が入るかという問題に過ぎません。ア文を訳す必要はなかったことになり,逆にア文を訳せても,correspondingly = that (   ) が解けなければ意味がないという,単なる知識だけの問題になってしまっています。

答えは that much「その分だけたくさん」「それほどたくさん」です。that は指示性のある副詞で「それほど」という意味です。

 

(d)

ア Time was when the scientist and the poet walked hand in hand. In the universe which the one perceived the other found himself comfortably at home.

イ the other found nothing that made him (   ) at ease

これもア文は難しげなことを言っていますが,下線部をイを比べるだけで解けてしまいます。下線部とイの主語は共に the other なので,これを消去すると,

ア found himself comfortably at home

イ found nothing that made him (   ) at ease

アの at home,イの at ease はともに「くつろいで」という意味です。アはおよそ「(快適に)くつろいだ」といった意味で,下は「自分を (  ) at ease にさせるものは見いださなかった」であり,要するに (  ) at ease の形で「くつろげない」の意味になればよい,もっと言えば at ease の反意形が言えればよいということになります。

例えば hardly at ease で「ほとんどくつろげない」ですが,有名な形は ill at ease です。要するに受験勉強を通じて ill at ease を知っていれば楽に解けるわけで,こういう表現をしっかり教えてくれる学校・予備校に行っていれば強かったということになりますし,自学する場合でも ill at ease レベルの表現が載っている熟語集をみっちりやっていれば対応できるでしょう。

なお否定という意味では not at ease,never at ease でも辻褄は合いますが,ill at ease が模範解,hardly at ease が許容解(これが書ける人は ill at ease が出てくると思いますが),not や never はもっと有名な形を知らなかったということで減点になるかもしれません。

 

(B)

下の語群 1 〜 7 の中から適当なものを選び,[   ] 内の語を名詞形に変えて,(a) 〜 (e) の文の空所に入れよ。解答はその名詞形だけを所定欄に記せ。

 

先ず[語群]の 1 〜 7 を先に正しい形に変えてしまいましょう。

1 in acknowledgment  of... [in acknowledgement  of...]「……への感謝の印として」

※本の最初によくある acknowledgments は「謝辞」です。 

2 in comparison with...「……と比べると」

3 with the exception of...「……を除いて,……は例外であるが」

4 in opposition to...「……に反対して」

5 in response to...「……に応じて,……に応えて」

6 to the satisfaction of...「……が満足するように,……が満足したことには」

※to ...'s satisfaction とも言い,to ...'s surprise「……が驚いたことには」と同系統です

7 within sight of...「……が見える所に」

 

(a)

The green curtains seemed too bright to me (   ) the dull grey wall.

「その緑のカーテンは私には明るすぎる」,また「暗い灰色の壁」とあるので,2 in comparison with...「……と比べると」でしょう。

 

(b)

He has worked for the company thirty years, and the management is going to give him a gold watch (   ) his services.

「彼はその会社に30年勤め,経営陣は彼に金時計を贈呈する予定だ」,また「彼の勤務(his services)」とあるので,1 in acknowledgment  of... [in acknowledgement  of...]「……への感謝の印として」でしょう。service に「勤務,兵役」の意味があることに注意です。

 

(c)

Sailing in antiquity was a perilous venture, and it was the rule whenever possible to keep (   ) land, and anchor the ships at night.

「古代の航海は危険な企てであり,可能な所どこにでも keep するのがルールであった」,また「土地(land)」とあるので,7 within sight of...「……が見える所に」でしょう。keep within sight of land で「土地が見える範囲内に留まる」ということです。

 

(d)

A human body is a unit from the point of view of self-interest, and one cannot set the interest of the great toe (   ) that of the little finger.

「人間の体は自己利益の観点から見て1つの単位であり,足の親指の利益を set することはできない」,また「手の小指のそれ(=利益)」とあるので,4 in opposition to...「……に反対して」でしょう。人間が物を食べたい時,口の喉も食道も胃も,物を食べるという1つの利益に役立とうとし,利益相反することはしません。もしその利益に反して食道が物を吐き出そうとすれば,それは正常ではない(食べ物が良くないか,その人が体調不良)ということですね。

 

(e)

The house was old; under the clean white paint, the woodwork was cracked and worm-eaten. (   ) his uncertain tap with the knocker, a maid came to the door.

「その家は古かった。綺麗な白のペンキの下に,木造部はヒビが入り,虫食いの跡があった」の部分は特にヒントにはなっていません。次の文,「彼の不安なノック」,また「メイドがドアのところに来た」 とあるので,5 in response to...「……に応じて,……に応えて」でしょう。

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今回の問題は英文の中で表現が問われているので,英文の意味が取れることに越したことはありませんが,むしろ熟語,表現の知識で解けるものが多かったですね。「知識偏重」といった貶し言葉が存在しますが,私は知識人にとって知識が豊富であることは当然大切であると考えます。つまり知識が十分条件ではないとしても,必要条件でないわけではないのです。

次回は1981年を見ます。

 

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