フロム・ソフトウェアの神ゲー「エルデンリング」をやっていて気付いた英語表現を取り上げて英語のお勉強の足しにするというコーナーです。(5)はこちら。
「動画そのn」とは私のゲーム実況動画のことです。実際にそこを観ていただくとセリフの音声も聞くことができます。
セリフ編
動画その48の4分30秒あたり
Do not recoil from my offer.
「なあに,躊躇することはないんだよ」
円卓にいる指読みエンヤのセリフです。
recoil from... は「(恐怖・嫌悪・驚きなどにより)……から後ずさりする」という意味です。よって上掲のセリフは「ビビって遠慮しなくていい」「ビビらなくていい」という意味です。recoil はやや難語ですが “re”=back で後退のニュアンスは分かりますね(again の意味もあり)
“coil”部分はたまたま coil「巻く,コイル(線輪)」と同綴になっただけなのですが,利用して「後ろに巻く」→「後退する」とイメージしましょう。
↓動画その48
動画その48の8分14秒あたり
Well that is something.
「ああ,それはすごいことだ」
イリス教会にいるトープスのセリフです。
something は「大したこと,大した人物(ひとかどの人物)」の意味があります。nothing は「何でもないこと,何でもない人」です。「何でもない人」は nobody とも言いますが nothing でも大丈夫です。日本語で「人」を「もの(者)」と言うように英語でも thing が「人,者」の意に使えるのです(Poor thing!/something of a musician)
動画その49の2分44秒あたり
Another fool who won't listen to reason, eh?
「貴公,忠告も聞けぬ愚者だったか」
Dのセリフです。前も言いましたが彼の声(Huw Parmenter)は好きです。
listen to reason は成句で「道理を聞き分ける」「道理が分かる」という意味です。ここの reason は「道理,理性」という意味なので「理由を聞く」と誤訳しないようにしましょう。
↓動画その49
動画その49の12分45秒あたり
Unless perhaps you are in search of instruction, in which case I will share all that I know.
「それとも,学びを探しておいでですかな であれば,私の知る限りを御仁にお伝えしましょう」
結びの教会のミリエルのセリフです。
unless は S V, unless S' V'. の形で「SVだ,尤もS'V'であれば別ですが」という意味になります。つまり厳密に直訳すれば「もっとも貴方がもしかして学びを探しているのなら話は別ですがね」となります。in search of...「……を探して」は of の部分が受験でよく問われる熟語です(for と間違いやすい)
..., in which case ~ は ..., and in that case ~ と言い換えられます。「(そして)その場合は~」ですね。面白いことに文を切っても In which case ~ と言うこともあります(In that case ~ でいいのに)。特に相手の話を引き継ぐ場合はそうですね。
動画その52の15分24秒あたり
All you can do is stand at a loss.
「あんたは,ただ立ち尽くすのさ」
ベイルム教会付近にいる指読み婆さんのセリフです。デクタスの大昇降機(Grand Lift of Dectus)に使う割符が揃っていない場合こう言われます。揃っていればセリフが変わります。
All S can do is to-V は「Sにできる全てのことはVすることだ」→「SにできることはVすることだけだ」です。また今回の例のように,to を省略して All S can do is V ともできます。stand at a loss は「途方に暮れて立ち尽くす」です。
↓動画その52
動画その53の3分35秒あたり
The vermin must be exterminated down to the very last.
「だからこそ,まず根絶せねばならぬのだ。一匹残らずな」
Dのセリフです。
vermin は「害虫」。「死に生きる者」のことを比喩的に言っています。exterminate は「根絶する,絶滅させる」。「ターミナル(終着駅)」のように term には「終わり,期日」といったイメージがあり,「完全に終わらせる」→「絶滅させる」とイメージしましょう。ex- を取った terminate もあり,こちらは「終わる,終わらせる」ですが,これが「ターミネーター」の元です。
down to... は「(下の方の)……に至るまで」です。
↓動画その53
名前編
動画その49の3分1秒あたり
I'll introduce to you Gurranq, the beast clergyman.
「獣の司祭,グラングを紹介してやろう」
Dが獣の司祭グラングを紹介してくれます。英語版だと「グランク(Gurranq)」なんですね。
clergy は「聖職者階級全体,聖職者たち」という意味の集合名詞です。「1人の聖職者」は clergyman です。同様の関係にあるのが a gang と a gangster(×gangstar)です。a gang は「ギャング団」,a gangster は「1人のギャング」です。
↓動画その49
==========
今回も7つ紹介できました。また貯まったら(7)として上げたいと思います。
↓(7) です