want+Vingは「Vされる必要がある」です。
This watch wants mending.「この時計は修理される必要がある」
以下の訳し方でも全く問題ないですね。
This watch wants mending.「この時計は修理する必要がある」
This watch wants mending.「この時計は修理が必要だ」
テストなどでは,分かっているアピールで「修理される必要がある」とわざとらしく訳すのもありでしょう。
直訳すれば,want+Vingは「Vする行為を欲している」です。
「修理する行為を欲している」→「修理を欲している」わけです。
wantはneed,requireとも言い,「Vする行為を必要としている・要求している」で「Vされる必要がある」というわけです。
そういう意味では,needs repairingをneeds repairment「修理を必要としている」と,本物の名詞を使っても通じるはずですよね。
実際ググってみると,needs repaimentの例はヒットします。
ただし上に,Did you mean: "needs repairing"
と表示されました。「もしかしてneeds repairingのこと?」と訊かれているわけですね。
このように動名詞の場合は受け身を明示せず(×want being repairedとせず),want repairingでよいのですが,to-Vの場合は受け身なら受け身を出す必要があります。
つまり,
This watch needs repairing.
=This watch needs to be repaired.
です。
『ウィズダム英和辞典』によると,アメリカ英語では上より下を好むそうです。
更に言えば,会話では受け身にしたいという理由がない限り,受け身にする必要はないのですから,
You need to repair this watch.
You have to repair this watch.
でよいでしょう。
追記
want Vingは「Vされる必要がある」ですが,
want O Ving「OにVしてほしい」という用法もあります。
want O to-Vに似ていますが,want O Vingは〈通例否定文〉で使い,例えば
I don't want O Vingで「OにVしてほしくない」「OにVされたくない」という使い方になります。『ウィズダム英和辞典』は「行為が進行中であることを暗示」とありますので,既にやられてしまっている行為について,それはされたくない,と言う時に使うのでしょうね。例えば
I don't want him saying such things. で「彼にそんな事を言われたくない」ですね。
最後に,won't (=will not)とwantの発音の違いを確認しておきましょう。
・won't (=will not)は(アメリカ英語) /woʊnt/,(イギリス英語)/wəʊnt/
・wantは(アメリカ英語)/wɑ(ː)nt/,(イギリス英語)/wɔnt/
won'tは「ウォウント」と「オウ /oʊ/」をはっきり出し,
wantはアメリカ式に「ワント」とすると良いかもしれませんね。「アイワナ(I wanna)」みたいな言い方もありますし。