bearとbare「裸の」,fairとfare「運賃」,hairとhare「野うさぎ」,pear「梨」とpairとpare「皮をむく」のように,/-eər/という発音の単語には2種類以上の物がある場合があり,その中でwearとwareを取り上げます。日本語で「ウェア」と言われる英単語には2つあるのです(すみませんwhereもありました)
(1)wear「身につけている」「すり切れる・すり減らす」「衣類」
「身につける」動作はput onで,身につけた後の「身につけている」状態がwearです。
He wears glasses. ともHe is wearing glasses. とも言えますが,進行形は一時的着用状態です。また,「髪を伸ばしている」「髭をたくわえている」「香水を身に着けている」場合もwearが使えます。
さらにwear A to B「Aを着てBに行く」は便利です。
What should I wear to the party tonight?「今夜のパーティに何を着ていけばいい?」
のように言えます。
そしてこのwearがそのまま名詞になり,underwear「下着」,sports wearなどの複合語を作ります。不可算名詞なので気をつけて下さい。
「テニスウェア」はtennis clothesが130万件,tennis wearが80万件,tennis clothingが70万件,tennis apparelが50万件でした。apparelやclothingは堅めな語ですが,であるがゆえにちょっとした高級感を与えるかもしれません。tennis clothesとtennis clothingを併せていいなら200万件です。
さてこれに何となく似ていて紛らわしいのがwareですね。
(2)ware「商品,……製品」
silverware「銀食器」
kitchenware「台所用品」
software「ソフトウェア」
※“mal”は「悪」
warehouse「倉庫」
テニスウェアも広い意味でテニス「用品」ですが,テニスウェア(=wear)とキッチンウェア(=ware)の「ウェア」は違うのですね。
ところで,ふと思ったのですが「ウェアウルフ(人狼)」の「ウェア」は何なのでしょう?×warewolfではないようで,調べたらwerewolfでした(ウェアウルフまたは動詞のwereのようにワーウルフと発音)
このwereの語源は動詞のwereとは無関係(「だった狼」ではない)の語源で,werewolfの “were” の語源は「人間」なのだそうです。
といっても現代英語にwereっぽい綴りで人間を意味する語なんて無いしなぁ
と思ってetymologyの解説を読んでいると,なんとworld(ドイツ語はWelt)がこれを語源とするそうです!
いやー,ワーウルフとワールドが同語源なんて胸熱(大袈裟)ですね!