まずmigrateから確認します。
migrate「移住する,(鳥が)渡る,(菌が)転移する」
migratory birdsは「渡り鳥」です。
上の2語はmiを「マイ」と発音します(/máɪɡreɪt/ /máɪɡrətɔːri/)
そしてmigrateに接頭辞を付けて方向まで指定したのが,
immigrate「海外から国内に移住してくる」
immigrationは名詞形,immigrantはそういう人
emigrate「国内から海外に移住する」
emigrationは名詞形,emigrantはそういう人
です。アクセントが語頭に移動した結果,先ほど「マイ」と言っていた所は「ミ」になります(/ɪmɪɡreɪt/ /emɪɡreɪt/)
どうしてimmigrateはmが2つで,emigrateはmが1つなのでしょうか?
それぞれの語についている接頭辞“im”と“e”はそれぞれ“in”と“ex”の別形であり,
“in”はb, m, pの前では“im”
“ex”はb, m, p, d, g, h, l, n, r, vの前では“e”
となるからです。理由は発音のしやすさですね。日本語でも「新聞」はローマ字でshimbunと綴ったりしますし「心配」もshimpaiと綴ったほうが近いです。
mの前では im- となるために,mが2連続するのですね。
なお“ex”はfの前では“ef”となるため,effort(力をfort+出すef=ex)のようにfが2連続します。b, m, p, d, g, h, l, n, r, vの前では“e”というのを幾つか見ると,
educate「教育する」(dの前だから“ex=e”)
※家庭にいた子どもを社会へつまり「外へ(e)導く(duce)」ということです。
eliminate「排除する」(lの前だから“ex=e”)
※limitの外へ(e)ということで「排除する」です。
eloquent「雄弁な」(lの前だから“ex=e”)
※20/2/26の記事で紹介しました。
enormous「異常に大きな」(nの前だから“ex=e”)
※基準(norm)を外れて(e)いるので「莫大な」です。
eradicate「根絶する」(rの前だから“ex=e”)
※“radi”は「根」ですね(radicalは「根本的な」)。これにeが付いて「根から抜く」
evaporate「蒸発する」(vの前だから“ex=e”)
※vaporは「蒸気」です。これにeが付いて「蒸発する」です。vaporizeとも言います。
なお「元の」「前〜」を意味するex-はこのルールに従いませんので,ex-wife「前妻」,ex-husband,ex-presidentのようになります。
in→imに関して注意すべきはinmateですね。mateの前なのにinのままです。
inmateは「中(in)のダチ(mate)」ということで「囚人」です笑
immerse「没頭させる,浸す」や今回のimmigrantは“im”です。
なお,immediateやimmortal,immoralの“im”は〈打ち消しのin〉ですが,やはり“im”になっていますね。
ところでembody「具体化する」はどうでしょう?
「bの前はeじゃなかった? emって?」
これは今回の“ex=e”ではなく,enrichやbroadenの“en”です。ファイナルファンタジーで言うと「エンファイア」や「エンハンスソード」の「エン」ですね。次回はこれをやりたいと思います。
と書きましたが,先ほど知人(のお子様)英語の質問を受けましたので,明日はそれに答える内容とし,en=emの話はその次にしたいと思います。