フレイニャのブログ

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古文のお勉強1:『枕草子』第一段

古文・漢文を勉強することを思い立ちました。そのきっかけについては,お察さないで下さい笑

まずは中学でもやる『枕草子』(清少納言)で勉強していきます。ウィキソースに(全部ではないようですが)原文があるのでこれを使います。

勉強のためなので,文学的解釈などは加えず,最低限の意味(最悪の場合,要旨のみ)を取っていきます。辞書はウィクショナリーを引きます。

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春は、あけぼの(曙=夜明け頃)。やうやう(だんだん)白くなりゆく山ぎは(山際)少し明りて(明るくなって)紫だちたる雲の細くたなびきたる。

やうやうは「漸(ようや)く」と関係。漸次(ぜんじ)も「次第に」の意味

「明りて」に困ったが,「明かる」(明るくなる)という動詞があるらしい。他にも「赤る」(赤らむ)や「(あか)る・(あか)る」がある。「明かる」と「赤る」は活用が同じだが「離る・別る」は違う活用

「明く」という動詞もあり「明ける」の意味

「明かる」の活用:ら,り,る,る,れ,れ(四段活用)

「あり」の活用:ら,り,,る,れ,れ(赤い部分の終止形のみ四段活用と違います)

「明く」の活用:け,け,く,くる,くれ,けよ(下二段活用)

「離る」の活用:れ,れ,る,るる,るれ,れよ(下二段活用)

※「明くる朝」の「明くる」が連体形の例ですかね

紫色がかった雲(紫雲)はめでたい物(瑞兆)とされているそうです

ja.wikipedia.org

「棚引きたる」の「たる」ですが,「たり」には2つあるらしく,連用形に付いていれば「存続・完了」,連体形や体言に付いていれば「断定」(○○守たりし時……)のようです。「棚引き」は連用形なので「存続・完了」で「棚引いている」でしょう。さらに重要なことに「たる」は「たり」の連体形です。文末を連体形で終えていることになり,だから「棚引いているのが良い」とよく訳されるのでしょう

 

夏は、夜。月の頃はさらなり(言うまでもない)。闇もなほ。螢の多く飛び違ひ(飛び交う)たる(っているのが)。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし(趣がある)。雨など降るもをかし。

「さらなり」は「更に良い」の意味と思ったら「言うまでもない」(言えばさらなり)らしい。なお,「さらに+打消」は「全く~ない(さらさら~ない)」の意味らしい

「なほ」は「なお」です。「闇もなお一層よい」と思いましたが,「闇もやはり良い」ということ? 「なほ」は「それでもやはり」「依然として」もあるらしく,「一層」の意味と「やはり」「依然として」の意味を持つ still に似ていますね。

「うち光る」の「うち(打ち)」は「ちょっと」の意味にも「すっかり」の意味にもなるようで困ります……。「ほのかに」があるので「ほのかにうち光る」は「ぼんやりと光る」ということ? 蛍をイメージすると分かりますね

「宮中・内裏・帝」を意味する「内」もある

「行くも」「降るも」は「行くのも」「降るのも」で,古文ではこの「の」の省略は多いそうです

 

秋は、夕暮。夕日のさして、山の端(山の稜線)いと(大変)近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへ(飛び急ぐのさえ)あはれなり(心にしみる)。まいて(ましてのイ音便)雁などの列ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた(また)いふべきにあらず(言うまでもない)

山際は山と空の境界の空側,山の端は山と空の境界の山側だそうです

「山の端いと近うなりたる」は「何が何に近いのか」のが分かりにくいのですが,「夕日のさして(夕日がさして)の続きなので,「夕日がさして,夕日が山の端に近づく」(日が山の向こうに落ちようとしている)ということでしょうかね

「飛び急ぐさえ」→「飛び急ぐさえ」のような「の」の省略は古文では多いそうです。主語を表す「が」も省略されやすいということです

イ音便で分かりやすいのは「書きて」→「書いて」です。それが古文では「まして」→「まいて」にも現れるわけですね。埼玉も「さきたま」のイ音便で,平安時代に「佐以多万」という表記があることから,この時代に「さいたま」化していますね(ウィキペディアより

「はた(将)」は「また,やはり」だそうです

 

冬は、つとめて(早朝)。雪の降りたる(降っているの)はいふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでも(またそうでなくとも)、いと寒きに、火など急ぎ熾(おこ)して、炭もて渡る(移動する)も、いとつきづきし(ぴったりだ,しっくりくる)。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば(暖かくなっていくと)、火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし(見っともない)

「つとめて」は「早朝,翌朝」です。「早い」を意味する「(つと)」が関係しているようです。『更級日記』に「十七日のつとめて立つ」(十七日の早朝に出立)という表現があります

「降りたる」は先ほどの「棚引きたる」と同じで,「たり」の連体形ですね

「さらで」=「そうでなくて」を覚えておけば,「さらでも」=「そうでなくても」です。「ない(ず)」に当たる語がないから直感的にこれを補って読むのが難しいですが,「未然形+で」に打消の意味があります。「さらで」は「さ+あら+で」から来ており,「あら」が「あり」の未然形なので打消の意味が出てくるということです

「渡るも」の「も」は「もまた」の係助詞「も」(係り結びはしない係助詞?)だと思いますが,この「も」に繋がっている「渡る」は終止形ではなく連体形ですね。係助詞の「も」は様々な語に付くようですが,連体形にも付くとあります。「す」は終止形が「す」,連体形が「する」ですが,「も」に繋がる時はたしかに「するも」ですね

「つきづきし」は「付き付きし」です

「ゆるぶ」は「緩む」です。寒さが緩くなる,和らぐということでしょうね

「緩ぶ」の活用:ば,び,ぶ,ぶ,べ,べ(四段活用)

「わろし」は「悪い」ですが,灰が多くなってきた火桶を持って歩いているのがバツが悪いということでしょうかね(晴なのに傘を持って歩いているみたいな?)

「わろし」の活用:(く・)から,く・かり,し,き・かる,けれ,かれ(ク活用,下線部はカリ活用とも言い,助動詞に付く時の活用)

連用形「わろかり」の例:わろかりなむ(「な」は連用形に付く強意の助動詞「ぬ」の未然形,「む」は未然形に付く推量の助動詞「む」の終止形または連体形)

この助動詞「なむ(な+む)」と違って願望の終助詞の「なむ」があり,未然形に付くらしい(あらなむ=あってほしい)。未然形にも連用形にも付いていない場合は,強調の係助詞の「なむ」(係り結びを起こすぞ・なむ・や・か・こそ)らしい(○○なむありける)

「あらなむ」=あってほしい(未然形あら+終助詞のなむ)

「ありなむ」=きっとあるだろう(連用形あり+助動詞ぬの未然形な+助動詞む)

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~~おまけの単語勉強~~

「ののしる」(四段活用)は「大騒ぎする,大きな音を立てる」「評判だ」「勢力を振るう」という意味らしい。「ののしりたまう光源氏」=「評判になっていらっしゃる光源氏

「なまめかし」は「色っぽい」(現代語と同じ)のほか「みずみずしい,若々しい,上品な」の意味に注意。覚え方:「なま」は「生」であり「初々しさ」を示す

「むつかし」は「難しい」ではなく「気味が悪い,不快だ,煩わしい」の意味。覚え方:「赤ちゃんがむずかる(むつかる)」

「松」には「松」のほか「門松」「松明(たいまつ)」の意味があるらしい。文脈に注意?

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ウィキソースに第二段もあるので,次回は第二段に入ります。

清少納言(966頃~1025頃)は清原元輔の娘らしいです。一条天皇の皇后・藤原定子に仕えて宮仕えをしました

↓次回はこちら

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