フレイニャのブログ

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東大の文法問題から表現を覚えましょう(31)2011年度

四阿

(30)に引き続き,(31)です。2011年のを見ます。

 

(1)~(5)の各文には文法上,取り除かなければならない語が一語ずつある。該当する語とその直後の一語,あわせて二語をその順に記せ。文の最後の語を取り除かねばならない場合は,該当する語と×(バツ)を記せ。

 

例えば取り除くべき語が that だったとして,that が文中に2つあればどっちの that か分かるようにするため,「その直後の一語」も書くよう指示がついたと思われます。

なお(1)~(5)の文は内容的に繋がっていないようです。

 

(1) Among the many consequences of those political developments was for one that in the end turned out to be too complicated for the government to handle.

(2) The sacrifices that the two countries have been told they must make are to restore stability to the world economy are almost if not completely the opposite of each other.

(3) Not only did the country became economically successful, but its citizens achieved some level of psychological unity as a people, despite the fact that they became consisted of several distinct ethnic groups.

(4) Science sometimes simplifies things by producing theories that reduce to the same law phenomena previously considered were unrelated --- thus clarifying our understanding of the apparent complexity of the universe.

(5) However hard it may have had been to justify the prime minister's support for those groups, she proved herself to be a person of principle by continuing to hold this position despite considerable opposition during the next decade.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では解説します。

(1) Among the many consequences of those political developments was for one that in the end turned out to be too complicated for the government to handle.

まず Among ~構文を解説します。

Among ... is S.「S が……の中にある」「……の中に S がある」→「……の1つに S がある」

これは There is S. と同じ倒置構文です。

 

便宜上 Among を One of と置換して

One of  ... is C.「……の1つが C である」

と読むことも可能です。

よって S,あるいは C は名詞でなければなりません。ところが was の後の for one は名詞ではありませんね。仮に for one が「人にとって」という意味の割り込みだったとすると,that が S や C にあたる名詞ということになりますが,この that は that turned out to be... と繋がっており,関係代名詞です。よって for を削除して one that... とし,one が S や C に当たる名詞,that... がこの one を修飾する関係代名詞とするのが正解です。

Among the many consequences of those political developments was one that in the end turned out to be too complicated for the government to handle.

「これらの政治的発展の帰結は多くあるが,その一つに,政府が扱うには複雑すぎると最終的に判明した帰結があった」

 

 

(2) The sacrifices that the two countries have been told they must make are to restore stability to the world economy are almost if not completely the opposite of each other.

The sacrifices that the two countries have been told they must make までは問題ありません。The sacrifices that they must make で「その2国が払わなければならない犠牲は」ですが,これに the two countries have been told が〈関係詞連鎖〉として割り込んでおり,The sacrifices that <the two countries have been told> they must makeその2国が払わなければならない<とその2国が言われた>犠牲は」です。

次の are to... に引っかかる点があります。The sacrifices are to restore... となるならば,主語は複数なのだから

The sacrifices are to restore..., and to-V1.「犠牲はrestoreすることと,V1することである」だとか,

The sacrifices are to restore..., to-V1, and to-V2.「犠牲はrestoreすることと,V1すること,そしてV2することである」のように2つ以上の行為がなければなりません。しかし読み進めてもそうなっていないのです。

しかしそれでも,The sacrifices are to restore...「犠牲はrestoreすることである」が正しいとして読み進めてみましょう。何を restore「回復」するかというと stability to the world economy「世界経済に安定を」です。「犠牲は,世界経済に安定を取り戻すことである」となります。

しかしこのあとの are はあり得ませんね。しかしここで怖いのは,「この are(world economy の直後の are)が削除すべき語だ!」と即断してしまうことですね。東大は巧妙な罠を張っています。

The sacrifices that the two countries have been told they must make are to restore stability to the world economy are almost if not completely the opposite of each other.

下線を引いたように2つも are があるのがおかしい,と多くの受験生が気付けても,削除すべきは後ろの are ではなく前の方の are だと気付ける人はかなり減ってしまうでしょう。前の方の are があって良い場合,先ほど検討したように,are なのに犠牲が1つ(to restore)しか書いてないことがやはりおかしいのです。

正解は前の方の are を削除することなのですが,この場合 to restore はどういうことになるのでしょうか。are「である」がなくなることで,to restore は「回復すること」(名詞的用法)ではなく「回復するために」(副詞的用法)になります。一気に全訳も取ってみましょう。

The sacrifices that the two countries have been told they must make to restore stability to the world economy are <almost if not completely> the opposite of each other.

「世界経済に安定を取り戻す為にその2国が払わなければならないとその2国が言われた犠牲は,<完全にとは言わないまでも,ほとんど>互いに正反対のものであった。

if not... は「もし……でなければ」「たとえ……でなくても」「……とは言わないまでも」ですので almost if not completely は「完全ではなくともほとんど」です。

2国がしなければならないと言われたことは世界経済を安定させる為の2つの行為であり,それは互いに矛盾するような行為であったということですね。どの国でどんな行為なのか知りたい😅

なお関係詞連鎖については以下に記事を書いています。

www.freynya.com

 

(3) Not only did the country became economically successful, but its citizens achieved some level of psychological unity as a people, despite the fact that they became consisted of several distinct ethnic groups.

あらかじめ太字にしておきましたが not only ... but (also) ~が使われており,as a people までの和訳は「国が経済的に繁栄したのみならず,その国民は国民としての心理的な団結を一定程度達成した」です。誤りはありません。

despite the fact that...「……という事実にもかかわらず」は実質的に though...「……であるにもかかわらず」と同義です。

they became consisted of several distinct ethnic groups に誤りがあります。consist of...「……から成っている」は場合によっては中学生でも知っているのではないでしょうか(高校入試でも出るのでは)。consist が動詞なのですから became が不要です。

 

 

(4) Science sometimes simplifies things by producing theories that reduce to the same law phenomena previously considered were unrelated --- thus clarifying our understanding of the apparent complexity of the universe.

文全体は難しいですが,答え自体はそれほどでもありません。

consider O C = consider O to be C「O を C とみなす」という語法があります。これを受け身にすると,be considered C = be considered to be C「C とみなされている」です。つまり considered のすぐ後に〈何とみなされているか〉が書けるのです。その知識の元に phenomena previously considered were unrelated を見ると,were が余計ですね。were を削除するのが正解です。phenomena previously considered unrelated「以前は無関係とみなされていた諸現象」です。

しかし本問は phenomena「諸現象」の辺りまでが難しいですね。それは reduce の語法が関係しています。reduce A to B で「A を B に変える」という意味ですが,A が長い場合,「頭でっかち」ならぬ「お腹ボヨヨーン」になるので,reduce to B A とすることが可能です。つまり reduce to the same law phenomena previously considered unrelated reduce phenomena previously considered unrelated to the same law「以前は無関係とみなされていた諸現象を,同じ法則に変える(落とし込む?)」のことなのでした。

 

 

(5) However hard it may have had been to justify the prime minister's support for those groups, she proved herself to be a person of principle by continuing to hold this position despite considerable opposition during the next decade.

これはさすがに違和感ありありだと思います。may have had はあります。しかし have had been はおかしいでしょう。でもこれだけだと馬鹿みたいな問題ですね。引っ掛けがあります。早まって been を削除してはなりません。had の方を削除して may have been とすることも可能です。

・been を削除して may have had とする。

・had を削除して may have been とする。

この2択を解くことを求めていたのです。でもこの2択であることさえ気づけば,その答えは簡単ですね。hard「難しい」に続けるための be 動詞が必要ですので,had を削除して may have been とするのが正解です。もちろん work hard という言い方はあるので However hard he may have worked という言い方はあるかもしれませんが,今回は問題文に work の痕跡がないですね。

 

いかがでしたでしょうか。相当複雑な文を読まされるので,全体で10分は本当に可能なのかと思いますね。でも30分とかかけてしまったら絶対に失敗ですので,10分程度かけたら適当な単語を書いて切り上げ,他の問題に入りましょう。

 

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