フレイニャのブログ

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東大の文法問題から表現を覚えましょう(30)2010年度

四阿

(29)に引き続き,(30)です。2010年のを見ます。

 

(1)~(5)の各文には文法上,取り除かなければならない語が一語ずつある。その語を答えよ。

 

(1) Discovery is not the sort of process about finding which the question "Who discovered it?" is appropriately asked.

(2) Discovering a new phenomenon is necessarily a complex event, one of which involves recognizing both that something is and what it is.

(3) Science does and must continually try to bring theory and in fact into closer agreement, and that activity can be seen as testing or as a search for confirmation or disconfirmation.

(4) Discovery makes it possible for scientists to account for a wider range of natural phenomena or to account with greater precision for some of those were previously unknown.

(5) Newton's second law of motion, though it took centuries of difficult factual and theoretical research to achieve, behaves for those committed to Newton's theory seem very much like a purely logical statement that no amount of observation could prove wrong.

 

 

 

 

 

今回は「文脈上」という条件がありませんので,文法上おかしいところを検討することになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは解説します。

(1) Discovery is not the sort of process about finding which the question "Who discovered it?" is appropriately asked.

about までは問題ないでしょう。「発見とは,……に関する過程ではない」とかいった意味でしょう。今回は「文脈上」という指示がありませんので,not を削除して「過程である」にする,なんてことは考えなくて良いです。

about finding は「見つけることについて(の)」という意味ですが,process about finding「見つけることについての過程」というのはちょっと引っ掛かりますね。process of finding「見つけるという過程」なら違和感ないのですが。

一旦読み進めましょう。するとおかしいのは,which を含んだ右側です。which を含まない右側(便宜上下線を引きました)は問題ありません。「『誰がそれを発見したのか?』という問いが適切になされる」「『誰がそれを発見したのか?』という問いがなされるのは適切だ」という意味です。

となるとこれに which が加わる余地はありませんね。which は疑問代名詞であれ関係代名詞であれ,主語または目的語として参加するべきものです。

Which is...? だったら主語だし,

Which do you like...? だったら like の目的語です。

which the question "Who discovered it?" is appropriately asked は下線部だけで過不足なく文が成立している以上,which が参加する場所はどこにもないのです。

では,which を消せば良いのでしょうか? which を消すと,

Discovery is not the sort of process about finding the question "Who discovered it?" is appropriately asked.

となり,下線部が文としてあるので,finding that... ということになります。

Discovery is not the sort of process about finding (that) the question "Who discovered it?" is appropriately asked.

「発見とは,『誰がそれを発見したのか?』という問いがなされるのは適切であることを発見することについての過程ではない」。うーん,何となく無茶苦茶な文である印象を受けますね。でも,これ以上検討する時間がないまま which を答えにしてしまう受験生もいるかもしれません。

正解は別にあります。

是非以下のことを知っておいて下さい。

関係代名詞の後に成立した文は書けないが,前置詞+関係代名詞の後なら成立した文が書ける。

つまり in which, with which, at which のようなものの後なら成立した文が続けられるのです。

This is the house in which I was born.「これは私が生まれた家だ」

This is the house in which I first met her.「これは私が初めて彼女に会った家だ」

上記の例において in which の後の下線部は成立した文ですね。

ということで答えは about finding which から finding を削除して about which とすることです。about which(前置詞+関係代名詞)の後には成立した文が続けられるのです。

Discovery is not the sort of process about which the question "Who discovered it?" is appropriately asked.

「発見とは,その発見について『誰がそれを発見したのか?』という問いがなされることが適切である過程ではない」です。

私の訳文の作り方が悪いかもしれませんが,要するにイイタイコトは「発見に関して,発見内容が重要であって発見者はどうでも良い」ということを言っているわけです。

 

 

(2) Discovering a new phenomenon is necessarily a complex event, one of which involves recognizing both that something is and what it is.

Discovering a new phenomenon is necessarily a complex event までは問題ありません。「新しい現象を発見することは,必然的に複雑な出来事である」です。

削除すべきは one 以下にあります。one of which という言い方もありますが one which, one in which という言い方もあります。今回 one of which が何故ダメかというと,one of which は「複数のもののうちの1つ」です。ところが a complex event は1つなので「1つのもののうちの1つ」になってしまっています。

one which... は「which 以下であるところのもの・それ」です。one は an event のことであり,「which 以下であるところの出来事」です。

Discovering a new phenomenon is necessarily a complex event, one which involves recognizing both that something is and what it is.「新しい現象を発見することは,必然的に複雑な出来事であり,何かが存在することと,それが何であるかの両方を認識することを含む出来事である」です。ということで one of which の of を消して下さい。

 

 

(3) Science does and must continually try to bring theory and in fact into closer agreement, and that activity can be seen as testing or as a search for confirmation or disconfirmation.

(1) で異様にくどく解説したのに,ここはあっさりですみません。theory and fact で「理論と事実」です。in fact の in を消して下さい。

Science does and must continually try to bring theory and fact into closer agreement

「科学は絶えず理論と事実を密接に一致させるようにすることであり,かつそうしなければならない」です。(5) の文中に difficult factual and theoretical research があり,fact(ual) と theory(theoretical) が並列になっているのもヒントになります。

なお私は本問のようなものを「熟語でっち上げパターン」と呼んでいます。theory and fact のような何の変哲もないところに in を挿入し,in fact という受験生なら誰でも知っている熟語をでっち上げ,受験生に「in fact ね,重要熟語ね」と疑わせない作戦です。

 

(4) Discovery makes it possible for scientists to account for a wider range of natural phenomena or to account with greater precision for some of those were previously unknown.

Discovery makes it possible for scientists to account for a wider range of natural phenomena までは問題ありません。「発見は可能にする。科学者がそれまでより広い範囲の自然現象を説明することを」です。account for... は「……を説明する,(割合)を占める」です。

or to account with greater precision for some of those までも問題ありません。account for... の間に with greater precision「一層の正確さでもって」→「ますます正確に」が割り込んでいるため一瞬読みにくいですが。

or to account <with greater precision> for some of those「またはますます正確に……ものの一部を説明することを(発見は可能にする)」です。

ということで,間違いは最後の those 以下にあります。those were previously unknown では文の形になっているので,of の後には書けません。正しくは those which were previously unknown か,逆に were を取って those previously unknown です。今回は削除問題ですので were を削除が正解です。

those who are present = those present「居合わせた者,出席者」

those which were unknown = those unknown「未知なるもの」

those who are committed to Newton's theory = those committed to Newton's theory「ニュートンの理論に関わる者」

 

 

(5) Newton's second law of motion, though it took centuries of difficult factual and theoretical research to achieve, behaves for those committed to Newton's theory seem very much like a purely logical statement that no amount of observation could prove wrong.

Newton's second law of motion, though it took centuries of difficult factual and theoretical research to achieve

ニュートンの運動の第二法則は,これが達成するのに何百年もの困難な事実及び理論の研究を要したにもかかわらず」までは問題ありません。少し難しいのは「時間がかかる」の It takes... において,It は形式主語として働くことも,名詞を指す指示代名詞として働くこともできます。もし it が形式主語ならば,it took centuries of difficult factual and theoretical research to achieve Newton's second law of motion すなわち it took centuries of difficult factual and theoretical research to achieve it となっていなければなりません。しかしこの take 構文は Newton's second law of motion took centuries of difficult factual and theoretical research to achieve ともできるので,it took centuries of difficult factual and theoretical research to achieve でよい(achieve の直後に it は不要)のです。

今の話はやや脱線でしたが,この後の behaves for those committed to Newton's theory seem very much like a purely logical statement に間違いがあります。for those committed to Newton's theory は「ニュートンの理論に関わる者たちにとって」という意味で割り込みなのでカッコすると,behaves <for those committed to Newton's theory> seem very much like a purely logical statement となり,behaves という動詞があるのにまた seem という動詞もあるというおかしなことになっています。どちらを取るかについては,behaves は三単現活用(主語が単数),seem は三単現活用なしです。文の主語は Newton's second law of motion という単数なので behaves が正しくて seem が要削除です。

 

いかがでしたでしょうか。「なぜこの語はあって良いのか」という全てのパターンを解説すると大変なことになるので,解説があっさりとしてしまった所もありますがご了承下さい。

次回は2011年度の予定です。

一通り目を通していただくとかなり力がつくと思われる「ガチ文法解説」です

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