フレイニャのブログ

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東大の文法問題から表現を覚えましょう(29)2009年度

四阿

(28)に引き続き,(29)です。2009年のを見ます。

 

(1)~(5)の各文には文法上あるいは文脈上取り除かなければならない語が一語ずつある。その語を答えよ。

 

  (1) If you were asked to fall backward into the arms of a stranger, would you have trust the other person to catch you? (2) Such an exercise, which is sometimes used in psychology,  is a bit extreme, but every day most people put on some degree of trust in individuals they do not know. (3) Unlike other animals, we humans tend to spend a great deal of time around all others who are unknown to us. (4) Those who live in cities, for example, regularly find their way through a sea of strangers, deciding to avoid certain familiar individuals they feel are not safe. (5) They are equally good at identifying others who will, say, give accurate directions to some destination or other who will, at the very least, not actually attack them.

 

 

 

 

 

東大英語は120分で120点であり,1分=1点の原則が成り立ちます。この英文法問題(第4問A)は2点×5小問で10点と推測されています。よって全体を10分で解くことが理想です。間違っても30分とか掛けてはなりません(他の問題を解く時間がなくなる)。本番で絶対に10分しか掛けずに切り上げる方法はあるでしょうか? 時計を測り,10分経ったら途中でも止めることです。その際は解き残しを白紙にせずに,適当な語を書いておきましょう。

 

 

 

 

 

 

では解説します。

(1) If you were asked to fall backward into the arms of a stranger, would you have trust the other person to catch you?

If you were asked...「仮に頼まれたなら(尋ねられたなら)」は過去形の were を使っており十中八九仮定法ですね。もう,パターンを覚えてしまったらいかがでしょう?

If you were asked to V1, would you V2?「仮に V1 するよう頼まれたら,貴方は V2 するでしょうか?」

If you had a million yen, what would you buy?「仮に百万円持っていたら,貴方は何を買いますか?」

尚これらは仮定法過去というものを使っており,今/これからの事実に反する仮定に使います。過去の事実に反する仮定には,以下のように仮定法過去完了を使います。

If you had had a million yen, what would you have bought?「仮に(あの時)百万円持っていたら,(その時)貴方は何を買ったでしょうか?」

このように左右とも完了形になっています。

さてここで問題文を見てみましょう。

If you were asked to fall backward..., would you have trust the other person...?「もし貴方が……後方に倒れるよう頼まれたら,貴方は他人を信頼したでしょうか?」

カンマの右が would you have trust と無駄に完了形になっていませんか? ここでは今/これからの仮定をしているので完了形にする必要はなく,have を削除して

If you were asked to fall backward..., would you trust the other person...?「もし貴方が……後方に倒れるよう頼まれたら,貴方は他人を信頼するでしょうか?」

でいいのです。

……というか trust って trust - trusted - trusted という活用ですね。だから would have trust という形自体が誤りだから,would trust とするしかないんですね😅

 

(2) Such an exercise, which is sometimes used in psychology,  is a bit extreme, but every day most people put on some degree of trust in individuals they do not know.

例えば weather は不可算名詞ですから❌such a weather は誤りで⭕️such weather が正しいです。但し exercise は可算用法も不可算用法もあるので,⭕️such an exercise という形はあり得ます。Such an exercise, which is sometimes used in psychology,  is a bit extreme, but」そのような問題は心理学で使われることがあるが,少々極端であるが」までに誤りはありません。most people 以下に誤りがあります。put on some degree of trust「ある程度の信頼を put on する」とはどういう意味でしょうか? put on は「身につける(眼鏡をかける,指輪を嵌めるなども含む)」という意味が一番有名ですが,やはり「信頼を put on する」というのは意味が分かりませんね。続きを読んでみましょう。すると put on some degree of trust in individuals they do not know「知らない個人の中に,ある程度の信頼を put on する」です。ここでピンと来て欲しいのが,日本語でも「信頼を置く」という言い方があることです。もちろん日本語の発想を英語に当てはめるのは危険なこともあり,それを利用した引っ掛け問題もありますが,発想が似通っていることもあります。もし put on ではなく,もっと基本的な put「置く」だったら,most people put some degree of trust in individuals they do not know「大抵の人は知らない人にもある程度の信頼を置いている」となり,これが正解です。手元の『ジーニアス英和辞典』を引くと,put O1 in O2 で「O2〈人・物〉に O1〈信頼・希望〉を託す」として載っていました。

 

(3) Unlike other animals, we humans tend to spend a great deal of time around all others who are unknown to us.

これはちょっとモヤッとする問題です。all others who are unknown to us「私達が知らない全ての他の人々」がおかしいので,all を削除して others who are unknown to us「私達が知らない他の人々」にするというのです。all others という言い方自体はあるので,「全ての」の意味がついていることがおかしいということでしょうかね。他人の全てが知らない人ではない。他人にも知っている人はいるだろうと……

 

(4) Those who live in cities, for example, regularly find their way through a sea of strangers, deciding to avoid certain familiar individuals they feel are not safe.

これは (3) ほどモヤモヤしません。(3) と同様,余計な形容詞を削除するのが正解です。avoid certain familiar individuals they feel are not safe「安全でない,と彼らが感じる馴染みのある個人を避ける」の familiar「馴染みのある」が「安全でないと感じる」と形容矛盾を起こしています。familiar を削除すれば avoid certain individuals they feel are not safe「安全でない,と彼らが感じる個人を避ける」となり意味が通ります。

この形容矛盾に気づかなかった生徒は,they feel are の are を削除してしまうミスがありますが,これでは「関係詞連鎖を知らないことの自白」になってしまいます。

関係詞連鎖とは,関係詞節中に I think「と私が思う」,they feel「と彼らが感じる」のようなものが挿入されているかの如く見えるものです(”かの如く見える” と言ったのは,厳密には挿入ではないからです)

certain individuals who are not safe「安全でない,ある個人達」

certain individuals who they feel are not safe「安全でない,と彼らが感じる,ある個人達」

certain individuals (who) they feel are not safe「安全でない,と彼らが感じる,ある個人達」

certain individuals they feel are not safe「安全でない,と彼らが感じる,ある個人達」

同情すべきは上記のように関係詞連鎖の結果,消えないはずの主格の関係代名詞 who が消えてしまった点ですね。

↓関係詞連鎖は(挿入でないことも含めて)以下の記事で解説しています。

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(5) They are equally good at identifying others who will, say, give accurate directions to some destination or other who will, at the very least, not actually attack them.

これはちょっとパズルめいた問題ですが,流石によく見ると1回目(下線部分)は others who will なのに,2回目(下線かつ斜体部分)は other who will と s がなくなっているのは変,と思えるでしょう。そこで,

others who will V1 or others who will V2

は,

others who will V1 or who will V2

でも良いことに気づき,other を削除するのが正解です。でも,なんでこんな変な問題を出したのか分からない(出題意図が分からない)かも知れませんね。実は some ... or other「何らかの……」という言い方があるんです。つまりここでは some destination or other「いずこかの目的地」と読めてしまうんですね。それで混乱させる狙いでした。

 

 

いかがでしたでしょうか。やっぱり近年のものは難しくなっていますね。この第4問 (A) は

・10分以上かけずして

・6割(6点)を確保する

のが目標ですが,4割とかになってしまう可能性もありました。

 

次回は2010年度を見ます。

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