フレイニャのブログ

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アルスターの猟犬(29)

アルスターの猟犬(28)」の続きです。第12章の途中です。

 

“Truly I well believe it,” Fergus said. “Too well I know what straits for food and drink have fallen on thee in this raid, and well I know thy hospitable mind. But at this time we seek not food and drink, nor can we stay for combats or for rest; I come at Ailill’s and at Meave’s command, to tell thee what we think are thy conditions, and that we will hold and keep to them.”

“I too will keep the compact brought by Fergus’ hand, and to the letter I will carry it out,” the hero said; “only abide awhile with me, and let us waste a little time in talk of olden days.”

「いかにもそれを信じよう」フェルグスは言った。「お前がこの襲撃に際し,いかに食糧と飲み物に困窮しているか,よく分かる。お前のもてなしの心もな。しかし今回は食糧や飲み物を探しに来たのではない。また戦闘や休息のために滞在することも出来ない。俺はアリルとメーヴの命令でやって来た。お前の言う条件が何であると我々が考えているか,お前に伝えるために。またそれを守るつもりもあることを伝えるために」

「僕もフェルグスの手によってもたらされた約定は守るつもりだよ。1文字も違わず守ってみせる」と英雄は言った。「ただしばらくは僕の所にとどまってよ。昔話をしてちょっと時間を潰そうよ」

・クー・フーリンもゲリラ戦ばかりして退屈していたようですね。

straitは「海峡,瀬戸」です。狭いことから「困窮」という意味が比喩的に派生します。

hospitable「温かくもてなす(形容詞)」はhospitalと同根ですが,hostileは「敵対的な」ですね。似た感じの語なのに意味が反対なのは,「相手をしてやる」が共通点としてあるからです。「相手をしてやる」→「もてなす」「敵対する」です。

compactは「小型の(コンパクトな)」という意味のほか,「協定,合意」という意味があります。pact「協定,条約」と共に覚えておきましょう。おそらく「一緒に(com)詰める(pack)」ということだと思います。「一緒に詰める」から「小型の」,「一緒に詰める」から「協約」なのでしょう。

olden daysという言い方を初めて見ました。old daysの古めかしい言い方のようです。


“I dare not stay to talk at this time, O beloved foster-son,” Fergus replied; “the men of Erin doubt me, and will think that I am proving traitor to their cause, and betraying them to thee; for well they know I love thee, though, alas! at this time I am fighting with my country’s foes and thine. One thing I ask of thee for old affection’s sake, because thou art my pupil and my friend, that if at any moment in this war, thou and myself art found opposing each the other face to face, thou then wilt turn and flee before me, that upon my pupil and my foster-son I be not forced to redden my sword in fight. Promise me this.”

「今回は敢えて雑談はしない,愛する養子よ」フェルグスは答えた。「エリンの者達が俺を疑っていて,俺が彼らの大義に歯向かう裏切り者になり,彼らをお前に売り渡そうとしているときっと思っているのだ。つまり俺がお前を大事に思っていることを彼らはよく知っているのだ。ああしかし,今回俺は自分の国の敵,そしてお前の敵に味方しているのだ。かねての誼で,お前が俺の生徒で友であるがゆえに,お前に頼みたいことは1つ。この戦でいつ何時,お前と俺が面と向かって対峙するようなことがあれば,その時にはお前は振り返って俺のもとから逃げるのだ。俺の教え子と養子の血で俺の剣を赤く染めるようなことはさせない。これを約束してくれ」

・コノールとネス憎しで国を飛び出してみたものの,故郷の養子とは戦いたくない。フェルグスの悲哀が感じられますね。

willには〈未来の予想〉とは別に〈現在の推量〉があります。ここは「彼らは(これから)思うだろう」ではなく,「彼らは(今)きっと思っていることだろう」と訳します。

・prove Cはprove to be Cとも言い,「Cであると判明する」です。ここのprove traitorは「裏切り者であると判明する」です。「ある裏切り者」というより,「裏切り者の状態」「裏切り者の属性」ということなので,traitorが裸名詞(無冠詞単数)になっています。

redden one's swordは「剣を血で赤く染める」ということです。フェルグスは人並み外れた男ですが,クー・フーリンは半神半人なので,フェルグスが勝つとは限りませんがね。

 
“Though I be indeed thy pupil and thy foster-son,” replied the youth, “yet loth am I to promise this; never have I turned my back on any friend or foe, and to flee even before thee, O Fergus, likes me not. Ask me not this, but any other thing gladly and joyfully I grant to thee.” “No need for thee to feel like this,” Fergus replied; “no shame to thee is what I contemplate, but only that our ancient love and friendship be not marred. Do in this thing but what I ask, and I in my turn, in the final battle of the Raid, when thou art wounded sore and drenched with blood, will turn and flee from thee. And surely if the men of Erin see Fergus in flight, they too will fly, and all the host of Meave will scatter and disperse, like clouds before the sun.”

「確かに僕は父さんの生徒で養子だよ」若者は答えた。「それでもそれは約束したくないなぁ。友であろうが敵であろうが,背を向けたことはないんだ。フェルグス父さんであっても,逃げたくないよ。それは頼まないで,でも他のことなら何でも喜んで受け合うよ」「そんな風に感じずとも良い」フェルグスは答えた。「俺が考えているのはお前に恥をかかすことではない。ただ俺達の愛情と友情を傷つけてはならん。今回の件に関しては俺の言う通りにしてくれ。そうすれば俺が代わりに,この戦の最後の戦闘で,お前が傷つき血に塗れている時,お前のもとから逃げよう。そしてフェルグスが逃げているのをエリンの奴らが見れば,奴らも逃げよう。そしてメーヴの軍は太陽を迎えた雲のように雲散霧消しよう」

turn one's back on O「Oに背を向ける」は重要表現です。「見捨てる」の意にもなります。

contemplateは「強め(con)」+「寺(templ)」で「熟考する」です。「熟視する(見つめる)」の意にもなります。

・最後の決定的瞬間にわざとクー・フーリンから逃げてアイルランド軍の四散を誘う……これは完全に裏切りの示し合わせですね笑


“On these terms willingly I give my word; for so will Ulster profit by my flight. Now fare thee well, good Fergus. Bid the host of Meave to send their strongest and their best to combat with me, one by one, and I will give a good account to Ulster of them, or will die.” Then a right loving leave they took each of the other, and Fergus set out to return to the camp.
But the lad Etarcomal sat on still, looking at Cuchulain, and for the first time the hero noticed him.

「その条件は快く約束するよ。アルスターも僕が逃げることで得になるだろうから。じゃあフェルグス父さん,お元気で。メーヴの軍に,僕と一騎打ちする一番力持ちで一番腕の立つ奴を1人ずつ寄越すよう言ってね。そうすれば僕はアルスターに彼らのことを報告できる。死ななければね」そうして彼らは互いに心のこもった別れの挨拶を言って,フェルグスは陣営に戻る準備をした。

しかし若者エターコマルはまだクー・フーリンを見つめながら座っていた。そしてこのとき初めて英雄は彼に気づいた。

fare thee wellは「さらば」です。fareは「行く」,wellは「良く」で,「良く行けよ」です。

or will dieはもちろん「あるいは僕が死ぬだろう」です。「1人ずつ一騎打ちすればアルスターに彼らの報告ができるだろう,あるいは僕が(負けて)死ぬだろう」ということですが,敢えて「僕が死ななければね」と訳してみました。

take leaveは「暇乞いをする,別れの挨拶をする」。重要表現です。

・エターコマルは何ページ,いや何行,生き延びるでしょうか。


“Who are you, and what are you staring at, fellow?” he asked. “I look at you,” he said. “You can see me easily enough, I am not very big. But if you knew it, little animals can be dangerous sometimes, and so can I. But now that you have had a good look at me, tell me what you think of me.”

「君は誰,何を見てるの?」彼は言った。「君を見てるんだよ」彼は答えた。「君もよく分かるだろうけど,僕はそんなに大きくない。でも知ってたら良いけど,小動物は時に危険になるんだ。僕もそうだよ。でも僕のことをたっぷり観察したから,僕の印象を聞かせてよ」

be staringbe startingと非常に見間違えやすいので気をつけてください。今回はstaringです。stare at Oで「Oをじっと見る,見つめる,睨む」です。


“I do not think much of you,” Etarcomal said. “You seem to me a very nice, wonderfully pretty youth and clever at playing sports and feats; but that anyone should think of you as a good warrior or a brave man, or should call you the ‘Hero of Valour’ or the ‘Hammer of Destruction,’ that I cannot understand. I do not know, indeed, why anyone should be afraid of you. I am not afraid of you at all.”

「別に何とも思わないよ」エターコマルは言った。「君は見たところとても好青年で,ルックスもとても良くてスポーツや早業は得意みたいだけど,みんなが君のことを優れた戦士とか,勇敢な男とか,『武勇の英雄』とか『破壊の槌』とか言うのは,分からないなぁ。実際僕には,なんでみんなが君を怖がっているのか分からないんだ。全然怖くないもの」

do not think much of... は「……を高く評価しない」です。 

anyoneは「誰もが,誰1人として」ですが,くだいて「みんな」と訳しています。


“I am aware,” said Cuchulain, “that you came hither under the protection of my master Fergus, and that he is surety for your safe return; but by the gods whom I adore, I swear that if it were not for the honour of Fergus, only your broken bones and disjointed members should have been sent back to Meave after those insolent words.”
“No need to threaten me,” said Etarcomal; “I was here when you made an agreement with Fergus to fight every day one of the men of Ireland. By that wonderful agreement that he made with you, none other of the men of Erin shall come to-morrow to meet you but only I myself. To-day I do not touch you, but let you live a little longer.”

「知ってるよ」クー・フーリンは言った。「君は僕の親父のフェルグスに守られてここにやって来たんだろ。フェルグスは君が安全に帰還する保証人なんだろ? でも僕が敬愛する神にかけて,フェルグスの名誉を重んじなければ,そんな生意気なことを言った後は体がボロボロのバラバラになってメーヴのもとに帰ることになってただろうね」「脅さなくてもいいよ」エターコマルは言った。「君がフェルグスと,アイルランドの戦士と毎日決闘する約束をしたのをここで聞いたんだ。彼が君と交わしたその素晴らしい約束で,明日君に会いにやって来るのは他でもない,僕自身だよ。今日は君に手を出さないよ。少しは長く生きさせてあげるよ」

・ハードル上げ過ぎと言うかフラグ立て過ぎと言うか・・・

・正直,surety(sure+abilityなどのty)という語を初めて見た気がします。「確実さ,保証,保証人」です。

if it were not for Oは高校生も習う「仮にOがなかったら」です。仮定法のifを省略すると倒置するため,were it not for Oも重要です。but for O,without Oとも言います。 なおこれは現在の反実仮想であり,過去に「Oがなかったならば」という場合はif it had not been for O = had it not been for O = but for O = without Oです。


“However early you may choose to come to the ford,” said Cuchulain, “you will find me there before you. I promise you I will not run away.”
Etarcomal turned his chariot to drive back to the camp. But hardly had he started when he exclaimed, “Do you know, fellow, I have promised to fight the famous Cuchulain to-morrow at the dawn? Now, do you think it best to wait till then, or to go back and fight him now? I do not know that I can wait.”

「どれだけ早く浅瀬に来ることにしても」クー・フーリンは言った。「そこで君の相手をするよ。逃げないことを約束する」

エターコマルは戦車を返して陣営への帰途についた。しかし出発するとすぐに彼は叫んだ。「ねえ,明日の夜明けにあの有名なクー・フーリンと戦う約束をしたよ。その時まで待つのが良いか,今すぐ引き換えして彼と戦うのとどっちが良いかな? 待てる気がしないよ」


“I should say,” replied the charioteer, “that if you mean to fight Cuchulain at all, ’twere better to get it over while he is close at hand.” “Turn the chariot, and drive it left-handwise towards Cuchulain, for by that sign we challenge him. I swear by all my gods, I never will go back until I take the head of this wild youth, and stick it up on high before the host.”

「そうですね」御者は言った。「本気でクー・フーリンと戦うつもりなら,彼が近くにいる間に終わらせたほうがよろしいかと」「戦車を返して,左回りでクー・フーリンのもとへ。それで彼に挑むよ。あらゆる神にかけて,あの悪ガキの首を取り,軍の前に高く掲げるまで帰らないと誓う」

・御者,何言ってるの・・・

get it overについては,get it over with「さっさと終わらせる」というのがあります。英語を教える同僚と,「この目的語を取らないwithって不思議だね」という話をしたことがあります。

 

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今回はここまでです。エターコマルの運命やいかに。ポイントは,フェルグスがエターコマルの保護者となっていることです。フェルグスがどう出るかですね。

 

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