前日の記事の(253)で少し触れましたが,
read between the linesは「行間を読む」という熟語です。
これは「直接は言っていないが趣旨として言っているに等しいことを読み取る」ということです。「真意を汲む」と言いましょうか。
Just look out of the window. https://t.co/Jz5u6YaSM5
— Naomi Seibt (@SeibtNaomi) 2020年9月2日
Naomi Seibtさんのこのツイートで見てみましょう。
それぞれ1行ですから「行間」はありませんが笑
私はこれをこう読みます。
「いよいよ管理社会の怖さを見た」
「暴徒がやりたい放題じゃないか」
直訳ではそうは言ってませんよね。でもそのように読めるのです。
最大の鍵は“1984”です。ジョージ・オーウェル(本名エリック・アーサー・ブレア)の「1984年」ですね。今から見れば1984年なんて数十年前ですが,刊行は1949年であり,これは未来小説で,いわゆるディストピア文学です。「世の中が恐るべき管理社会になる」というテーマですので,1984は管理社会の代名詞なわけです。
よって元ツイは「私はいま初めて管理社会の怖さを見ています」という意味でしょう。
これに対するNaomiさんのツイートは「いいから窓の外を見なよ」です。justは命令文に付けると「まあいいから(とにかく)……してみなさいよ」といったニュアンスを付加します。これはjustの「単に」から理解できます。「ああだこうだではなく,とにかくただこれだけをやればいいんだよ」というわけです。
「窓の外を見る」とはどういうことでしょうか。通りには色んなものが見えますよね。しかしこれはおそらく政治的発言であり,元ツイに何らかのカウンターを放ったものと推測されます。よってこれは「通りを見てみろ。管理社会どころか暴徒が我が物顔で商店を襲っているじゃないか」と言いたいわけです。
私の妄想であったら誠に相すみません笑 でも,多分そういうことだと思います。
read between the lines「行間を読む」(古めかしい言い方をすれば「眼光紙背に徹する」)は大学受験でも出てきうる重要熟語なので覚えておきましょう。