「nativeとnonnativeの間の越えられない壁」が分かる問題です。
問 Japaneseという単語の1文字だけを別の単語に変え,意味のある別の単語にせよ
例えばGapaneseとかJapanesoとかですが,普通は存在しないので不可です。
thinking time(20秒)
ヒント:Japaneseと同じ,地域・民族を示す形容詞です
thinking time(20秒)
この問題,ちゃんと社会を勉強しているネイティブなら小中学生でも答えられると思うんです。しかし我々のようなノン・ネイティブだと大人でも難しいでしょう。
日本人の子どもは「へそのお」「イヌノフグリ」も知っていますが,それを表す英語は大人でも分かりません。それが日々自国の言語を浴びているネイティブとノン・ネイティブの越えられない壁ですね。
答 Javanese「ジャワの,ジャワ人,ジャワ語(の)」
発音はvをちゃんと発音して /dʒæ̀vəníːz/ です。「ジャヴァニーズ」ですね。元の名詞はJava /dʒɑ́ːvə, dʒǽvə/ です。ちょっと特殊なのは,Javan /dʒɑ́ːvən, dʒǽvən/ もJavaneseの代わりとなりうるそうです。
以上だとやや内容が薄いので,国名の形容詞形をいくつか見ていきます。
Japan → Japanese
China → Chinese
Taiwan → Taiwanese
※これらは「……人」の意味のとき単複同形です。Americanの場合はan American,two Americansですが,a Japanese,two Japaneseです。
Mongolia → Mongol
※Mongolは国名ではなく「モンゴル人(の),モンゴル語(の)」です。「モンゴル」はMongoliaです。
Switzerland → Swiss
※Swissは国名でなく形容詞なので注意です。a Swiss watchという時のSwissは国名を表す名詞ではなく形容詞なんですね。
France → French
※Swissと同じ注意があります。習いたての中学生は「フランス」をFrenchと書いてしまうミスをすることがあります。a French restaurantとか言うので,French=「フランス」と間違うわけですね。またa Frenchは「フランス人」の意味にはなりません。a Frenchman, a French person<French peopleなどと言います。the French「フランス国民(全体)」はthe+形容詞の用法です。
Finland → Finnish
※形容詞形ではnがダブルのと,Frenchと同様「フィンランド人」はa Finnishではありません。a Finnです。
Iraq → Iraqi
Kuwait → Kuwaiti
Pakistan → Pakistani
Bangradesh → Bangradeshi
※このように“i”を語尾につけるパターンもあります。
Greece → Greek
※(all) Greek to me「私にはちんぷんかんぷんだ」という熟語が有名なのと,アメリカの大学のフラタニティ(fraternity,略frat,学生社交クラブ)はクラブ名にギリシア文字を使うためGLOs(Greek letter organizations)とも言い,またそのメンバーのことをGreekと言うそうです。
↓フラタニティの一例,アルファ・デルタ・ファイ(ΑΔΦ)
Norway → Norwegian
※綴りが難しいですね。Norwegian Wood(ノルウェーの森)はRubber Soulの収録曲です。かつて書いた記事で述べましたが『ラバー・ソウル』はRubber Sole「ゴム底」ではありません。
Holland(the Netherlands) → Dutch
※もともとdeutsch(ドイツの)を意味していたようです。またFinnやFrenchmanのパターンで,「オランダ人」はa Dutchではなく,a Hollander,a Dutchman等です。
Poland → Polish /póʊlɪʃ/
※たまたまpolish「磨く /pɑ́(ː)lɪʃ, pɔ́lɪʃ/ 」と同綴ですが,発音が違います。
the Czech Republic → Czech
※綴りは難しいですがcheckと同音です。
==========
「……語(Finnish)」と「……人(Finn)」を表す単語が違うものもあるなど,なかなか複雑ですね。ただ複数の場合はFinnish people,French peopleと「形容詞形+people」で行けます。ということは,a Finnish person,a French personと,peopleを単数のa personにすれば1人でも「a 形容詞 person」で済ませられそうですね!