フレイニャのブログ

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アルスターの猟犬(5)

アルスターから離反したフェルグス(アルスター前王)らがクー・フーリンの事をメーヴに教えているアルスターの猟犬(4)の続きです。

“I will tell you that,” said Fergus. “When he was yet a tiny boy, not much past four years old, some one in passing by Murthemne told him a long tale of the boy-corps of King Conor in Emain Macha; that the King had established it for all the sons of nobles and of chiefs, to train them up in strength and bravery. He told him that the King had set apart a playing-ground for the boys, close to his own fort, and there every day they practised games of skill, and feats of arms, and wrestled and threw each other.

「お答えしましょう」フェルグスは言った。「彼がまだ小さな子ども,4歳を少し過ぎた頃,ムルセウネを通りかかったある男が彼に,エヴァン・マハのコノール王の少年部隊の長話をしました。それは王が貴族・首長の子息ら皆を強く勇敢に訓練するために設立したものです。その男は彼に教えました,王が少年達のために,王自らの砦近くに競技場を用意していると,少年達はそこで毎日競技や武術を練習し,取っ組み合いや投げ合いを毎日していると」

corpsは「コール,コーァ」/kɔːr/と発音され「部隊,軍団」という意味です。歴史的に有名なのは戦間期ドイツの「フライコール(Freikorps)」でしょうか。なお「死体」のcorpseの方は「コープス」のように発音されます。両方とも語源は「体(body)」ですね(団体→部隊)

set apartは「取っておく」です。「この場所は子どもの訓練用だよ」と,他と区別して(apart)取っておくのです。

 

He told him, too, that                    [28]the King took so much interest in the boy-corps, that scarce a day passed by that he did not spend some time in watching the pastimes of the lads, for he looked to them to be his future men-of-war and leaders of his hosts. He told the little boy that when they had proved themselves fit by skill and aptness for a higher grade, the King bestowed on them a set of war-gear suited to their age, small spears and javelins, a slender sword, and all equipment like a champion.

「男はまた彼に,王が少年部隊に大変な関心を示していて,王はほぼ毎日のように少年達の気晴らしを暫くは眺めている,というのも王は彼らが将来の戦士となり,王の軍勢の指導者となることを期待しているからだ,とも教えました。男は少年に,少年達が技能と適性によって昇段するのに適格であると証明したら,王は年齢に合った兵装,小さな槍と投槍,細身の剣,戦士に相応しい防具を彼らに授けるとも教えました」

scarece a day passes by that+否定文hardly a day goes on when+否定文などのパターンがあり,「……しないときには1日はほとんど過ぎない」→「……しない日はほとんどない」という二重否定の表現です。almost every dayと言ってしまえば済むところを強調のために二重否定にするわけです。よって話者の意図を汲んで二重否定は二重否定のまま訳すのが筋なのですが,今回は文が長すぎる為そっけなく「ほぼ毎日」と訳してしまいました。

look to Nは「Nの方を向く」ということから「Nに期待する」の意味があります。今回はto beを従えているので「Nが……になることを期待する」です。

bestow A on Bは「AをBに授ける」です。Aが長いので後ろに回されています(bestow on B A)。towに強勢があります /bɪstóʊ/

 

Now when the boy heard this, a great longing arose within his little mind to see the boy-corps and join in their sports and practising for war. ‘I would wrestle, too,’ he said, ‘and I am sure that I could throw my fellow.’ But I and his guardians,” said Fergus, “objected that he was yet too young, and that when he was ten years old it would be soon enough to test his strength against the older boys. For to send a boy of four years old or five to take his part among lads of ten or twelve we thought not well, for we feared that harm would come to him, knowing that he must ever, since his babyhood, be in the midst of all that was going on.

「さて少年がこのことを聞くと,彼の小さな心の中で,少年部隊に会いたい,彼らの競技や模擬戦に参加したいという大望が沸き起こりました。『僕も格闘がしたい』と彼は言いました。『僕はきっと相手をぶん投げられるよ』と。しかし私や彼の守役達が」とフェルグスは言った。「お前はまだ若いと反対しました。そしてお前が10歳になったら他の少年達に力試しをするのに十分だろうと言いました。というのも4,5歳の子どもを10歳や12歳の若者に加わらせるのはよろしくないだろうと思いましたから。というのも彼は赤子の頃から現世の真っ只中にいるに違いないと思い,怪我をすることを恐れたからです」

object that ... は「……であることに反対する」という意味ではなく,「……と言って反対する」(……という理由を持ち出して反対する)です。

in the midst of all that was goind onを今回の文脈でどう訳すべきか悩みました。in the midst of all that is going onというのは「現状(今起こっている物事)の真っ只中で」という意味なのでしょうが,フェルグスは彼がそうだ(現状の真っ只中にいる)と思ったわけですね。多分普通の子供として(神の子なんかではなく)成長しているという意味かなと思いました。

 

Therefore, we said, ‘Wait, my child, until some grown warrior can go with thee, to protect thee from the rough practice of the elder boys and bid them have a care for thee, or else till Conor the King, thy fosterer, himself calls thee hither under his proper charge.’ But the lad said to his mother, that it was too long to wait, and that even on this instant he would set off; ‘And all you have to do, mother, is to set me on my way, for I know not which way Emain lies.’ ‘A long and weary way for a young boy it is to Emain,’ said his mother, ‘for the range of the Slieve Fuad Mountains must be crossed.’ ‘Point me but out the general direction,’ he replied. ‘Over there, to the                   [29] north-west, lies the palace of the king.’ ‘Let me but get my things, and I am off,’ he said.

「それで私達は言いました。『待つのだ我が子よ。いずれ誰か大人の戦士がお前に同行して,お前を年上の少年達との荒々しい練習から守ってやり,お前を気遣うように彼らに命じるまで待て。あるいはお前の養育者のコノール王が御自らお前を彼の適切な責任の下に置くまで待つのだ』と。しかし少年は母親に,そんなに待てない,今すぐにでも出発すると言ったのです。『だからお母さんは僕を旅立たせてくれれば良いんです。だってエヴァンはどっちにあるか分からないんだもの』と。『子どもがエヴァンに行くのは遠くてくたびれちゃうくらい遠いのよ』と彼の母親は言いました。『だってスリーヴ・フアドの山々を越えなくちゃならないのよ』『大体の方角だけ教えてくれたら良いよ』彼は答えました。『あっちの方,北西に,王の宮殿があるわ』『荷物をまとめさせてね,出発するよ』と彼は言いました」

under one's charge,in one's charge は「……の管理・監督下で」です。

wearyは「(本人が)疲れた(tired)」ですが,文語では「疲れさせるような(tiring)」の意味にもなれます。

generalは「大体の,大雑把な」の意味があります。

get one's things (together)は「荷物をまとめる」,pack one's thingsは「荷物を詰める」です。

 

These were the things that the child took in his hand. His hurley of brass and his ball of silver in one hand, his throwing javelin and his toy spear in the other. Away he went then, and as he went, this would he do to make the way seem short. He would place his ball on the ground and strike it with his hurley, driving it before him ever so far; then he flung the hurley after it, driving that as far again; then, always running on, he threw his javelin, and last of all his spear. Then he would make a playful rush after them, pick up the hurley, ball, and javelin as he ran, while, before ever the spear’s tip touched the earth, he had caught it by the other end. Thus on he ran, scarce feeling tired, so engrossed was he in the game.

「その子が手にしたものはこれらです。真鍮でできたハーリング用のスティックと銀製のボールを片手に。投槍とおもちゃの槍をもう片手に。そうして彼は出発し,行く途中,道のりが短く感じるようにこういうことをしました。彼はボールを地面に置き,スティックでこれを打ち,遠くへ飛ばしました。それからスティックを投げ,これも同じだけ遠くに飛ばしました。それから常に走ったままで投槍を投げ,最後に槍を投げました。それから彼は遊ぶようにダッシュしてそれらを追いかけ,走りながらスティック,ボール,投槍を拾い上げ,またその一方で,投げた槍の先が地面に触れるより前に,槍の持ち手の方を掴んだのです。かくして彼は,そうした遊びで夢中になりながら,ほとんど疲労を感じることなく走り続けました」

・彼の超人的な移動方法が紹介されています。

・このThesethisは直前のものではなく直後のものを予め指すものです。「以下のもの」「以下のこと」とも訳せます。

・hurleyはhurling「ハーリング」というアイルランドの競技に使う棒です。グラスホッケーのようなものでしょうか。

ja.wikipedia.org

tipが「先端」を初め様々な意味になることは2020/6/23の記事で解説しました。 

 

“At last Cuchulain reached Emain, and sought out the palace of the King and the playing-field where the boys were practising, three times fifty in number, under the charge of Follaman, one of Conor’s younger sons; the King himself being present, watching the game.

「遂にクー・フーリンはエヴァンに到達し,王の宮殿と,少年達が訓練している練習場を探しました。彼らは50の3倍の数でフォラマンという,コノール王の息子の一人を責任者としていました。また王自身もその場にいて試合を見ていました」

・クー・フーリンの人間の父は今喋っているフェルグスの兄弟スアルタム。母はコノール王の妹デヒティネ。よってコノール王もフェルグスも,クー・フーリンの伯父に当たります。コノール王(クー・フーリンの伯父)の息子であるフォラマンは,クー・フーリンの従兄弟に当たることになりますね。

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ここで一旦切ります。王都に着いたばかりですから,クー・フーリンの子ども時代の偉業はまだ続きそうですね。

 

アルスターの猟犬

次回書きました。 

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