フレイニャのブログ

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アルスターの猟犬(4)

メーヴが女預言師フェデルムからも老ドルイドと同様の預言を聞いてしまったアルスターの猟犬(3)の続きです。

前回とうとう「クー・フーリンキュクレイン)」の名前が明かされたのでちょっと小話を。

皆さん「ケット・シー」って知ってますよね。FFにもメガテンにもいます。FF14の「シャドウ・オブ・マハ」に出てくるケット・シーが可愛くて好きです。

「ケットCat」は「猫」,「シーSith」は「妖精」です。「猫妖精」ですね。

これに対しメガテンには「カーシーCu Sith」という魔獣がいます。このCuは「犬」という意味で,これが「クー・フーリンCu Chulainn」の「クー」なのです。「クー・フーリン」は「(鍛冶屋の)クランの犬」という意味なんですね。「クー・フーリン」命名のエピソードはアルスターの猟犬(8)で公開される予定です。

 

CHAPTER III

The Boy-Corps of King Conor

Now all that she had heard that night so troubled Meave that she thought not well to proceed upon her hosting at that time. She lay upon her bed and pondered long upon the fairy woman’s words, and more and more she wondered who this youth might be, the lad of mighty feats whom all men called “The Hound of Ulster.”

さて,その夜に聞いた全てのことがメーヴを余りに悩ませたので,彼女は今回は軍勢を進める気にはなれなかった。彼女はベッドの上に寝そべり,あの妖精女の言葉について長く考えた。そしてこの若者が誰に当たるのだろうか,ますます知りたくなった。皆が「アルスターの猟犬」と呼ぶ強き離れ業の若者のことである。

think to-V「Vしようと思う」という用法があります。didn't thinkをthought notとまるで助動詞のようにするのは古い英語の用法でしょう。

ponderは「深く考える」という意味です。pond「池」から連想しても良いでしょう。

 

When daylight came, she sent a message to the captains of her host, commanding them to tarry yet a day, till she should learn further about the youth who stood upon her path and seemed a threatening terror to her hosts. Then like a king and queen they robed themselves and sat within their tents, Ailill and she, and sent a herald forth commanding Fergus and the chief of Ulster’s exiles to appear before them, to tell them of Cuchulain.

日が昇ると彼女は軍勢の隊長達に使者を出し,彼らにもう1日──自分の行く手に立ち塞がり自分の軍勢にとって恐るべき脅威に思われる若者についてもっと知るまで──留まるよう命令した。それからアリルとメーヴは王と女王らしくガウンを着てテントの中に座り,フェルグスとアルスターから亡命した者の長に参上してクー・フーリンのことを教えるよう使者を出した。

robed themselvesをrob「奪う」の過去形と混同してはいけません。robの過去形・過去分詞はrobbedです。このrobedは何かと言うとrobe「ローブを着せる」の過去形・過去分詞ですね。robed themselvesは「ローブを着た」ということです。


When they were gathered, Fergus, Cormac son of Conor and the rest, Ailill addressed them. “We hear strange tales of one of Ulster’s chiefs, a youthful hero whom men call the “Hound.” From you, O chiefs of Ulster, we would learn all you can tell about this famous lad. What age hath he? and wherefore hath he gained this name? and have his deeds become known to you?”

彼ら──フェルグス,コノールの息子コルマクとその他──が集まると,アリルは彼らに話しかけた。「私達はアルスターの隊長達のうち1人の奇妙な話を聞いた,人が『犬』と呼ぶ若者のことだ。あなた方アルスターの長たちよ,あなた方皆はこの有名な若者についての話ができると思う。どれぐらいの年齢なのか,何ゆえこの名を得たのか,彼の行いをあなた方は知っているのか」

address Nは「Nに話しかける,Nに対して演説する」の意があります。


“His deeds are known to us, indeed,” Fergus replied, “For all the land of Ulster rings with this young hero’s renown.”

“Shall we find him hard to deal with?” then said Meave. “Last night I met a fairy-maid, who told me to beware, for among the warriors of the North, this lad would trouble us the most.”

「確かに彼の行いを私達は知っています」フェルグスは答えた。「アルスターじゅうがこの若き英雄の名声で持ちきりです。」

するとメーヴは「彼は御しがたい相手になるであろうか」と言った。「昨夜私は妖精の女と出会った。彼女は私に注意するよう言った。北方の戦士の中で,この若者が我々を最も苦しめるであろうからと」

ring with Nは「Nの噂で持ちきりである,Nの噂が鳴り響いている」という意味の文語です。

find him hard to deal withは「彼が扱いにくいと気づく」ですが,findは訳さず「彼に手こずる」などと訳せば良いでしょう。


“He will trouble you the most, indeed,” said Cormac and Fergus with one voice. “You will not find a warrior in your path that is so hard to deal with, not a hero that is fiercer, nor a raven more greedy of prey, nor a lion that is more dangerous than he. You will not find another man to equal him, whether of his age or of a greater age, so strong and terrible and brave is he, nor is his match in Erin either for his beauty or his prowess or in all deeds and feats of skill.”

「たしかに彼が最も女王を苦しめるでしょう」とコルマクとフェルグスは同時に言った。「あなたの行く手で彼ほど厄介な戦士に出逢うことはないでしょう。彼ほど獰猛で,彼ほど獲物に貪欲な鴉で,彼ほど危険な獅子はいないでしょう。彼に匹敵する者はおりません。同年代にも年上にも。彼ほど強く,恐ろしく,勇敢な者,エリンの地で美しさの点でも能力の点でもあらゆる行動と技能の技の点でも,彼に匹敵する者はいません」

・まるで関羽張飛呂布かといった具合じゃないですか。

Erinは簡単に言うと「アイルランド」のことです。与格らしいですが……


“I care not for all this,” said haughty Meave; “not these the things I fear; for, after all, whatever you may say, Cuchulain, like another, is but one; he can be wounded like a common man, he will die like any other, he can be captured like any warrior. Besides, his age is but that of a grown-up girl; his deeds of manhood come not yet.”

「知らぬわ」高慢なメーヴは言った。「そのような事我は恐れぬぞ。どのみち,卿等が何と言おうと,クー・フーリンは人の子ではないか。普通の者のように傷もつくであろう。他の者のように何時かは死ぬであろう。他の戦士のように囚えることもできよう。その上,彼の年齢ときたら,成長した少女のような年齢ではないか。まだ大の大人のなせる技ではないわ」

・フェルグスとコルマクが彼を褒めているようだったので機嫌が悪くなったようですね。

but oneは「たった1人(の人間)」です。「人の子」と訳しておきました。


“Not so indeed,” said Fergus and they all. “It would be strange if he to-day were not the equal of any grown-up man or many men; for even when he was in his fifth year, he surpassed all the chieftain’s sons of Emain Macha at their play; when he was but seven he took arms, and slew his man; when he was a stripling he went to perfect himself in feats of championship with Scáth, the woman-warrior of Alba; and now to-day when he is nearly seventeen years old, his strength must be equal to the strength of many men.”

「実はそうではありません」フェルグスらは皆言った。「仮に彼がこんにち,どんな大人の男にも,或いは大勢の男にも,敵わないのだとしたら,奇妙な事でしょうな。というのも彼がまだ5歳の時に彼はエヴァン・マハの全ての隊長の息子たちを競技で負かしたのです。まだ7歳の時に彼は武器を取り,部下を殺してしまいました。少年の頃,彼はアルバの女戦士スカーの下へ戦の技を完成させるために赴きました。そして17歳になろうとしている今,彼の力量は多数の兵のそれに匹敵するものに違いありません」

slewはslay「殺戮する」の過去形です(slay - slew - slain)。真剣を使った試合で殺してしまったのでしょうか。

Albaは「スコットランド」のことです。ジェシカ・アルバのアルバはスコットランドという意味なのでしょうかね。スコットランドの別名として「カレドニア」も覚えておきましょう。

Scáthはスカーサハ(スカアハ)のことでしょう。その意味を汲んで「シャドウ」と訳すのも面白いですが。

 

“Tell us,” said Meave, “who is this warrior-lad; tell us also of his boyish feats and how the name of ‘Ulster’s Hound’ came to be his.”
“I will tell you,” said Fergus; “for Cuchulain is my own foster-son and Conor’s; though they say, and I myself believe it, that he is of the offspring of the gods, and that Lugh of the Long Arms, God of Light, is guardian to the boy. But Sualtach is his father, a warrior of Ulster, and the child was reared by the seaside northward on Murthemne’s plain, which is his own possession.

「教えてくれ」メーヴは言った。「この若武者のことを。彼の少年時代の偉業と,『アルスターの猟犬』の名が付いた経緯を」

「お教えしましょう」フェルグスは言った。「というのもクー・フーリンは私自身の,そしてコノールの養子なのです。彼は神の血を引いており,光の神・長腕のルーが彼の守護神だと人は言い,そして私も信じていますが,アルスターの戦士スアルタムが彼の父であり,その子は北のムルセウネの原に面する浜辺で育てられました。彼自身の所領です」

ムルセウネ(ムルセヴネ)は現在のラウス県(County Louth)にあり,ボイン(Boyne)川が流れているところです。ラウス県はアイルランド語でContae Lúと書き,正にルー(Lugh)が語源です。最後の「彼自身の所有地」というのは,クー・フーリンの所有地ではなくスアルタムの所有地ということでしょうね。

 

At my knees he was brought up, and Amergin the poet was his tutor; the sister of King Conor nourished him with Conall the Victorious in her home. For at his birth Morann the judge prophesied of his future renown. ‘His praise,’ he said, ‘will be in all men’s mouths, his deeds will be recounted by kings and great men, warriors and charioteers, poets and sages. All men will love him; he will give combat for Ulster against her enemies; he will decide your quarrels; he will avenge your wrongs. Welcome the little stranger who is here.’”

「私の膝下で彼は育ちました。そして詩人アマーギンが彼の家庭教師でした。コノール王の妹が勝利のコナルと共に彼女の家庭で養育しました。というのも彼が生まれた時,判事のモランが彼の将来の名声を予言したのです。『彼の称賛は』判事は言いました。『あらゆる人の口に上るであろう。彼の行いは王や貴族,戦士や御者,詩人や賢者に詳しく述べられるであろう。あらゆる人が彼を愛するであろう。彼はアルスターを敵から護るために戦うであろう。彼は人々の争いを収めるであろう。彼は人々の悪事に復讐するであろう。ここにいる小さき訪問者を歓迎するが良い』と」

Amerginは「アメルギン,アマーギン,アワルギン」などと訳されているようです。

・クー・フーリンを育てたコノール王の妹はデヒティネと言うそうです。ウィキペディアだとずばりクー・フーリンの母となっています。

・「勝利のコナル」は「コナル・ケルナハ」でしょう。「勝利のコナル・ケルナハ」ではなく,「ケルナハ」はvictoriousの意味のようですので,「コナル・ケルナハ」=「勝利のコナル」ですね。「ゴーム・グラス」を持っているとされる人の1人です。

Morannについてはクー・フーリンのWikipedia(英語版)にthe wise Morannが出てきますが,彼専用の項目はありませんでした。

recountは「詳しく述べる」です。指を折りながら「まずこれをやって,次に〜」といった感じなのでしょうかね。


And Meave and Ailill said, “That is a brave account to give of a young child; no wonder is it that Ulster prides herself in him; but tell us now, Fergus, for eager are we all to hear, the feats of Cuchulain as a little boy.”

するとメーヴとアリルは言った。「それは少年に与えるには勇敢なお話だな。アルスターが彼を誇りに思うのも無理はない。では今度は,フェルグス,我々はとても聞きたいのだ,クー・フーリンの少年時代の偉業を話してほしい」

It is no wonder that ... はIt is natural that ...と同じで「……なのももっともだ」です。No wonderが文頭に出て「否定語文頭倒置」を起こし,No wonder is it that ... となっています。なお現代英語では単にNo wonder S V. と言えます。

・be pround of N = take pride in N = pride oneself on Nはセットに覚えておきましょう(inになっていますが)。国をsheで受けることができるのでherselfです。

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次,ものすごく長い段落なのでここで切ります。話すべき偉業がたくさんあるのでしょうね(;´∀`) 次回をお楽しみに!

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