nationalとinternationalを混同したり,impressとexpressを混同するのはいただけませんね。“inter” “im(in)” “ex” という特徴的な接頭辞が付いているのですから。
“inter”は「間に(between)」という意味です。スポーツの「インターセプト」とかを想像するとイメージしやすいでしょう。この“inter”に“national”「国の,国民の」が付いて,international「国際的な」となるのです。“inter”がなければ1国の話ですね。
なお“inter”の対義は“intra”「内の」です。「イントラネット」とは,1つの会社の中だけで繋ぐネットのようなものです。
では本題に入りましょう。
pressは「押す」ですね。
(1)impress(中に押しつける→)「印象づける」
impression「印象,感銘」
(2)express(外に押し出す→)「表現する」
expression「表現,(facial 〜) 表情」
このように語源・成り立ちまで理解したら,よもや両者を混同することはありえませんね。あと,「外に押し出す」から「急ぐ」イメージが出て
(2’)express「速達,急行」
です。
最後に細かい用法を確認しましょう。
impressでは,impress O as Cという用法があります。「Cであるという印象をOに与える」です。
The house impressed me as rather small.「その家はかなり小さいという印象を私に与えた」
これはstrikeでも言えます(strike O as C)
He struck me as an able man.「彼は有能そうな印象だった」
面白い(気をつけたい)のは,CがOの形容ではなく,主語(houseやhe)の形容だということですね。だって,
regard O as C「OをCとみなす」では,CはOの形容ですから!
expressでは,残念ながら✗express that...「……と表明する」のようには言えないようです。多くの場合express one's concern「懸念を表明する」のように名詞を続けますが,wh-節は続けて良いようです。例えば,
express how...「いかに……であるかを表明する」です。Google窓にexpress howを打ち込むと,サジェスト上位に出てきたのはexpress how you feel,express how I feelでした。「自分の気持がどんなかを表現する」ですね! これにcannotを付ければ,
I cannot express how I feel now.「今の気持ちを表現できない」
と出来るはずですが,これもGoogleに打つとよく出てきたのは
Words cannot express how I feel now.「今の気持ちを言葉では表現できない」でした。面白いですね!