フレイニャのブログ

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矛盾するように見えるvirtualの2つの意味

virtualには「仮想の」の意味と「事実上の」の意味があります。これ,矛盾していると思いませんか? 仮想って,事実じゃないって意味じゃないのん?(・ω・)

でも「まるで」「ほとんど」を付けてみたら……?

今回はなぜ矛盾するように見える「事実上の」と「仮想の」が同じvirtualという単語なのかを考えてみます。

分かりやすいのはvirtual reality「仮想現実」でしょうか。virtual「仮想」が付くということは,virtual realityはrealityそのものではないですね。でも「まるで現実のよう」ではありませんか? つまりお城をvirtual realityで眺めると,現実のお城を見てはいないものの,ほとんどそれに近い状態でいられ,お城の中がどうなっているか知るという目的は達成できてしまうのです。「まるで本物のお城を見ているよう」なわけですね。

それを「事実」ではなく「事実上」とか「実質的」とか言うのでしょう。

 

次はSNSの例です。SNSでハンドルネームを使い発言をしたとしましょう。その発言に問題があったら,責められるのは誰でしょうか。そのハンドルネームを使っている人が,それは架空の人物の発言だと言っても通用しません。その架空の人物の発言は,事実上そのハンドルネームを使っている本人の発言とみなされるのです。

 

英文法にも実質最上級というものがあります。見かけ上は最上級ではないが,実質的に最上級と同じと見なせるものです。

Nothing is as precious as time.「時間ほど貴重なものはない」

No place is like home.「我が家にまさる所なし」

これらは

Time is the most precious.

Home is the best place.

と実質的に同じ意味ですが,最上級を使っていません。これが実質最上級です。

 

以上のように,名目上は/見かけはそれではないが,ほとんどそれと同じだと見なせるもののことを,virtualなものと言うのでしょう。本物とvirtualな物は,ほとんど同じなのです。

その証拠に(?)この語の副詞形virtuallyは,「ほとんど」という意味なのですよ・ω・

almost impossible,virtually impossible,next to impossibleは「ほとんど不可能」という意味です。virtually impossibleは「事実上不可能」と言っても良いですね。

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