フレイニャのブログ

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Asgard Stories 19:トール,ハンマーを奪われる(1)

Asgard Stories

トールとロキが人間の兄妹を連れて巨人の本拠ウートガルズに乗り込んだAsgard Stories 18の続きです。今回もトールのお話です。

 

How Thor Lost His Hammer

“Come, Loki, are you ready? My goats are eager to be off!” cried Thor, as he sprang into his chariot, and away they went, thundering over the hills. All day long they journeyed, and at night they lay down to rest by the side of a brook. When Baldur, the bright sun-god, awoke them in the morning, the first thing Thor did was to reach out for Miölnir, his magic hammer, which he had carefully laid by his side the night before. “Why, Loki!” cried he. “Alas, my hammer is gone! Those evil frost giants must have stolen it from me while I slept. How shall we hold Asgard against them without my hammer? They will surely take our stronghold!” “We must go quickly and find it!” replied Loki. “Let us ask Freyja to lend us her falcon garment.”

「おいロキ,準備はいいか?山羊どもが出発したがってるぞ!」とトールは戦車に飛び乗って叫び,彼らは山々の上をゴロゴロと戦車の音を響かせながら飛んでいきました。1日中旅をして,夜になると小川のそばで寝そべって休みました。翌朝,明るい太陽の神バルドルが陽を照らして彼らを起こすと,トールが最初にやったことは魔法のハンマー,ミョルニルに手を伸ばすことでした。前の晩注意深く,自分の脇に置いていたものでした。「なんと,ロキ」トールは叫びました。「なんたることだ,俺のハンマーがない!眠っている間に邪悪な霜の巨人どもが盗み出したに違いない。ハンマーなしで奴等からアースガルズをどうやって守るんだ? 俺達の砦が奪われちまう!」「急いで探しに行こう!」ロキは答えました。「フレイヤハヤブサのはごろもを借りよう」

be eager to-Vは「Vすることを切望している,しきりにVしたがっている」です。veryで強調でき,大袈裟にbe dying to-Vとも言えます。したい程度に応じてeagerのところを様々な形容詞に変えます。2020/7/9の記事で解説しました。

brookは「小川」,ドイツ語では(ein) Bachですね。

・「太陽の神バルドルが彼らを起こした」と読んだ時に「バルドルもいたの?」と誤解しそうになりました。これは陽が照り始めたことの比喩でしたね。「陽を照らして」を補いました。

reach out for Nは「Nを取ろうと手を伸ばす」です。catch at N「Nを掴もうと手を伸ばす」もあり,A drowning man will catch at a straw. に使われています

・テストですが,このlayとlaid,説明できますか?layは自動詞lie「横たわる,ある」の過去形のlay,laidは他動詞lay「横たえる,置く」の過去分詞laidです。lie「横たわる」の過去形がlay「横たえる」の原形と同形なので紛らわしいです。

・このWhyは間投詞で「おや,なんだい」といった意味です。Alasも嘆息を表す間投詞ですね。Alasを間接話法にする時,Alas自体は使えませんので,このように工夫します:Thor said, “Alas, my hammer is gone!” → Thor said with a sigh that his hammer was gone.

mush have+過去分詞は「……したに違いない」です。仮定法でも使われるshoud have+過去分詞と違い,must have+過去分詞は現代英語では仮定法で使われなくなり,意味がおそらくこれ1択なので簡単です。

 

Now the goddess, Freyja, had a wonderful garment made of falcon feathers, and whoever wore it looked just like a bird. As you may suppose, this was sometimes a very useful thing. So Thor and Loki went quickly back to Asgard, and drove with all speed to Freyja’s palace, where they found her sitting among her maidens. “Asgard is in great danger!” said Thor, “and we have come to you, fair goddess, to ask if you will lend us your falcon garment, for my hammer has been carried off, and we must go in search of it.” “Surely,” answered Freyja, “I would lend you my falcon cloak, even if it were made of gold and silver!”

ところで女神フレイヤハヤブサの羽毛でできた不思議な衣装を持っており,これを身に着けたものは誰でも鳥にそっくりになりました。時にはとても便利な代物になるのはご想像の通りです。そこでトールとロキはアースガルズに急いで戻り,フレイヤの宮殿に全速力で戦車を駆け,召使いの乙女たちに囲まれて座っているフレイヤを見つけました。「アースガルズが大変な危機だ!」とトールは言いました。「そこでお前に会いに来た,麗しき女神よ,ハヤブサのはごろもを借りるためだ。というのも俺のハンマーが持ち去られちまった。探しに行かねばならんのだ。」「いいですとも」フレイヤは答えました。「ハヤブサのマントをお貸ししましょう。金銀でできたものであったとしても構うものですか」

whoever Vは(1) anyone who Vと同じ意味で「Vするものは誰でも」です。他に(2) 副詞節として「たとえ誰がVしようとも(no matter who V)」の意味になることもあります。複合関係詞と言われているもので,いずれやりたいですね。

フレイヤの宮殿は「フォールクヴァングFólkvangr」という固有名を持っています。

be in danger「危機にある,(危機にあるという意味で)危ない」は重要ですね。be dangerousと言うと,それが他者にとって危険だとも読めるからです。

in searh of Nは「Nを捜して」です。×in search for Nではないので,よく入試で出ます。

 

Then Loki quickly dressed himself in Freyja’s garment and flew away to the land of the frost giants, where he found their king making collars of gold for his dogs, and combing his horses. As Loki came near, he looked up and said, “Ah, Loki, how fare the mighty gods in Asgard?” “The Æsir are in great trouble,” replied Loki, “and I am sent to fetch the hammer of Thor.” “And do you think I am going to be foolish enough to give it back to you, after I have had all the trouble of getting it into my power?” said the king. “I have buried it deep, deep, down in the earth, and there is only one way by which you can get it again. You must bring me the goddess Freyja to be my wife!”

そこでロキは急いでフレイヤのはごろもを着て霜の巨人の国へ飛んで行き,彼らの王が犬達に金の首輪を作り,馬達に櫛を掛けているのを発見しました。ロキが近づくと,王は見上げて言いました。「ああ,ロキ,アースガルズの強き神達はどんな調子だ?」「エーシル達はとても困っているんだ」ロキは答えました。「それで俺がトールのハンマーを取り戻しに送られたのさ」「それで,俺がお前にハンマーを返すアホに思えるかい? あれを手に入れるのにあれだけ苦労したと言うのにだ」と王は言いました。「あれは地中深い,深い所に埋めたよ。取り戻す方法は1つしか無い。女神フレイヤを連れてきて俺の妻にするんだ!」

・dress Nは「Nに服を着せる」で,dress oneselfで「服を着る」です。

fareは「運賃」の意味が有名ですが,「行く」の意もあり(farewellのfare),how fare Sはhow is S going「Sはどんな調子でやっている?」の意味でしょう。

fetch Nは「行って取ってくる」の意味です。イギリス英語で使われやすい語のようです。

・「Vする方法」はa way of Ving,a way to-Vが簡単ですが,ここはa way by which S Vが使われていますね。前置詞+関係詞の後には完全な文が書けて便利です。これもいずれやりたいですね。

 

Loki did not know what to say to this, for he felt sure that Freyja would never be willing to go away from Asgard to live among the fierce giants; but as he saw no chance of getting the hammer, he flew back to Asgard, to see what could be done. Thor was anxiously looking out for him. “What news do you bring, Loki?” cried he. “Have you brought me my hammer again?” “Alas, no!” said Loki. “I bring only a message from the giant king. He will not give up your hammer until you persuade Freyja to marry him!” 

これにはロキも閉口しました,というのもフレイヤがアースガルズを離れて霜の巨人たちと一緒に暮らそうとしたがるとはとても思えなかったからです。しかしハンマーを取り戻す方法がなさそうだったので,彼は対策を考えるためにアースガルズに戻りました。トールが心配そうにロキの帰りを待っていました。「どんな状況だった,ロキ?」トールは叫びました。「ハンマーを取り戻してくれたかい?」「残念,まだだ」ロキは言いました。「巨人の王からの伝言だけだ。フレイヤを説得してやつの妻にしないと返さんとさ!」

persuade O to-V「VするようOに説得する」は,説得に成功する意味まで含みます。日本語の「説得したがだめだった」を英訳する場合は,try toを付けましょう。I tried to persuade him to-V, but... です。2020/7/18の記事で触れました。

 

Then Thor and Loki went together to Freyja’s palace, and the fair goddess greeted them kindly, but when she heard their errand, and found they wished her to marry the cruel giant, she was very angry, and said to Thor, “You should not have been so careless as to lose your hammer; it is all your own fault that it is gone, and I will never marry the giant to help you get it again.” Thor then went to tell Father Odin, who called a meeting of all the Æsir, for it was a very serious matter they were to consider. If the king of the giants only knew the power of the mighty hammer, he might storm Asgard, and carry off the fair Freyja to be his bride.

そこでトールとロキが一緒にフレイヤの宮殿に行くと,美しき女神は優しく彼らを迎えました。しかし彼女が彼らの用事を聞き,自分が残忍な巨人の妻と結婚することを彼らが望んでいると知ると,大変怒って,トールに言いました。「ハンマーをなくすなんてとんだ不注意をしたのが悪いんじゃないの。無くなったのは全部あなたのせい。それを取り戻すために巨人と結婚するなんてお断りです」そこでトールが父なるオーディンに話しに行くと,オーディンは全てのエーシルを集めました。というのもこれは皆が考えねばならない,非常に深刻な問題だったからです。巨人の王だけがその強力なハンマーの力を持っているのなら,彼はアースガルズを襲い,美しきフレイヤを連れ去って嫁にしてもおかしくはありません。

・ここのshould have+過去分詞は「……するべきだった」,should not have+過去分詞は「……するべきではなかった」です。should not have been carelessは「不注意であるべきではなかった」です。「不注意だったのが悪い」と訳し変えています。

so carelessは「そんなに不注意」ですが,後ろにas to-Vがあるので,「Vするほどに不注意」です。

・ここのthey were to considerのwere toは〈義務のbe to〉ですね。「彼らがconsiderしなければならないserious matter」です。be toの5つの意味については2020/5/4の記事の(2)で触れています。

storm Nは「Nを襲う;Nに怒鳴る」です。

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一旦ここで区切りたいと思います。エーシル達はどうやってハンマーを取り返すのでしょうか。熊やブヨに変身できたロキがフレイヤに化けて巨人の王の所へ行き,後で逃げ出したら良さそうですけれどね!

 


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